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米国
2015年3月11日
米財務長官のドルへの発言を振り返る
足元の米国株式市場の主な下落要因のひとつとはドル高との見方があります。オバマ政権の為替政策は足元、結
果的にドル高を受け止める格好となっていますが、今後も現在の方針を維持するか注目が必要な時期と思われます。
米CEA委員長:強いドルと海外経済の動向が
米経済に向い風
米国大統領への経済に関する助言を目的とする米大統領
経済諮問委員会(CEA)のファーマン委員長は2015年3月10
日、強いドルと世界経済の成長低迷が米経済の向かい風
になっていると述べました。ドルはユーロに対して12年ぶり
の高値付近に上昇しています(図表1参照)。
ファーマン委員長はワシントンで開かれた全米企業エコノミ
スト協会(NABE)の会合で、国外経済の成長率鈍化にドル
高が加わったことが、現在の米国の輸出の向かい風となっ
ていると発言しています。
どこに注目すべきか
米国株式市場、ドル高、為替政策、金融政策
(日次、期間:2015年1月2日~2015年3月10日)
2,130
2,100
ドル/ユーロ
米国株式(左軸)
ユーロ(対ドル、右軸)
2,040
2,010
1,980
15年1月
15年2月
1.25
1.20
2,070
1.15
高 ユーロ 安
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:米国株式とユーロ(対ドル)レートの推移
1.10
1.05
15年3月
※米国株式:S&P500種指数
図表2:米財務長官の就任期間と
米ドル実質実効為替レートの推移
(月次、期間:1994年1月~2015年1月)
130
円/ドル ルービン
オニール スノー ポールソン ガイトナー
高 ドル 安
足元の米国株式市場の主な下落要因のひとつは(政策金
利の引き上げに伴う)ドル高との見方があります。オバマ政
権の為替政策は足元、結果的にドル高を受け止める格好と
なっていますが、今後も現在の方針を維持するのか注目が
必要な時期と思われます。
米国は為替市場への言及(口先介入)を控える傾向があり
ます。しかし必要な場合、明確にメッセージを出す場合も見
られ、主に財務長官が言及します。思い出すのは「強いドル
は米国の国益」のフレーズが有名であった、クリントン政権
下のルービン元財務長官(1995年~99年)です。ドルの総合
的な強さを示す実質実効レートで見ると、ルービン財務長官
の時代はほぼドル高でした。後任のサマーズ氏も為替につ
いてはルービン氏と同様の方針でした。もっとも、この時期
の米国はIT産業の成長などによりインフレなき成長を実現し
ており、それがドル高の原因であり、財務長官の発言でドル
高が実現したわけではないと見ています(図表2参照)。
次に、2001年のブッシュ政権になってからの財務長官のコメ
ントは「米国経済が強いならドル高が望ましい」とトーンダウ
ンしています。ITバブルの崩壊、2008年の金融危機などが
続くなか、為替政策は市場にゆだねた格好です。
2009年からのオバマ政権ではガイトナー前財務長官の時に
米国は量的金融緩和を進めていた結果、ドル安が進行して
います。もっとも、米国はドル安を望むといった発言は控えて
いた模様です。一方、現在のルー財務長官は利上げの準備
を進める米連邦準備制度理事会(FRB)と歩調を合わせる格
好で、ドル高を歓迎する姿勢をとってきましたが、共和党のみ
ならず、身内からも批判的な声が出始めている状況です。
強すぎるドルへの懸念が高まる中、米国の財務長官は米国
経済の現状を踏まえて通貨政策について微妙に表現を変え
る傾向もあるだけに、発言内容に注目しています。
120
110
100
90
94年1月
※矢印灰色は
民主党政権
ルー
現財務長官
サマーズ
米ドル実質実効為替レート
99年1月
04年1月
09年1月
14年1月
※実質実効為替レート:主要貿易相手国に対する個別為替レートの加重平均
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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