2015 年 9 月 3 日 朝日印刷(3951) 担当 織田真由美 レーティング: NEUTRAL NEUTRAL(2015/5/20)→ 上方修正期待あるものの割安感なし。NEUTRAL継続。 売上高 (百万円) 伸び率 (%) 連 12/3 29,776 連 13/3 31,320 連 14/3 31,875 連 15/3 32,661 連 16/3(予) 33,300 第 1 四半期累計期間 連 14/4-6 7,815 連 15/4-6 8,435 株価(2015/9/2) 期末発行済み株式数(15/6 末) 期末自己株式数(15/6 末) 時価総額 企業価値(EV) ROE(15/3 実績) 予想配当利回り 予想 PER BPS(15/6 実績) PBR CFPS(15/3 実績) PCFR EV/EBITDA(15/3 実績) 営業利益 (百万円) 伸び率 (%) 経常利益 (百万円) 伸び率 (%) 純利益 (百万円) 伸び率 (%) EPS (円) 1 株配 (円) +4.3 +5.2 +1.8 +2.5 +2.0 2,095 2,258 2,314 2,439 2,380 -9.6 +7.8 +2.5 +5.4 -2.4 2,290 2,457 2,541 2,707 2,640 -10.4 +7.3 +3.4 +6.5 -2.5 1,186 1,395 1,517 1,641 1,650 -24.8 +17.7 +8.7 +8.2 +0.5 111.20 131.39 143.36 154.67 155.51 35.00 40.00 44.00 47.00 30.00 -5.1 +7.9 567 757 2,152 11,075 460 23,835 30,698 7.5 1.4 13.8 2,189.90 1.0 184.7 11.7 7.2 -25.5 +33.6 663 852 -23.5 +28.6 430 516 -10.2 +20.0 40.52 48.66 - 円 千株 千株 百万円 百万円 % % 倍 円 倍 円 倍 倍 株価チャート(週足) 出所:朝日印刷、ブルームバーグ、今村証券 医薬品パッケージと化粧品パッケージの印刷が主力事業。医薬品パッケージでは国内首位で 約 4 割のシェアを持ち、化粧品パッケージでも大手。生命にかかわる医薬品のパッケージには完 璧な品質管理が要求されることから新規参入は難しく、実績のある同社に強みがある。 2016 年 3 月期第 1 四半期連結業績は増収 増益。主力の印刷包材事業において、医療用 向け製品が伸長したほか、化粧品向けなどの 受注も堅調だった。医療用では 6 月にジェネ リック医薬品(後発医薬品。以下「GE」) の薬価基準への追補収載があったことが追 い風となり、化粧品向けでは訪日外国人によ るインバウンド消費がプラスに働いた。この 結果、印刷包材の売上高が前年同期比 6.8% 増の 80 億 17 百万円と伸長したほか、包装シ ステム販売事業が 45.2%増の 3 億 53 百万円 と増加し、売上高は 7.9%増の 84 億 35 百万 円と 4-6 月期としては過去最高の売上高と なった。 一方、利益面では人員増による労務費の増 加が重荷となったものの、増収効果によって 資料1:売上高及び売上高営業利益率(四半期) 朝日印刷(3951) 1 2015 年 9 月 3 日 生産性が改善し大幅増益、第 1 四半期の営業利益の進捗率は 3 割超となった。利益は期初見通し を上回った印象で、通期業績には上方修正が期待できそうだ。 好調な業績の背景にあるのは、医薬品市 場の拡大だ。国内の医薬品生産高は、高齢 化の影響から増加傾向にある(資料2参照) 。 加えて、厚生労働省の施策も同社には追 い風となっている。厚労省では拡大する医 療費抑制のためにGEの使用を促進してい るが、新薬の特許切れに伴ってGEメーカ ー各社がそれぞれに製品を上市することで パッケージの種類の増加がもたらされ、包 装資材の需要が増加している。 また、政府がセルフメディケーション推 進の一環として医療用医薬品を一般用医薬 品に切り替えたスイッチOTCを拡大して 資料2:国内医薬品生産高と朝日印刷売上高 いることも、包装資材需要の拡大につなが 出所:厚生労働省、朝日印刷 っている。 また、同社の①一貫生産体制(企画・デザインから製造、出荷まで)、②全国 20 拠点の販売 網(得意先の 9 割以上が 50km 圏内)、などが強みとなっている。競争は激化しているものの、こ うした取り組みが利益率維持につながっている様子で、市場拡大とともに今後も同社の業績は堅 調に推移しそうだ。 第 1 四半期業績は想定を上回った印象だが、会社側では通期業績予想を据え置いている。人 員増加によって労務費も増加していることに加え、下期には京都新工場が稼働予定で、2015 年 度は約半年分の減価償却費約 2 億 50 百万円が固定費として利益を圧迫することが見込まれるか らだ。 とはいえ、第 1 四半期の利益率の高さを勘案すれば、営業利益は会社計画よりも 1 億円余り 増額され、2 期連続の過去最高益更新となる可能性が高そうだ。 安定した収益性を背景に株価は 2200 円を挟んでの推移が続いている。今期業績の上方修正の 可能性は高いもののこの水準での株価に割安感はない。投資判断はNEUTRAL継続とする。 尚、同社は連結配当性向 30%以上を掲げており、今期の年間配当予想は 30 円としているが、 前期並みの 47~48 円程度が見込まれる。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明 本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解 を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬 も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。 朝日印刷(3951) 2 2015 年 9 月 3 日 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義 O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。 N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。 U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。 トータルリターン:株価変動率+配当利回り 目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場 合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様 への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お 客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま すようお願い申し上げます。 本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成 しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている 場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり ませんし、お客様が本資料に依拠した結果としてお客様が被った損害または損失については一切責任を負いません。ま た、今村証券は本資料に関するお客様からのご質問やご意見に対して、何ら対応する責任を負うものではありません。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社 および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買い または売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係 会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘 を行う場合があります。 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評 価の変化、金利・為替の変動などにより、投資元本を割り込むリスクがあります。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承認なく、また電子的・機械的な方 法を問わず、本資料の全部もしくは一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。 朝日印刷(3951) 3
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