アナリストレポート:アイ・オー・データ機器

2015 年 2 月 26 日
アイ・オー・データ機器(6916)
担当 織田真由美
レーティング:
NEUTRAL(2014/11/13)→
NEUTRAL
円安で原材料コスト上昇。利益率悪化で通期予想下方修正。
売上高
(百万円)
伸び率
(%)
営業利益
(百万円)
連 11/6
45,344
+1.6
連 12/6
38,551
-15.0
連 13/6
36,671
-4.9
連 14/6
46,228
+26.1
連 15/6(予)
43,000
-7.0
第 2 四半期累計期間
連 13/7-12
21,743
+24.0
連 14/7-12
20,706
-4.8
株価(2015/2/25)
期末発行済み株式数(14/12 末)
期末自己株式数(14/12 末)
時価総額
企業価値(EV)
ROE(14/6 実績)
予想配当利回り
予想 PER
BPS(14/6 実績)
PBR
CFPS(14/6 実績)
PCFR
EV/EBITDA(14/6 実績)
伸び率
(%)
経常利益
(百万円)
伸び率
(%)
純利益
(百万円)
伸び率
(%)
EPS
(円)
1 株配
(円)
18
217
624
2,226
1,050
-94.2
+187.7
+256.3
-52.8
-429
368
533
2,429
1,100
+44.9
+355.4
-54.7
-601
364
-356
2,008
600
-70.1
-44.02
27.18
-26.64
155.27
46.90
5.00
5.00
0.00
15.00
13.00
884
709
629
14,839
2,045
9,334
6,461
10.7
2.1
13.4
1,533.08
0.4
-19.6
2.3
-19.7
円
千株
千株
百万円
百万円
%
%
倍
円
倍
円
倍
倍
856
786
-8.1
924
462
-50.0
70.75
36.15
0.00
0.00
株価チャート(週足)
出所:アイ・オー・データ機器、ブルームバーグ、今村証券
ストレージなどパソコン関連機器で国内 2 位。パソコン市場の縮小を背景に、スマートフォ
ン(高機能携帯電話。
「スマホ」
)やタブレット端末関連などの周辺機器に注力しているほか、デ
ータ管理需要を取り込むべく NAS などにも注力している。
2015 年 6 月期第 2 四半期連結決算は減収減益。スマートフォンやタブレット端末関連分野が
堅調に推移したものの、Windows XP のサポート終了に伴う更新需要の一巡と消費増税の反動か
らパソコン及びテレビ関連市場が低調だった。また、円安の進展によって電子機器や部品の輸入
資料1:売上高推移
資料2:売上高と営業利益
アイ・オー・データ機器(6916)
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2015 年 2 月 26 日
価格が押し上げられたことで、利益率が悪化した。第 2 四半期会計期間の連結売上高営業利益率
は 2.1%と、第 1 四半期会計期間の 5.0%に比べて大幅に低下した(資料2参照)。
同社では原材料価格の上昇を製品価格に転嫁すべく取り組んでいるものの、値上げが浸透す
るのは第 4 四半期になると見られることに加え、研究開発費や広告費の増加が重荷となる。下期
の利益率は 1.5%程度にさらに低下する見
アイ・オー・データ機器 業績修正
通しだ。今期業績予想は下方修正され、
売上高 営業利益 経常利益 純利益
EPS
連結
売上高は 15 億円減額、営業利益は 3 億
百万円
百万円
百万円
百万円
円
50 百万円減額された(資料3参照)。た
前期実績
46,228
2,226
2,429
2,008
155.27
だ、第 4 四半期に製品の値上げが浸透す
前回予想
44,500
1,400
1,500
900
70.35
れば利益率は改善する可能性もある。一 通期見通し
43,000
1,050
1,100
600
46.90
方、今期の想定為替レートは 1 ドル=120
資料3:今期業績予想の修正
円で、円安が進行すればさらなる下方修
正の可能性もあり、注意が必要だ。
下期に向けては法人・プロ市場への注力、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイ
ス周辺事業を強化する。三菱電機の撤退によって販売台数シェアトップとなった液晶ディスプレ
イや、
「Windows Server 2003」サポート終了に伴ってデータ管理需要が高まると期待される NAS
など、法人需要の高い分野に注力する方針だ。
また、スマートデバイス周辺事業ではデータ管理に活用されるストレージやメモリなどに加
え、パソコンを使わずに音楽 CD を直接スマホやタブレットに取り込める「CD-レコ Wi-Fi」など
が好調だ。こうした同社ならではの製品で新市場を開拓するほか、市場ニーズのあるロングテー
ルビジネス、他社ブランド製品の販売などで事業展開を図る方針だ。
昨年来 600 円から 800 円のレンジで推移していた株価は、業績見通しの下方修正を受けてレ
ンジの下限近辺に下落、足元の株価は妥当な水準にあるとみられる。投資判断をNEUTRAL
継続とする。
(参考)同業他社のバリュエーション(株価は 2 月 25 日終値)
株価
(円)
I.O.データ機器
メルコHD
連14/6
連15/6(予)
連14/3
1,947
連15/3(予)
629
売上高 伸び率 営業利益 伸び率 経常利益 伸び率 純利益 伸び率
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
46,228
43,000
101,185
83,000
+26.1
-7.0
-1.4
-18.0
2,226 +256.3
1,050
-52.8
2,811
+66.6
3,000
+6.7
2,429 +355.4
1,100
-54.7
3,587
+41.6
3,900
+8.7
2,008
600
2,116
2,700
-70.1
+48.5
+27.6
EPS
(円)
155.27
46.90
95.29
121.55
配当
(円)
BPS
(円)
15.00 1,533.08
13.00
40.00 1,938.98
40.00
PER
(倍)
予想
配当
利回り
PBR
(倍)
0.4
13.4
2.1%
16.0
2.1%
1.0
出所:会社、ブルームバーグ、今村証券
---------------------------------------------------------------------------------------------------------アナリストによる証明
本資料に示された見解は、言及されている発行会社とその発行会社等の有価証券について、各アナリストの個人的見解
を正確に反映しており、さらに、アナリストは本資料に特定の推奨または見解を掲載したことに対して、いかなる報酬
も受け取っておらず、今後も受け取らないことを認めます。
アイ・オー・データ機器(6916)
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2015 年 2 月 26 日
---------------------------------------------------------------------------------------------------------レーティングの定義
O U T P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超上回ると予想される。
N E U T R A L:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
U N D E R P E R F O R M:今後 12 ヶ月間のトータルリターンが TOPIX の予想リターンを 10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は 12 ヵ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------本資料に記載された意見及び予想は、記載された日付における今村証券の判断であり、これらは予告なく変更される場
合があります。今村証券は本資料の記載された日付以降に内容の変更・修正を行う義務を負いません。本資料はお客様
への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券売買に関する申込または勧誘を意図するものではなく、お
客様に対して投資の助言を提供するものでもありません。また、本資料に記載されている情報もしくは分析がお客様に
とって適切であると表明するものでもありません。投資に関する最終決定はあくまでもお客様ご自身の判断でなさいま
すようお願い申し上げます。
本資料に記載された内容は、信頼できると思われる情報、または信頼できる情報源から得た情報を基に今村証券が作成
しておりますが、機械作業上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその内容の正確性や妥当性、適時性ま
たは完全性を保証するものではありませんし、本資料における過誤又は遺漏に対して何らの責任を負うものでもありま
せん。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている
場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料は、当然にお客様の投資結果を保証する
ものではございませんので、今村証券は、本資料の内容について第三者のいかなる損害賠償の責任を負うものでもあり
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