さあ、もうすぐ ECB政策理事会

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欧州
2016年3月9日
さあ、もうすぐECB政策理事会
ECB政策理事会(3月10日公表)で市場が予想している主な金融政策は量的金融緩和拡大と預金金利の更なる引
下げですが、マイナス金利のさらなる引下げは銀行収益への悪影響も懸念される点に注意が必要と見ています。
ユーロ圏2015年10-12月GDP改定値:
固定資本投資にけん引され前期比0.3%増
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が2016年3月8日に発
表したユーロ圏10-12月期GDP(国内総生産)改定値は前期
比0.3%増と、2月12日に公表された速報値と一致しました。ま
た、7-9月期の成長率(同0.3%増)とも一致しました。内訳を見
ると家計支出は前期比0.2%、政府支出は0.6%となりました。
特に成長を支えたのは総固定資本形成(同1.3%増)でした
(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
預金ファシリティ、通貨への影響、銀行収益
くい状況です。また、ECBの国債購入の条件に利回りは預金
ファシリティを超えることとなっており、現在約9千億ユーロの
購入が不可となっているものの、預金ファシリティを0.1%引き
下げることで、購入可能額が5千億ユーロ程度増えるとの試
算があることも金利引き下げの後押し要因と見られます。
したがって、可能性として日銀が導入したようにマイナス金利
を複数用意して、実際の適用額を絞る(銀行収益への影響を
抑える)などの工夫を凝らした対応が考えられます(ただし複
数金利は実務上の取扱いが複雑なことが弱点)。
一方、債券購入は、国債の購入可能額などが確保されれば
購入額の上乗せが想定されます。加えて、購入対象に高格
付けの社債を含めるかが注目されます。
最後に、政策の中身に加え、今後の方針(フォワードガイダン
ス)が明確であるかに注意も必要と見ています。
高 ユーロ 安
今回のECB政策理事会(3月10日公表)で市場が予想してい
る主な金融政策は債券購入による量的金融緩和の拡大と
図表1:2015年ユーロ圏GDPの寄与度の推移
預金金利(現在マイナス0.3%)の更なる引下げです。量的金
(四半期、期間:2015年1-3月期~2015年10-12月期、GDPは前期比)
融緩和拡大は期待されますが、マイナス金利は銀行収益へ
1.0%
の悪影響も懸念される点に注意が必要と見ています。
0.5%
まず、市場のコンセンサスを確認すると、預金ファシリティを
0.1%引き下げてマイナス0.4%とすること、国債購入額を現在
0.0%
の月600億ユーロ程度から100から300億ユーロ程度上乗せ
-0.5%
することを大半が予想しています。
純輸出
固定資本
政府
ただし、マイナス金利引き下げにECBが慎重となる可能性も
-1.0%
GDP
家計消費
在庫
あります。理由は、マイナス金利は銀行収益へ悪影響を与
1-3月期
4-6月期
7-9月期
10-12月期
えることが懸念されるからです。ECBは2014年6月からマイ
図表2:預金ファシリティとユーロ(対ドル)の推移
ナス金利を導入していますが(図表2参照)、それから現在ま
(日次、期間:2013年3月8日~2016年3月8日)
で、ユーロ圏の長短金利の利回り格差(スプレッド)は縮小し
預金ファシリティ(左軸)
ており、何らかの形で、銀行の利ざやを縮小させる懸念があ 0.1 %
ドル/ユーロ 1.5
ユーロ(対ドル、右軸)
1.4
ります。2つ目の理由は為替(ユーロ安)への影響が2014年 0.0
2015年12月~
のマイナス金利導入時に比べユーロ安への効果に低下が
1.3
マイナス0.3%
2014年6月~
見られることです。マイナス幅がさらに引き下げ可能、かつ -0.1
1.2
マイナス0.1%
ユーロ圏以外にマイナス金利は採用しないという確信がな -0.2
1.1
2014年9月~
いと、為替への効果が低下するのかもしれません。
マイナス0.2%
-0.3
1.0
ただし、市場のほぼ全員が既にマイナス金利のさらなる引
13年3月
14年3月
15年3月
16年3月
下げを予想していることから「やらない」という選択は考えに
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
ピクテ投信投資顧問株式会社
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