Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 南米 2015年2月24日 ブラジル、景気鈍化でインフレ率上昇の理由 景気が良く、インフレ率が上昇しているならともかく、現在のブラジルは景気が悪い上にインフレ率も上昇しています が、ブラジルの高いインフレ率は、景気鈍化の背景ともなっていると見られることから、その理由を探ります。 ブラジル週次経済調査:マイナスの経済成長 が予想される中、インフレ見通しは悪化 ブラジル中央銀行が2015年2月23日に公表した(2月20日実 施分)週次のブラジル経済調査(エコノミスト100人の予想を 集計)によると、2015年末のインフレ率は前年同月比7.33% と、前週の予想(同7.27%)を上回りました。またGDP(国内総 生産)は前年同期比でマイナス0.5%と前週の予想(-0.42%)よ りもマイナス幅が拡大しました。 どこに注目すべきか ブラジル管理価格、食料品価格、原油下落 一方で、管理価格の上昇はブラジル中央銀行が最新の議事 録で2015年は9.3%の上昇を予想するなど、当面続きそうです が、2016年にブラジル中銀は5.1%への低下を予想しています。 ブラジルは2014年後半より格下げ懸念が台頭しており、その 対応策として財政健全化を進めるために補助金の削減等を 行っている模様で、財政の景気に対する下支えは足元、期待 しにくい状況です。その上、インフレへの対応として政策金利 も引き上げられていることも景気にはマイナスです。しかしな がら、現政権による構造改革への取り組みは最近の政権には 見られないもので、市場が評価する可能性も考えられます。案 外、夜明け前が一番暗いということなのかもしれません。 図表1:ブラジル消費者物価指数と主な構成項目 (月次、期間:2012年1月~2015年1月、前年同月比) 景気が良く、インフレ率が上昇しているならともかく、現在の 30 消費者物価指数 IPCA(前年同月比) % ブラジルは景気が悪い上にインフレ率も上昇しています(図 家庭用食料価格 表1参照)。ブラジルの高いインフレ率は、景気鈍化の背景と 20 住宅用電力 もなっていると見られることから、当レポートではブラジルの バス運賃 10 高インフレ率の理由を探ります。 1つ目はエネルギー価格や公共交通など管理価格の上昇で 0 す。例えば、ブラジル政府が支出削減として補助金削減を 2015年1月のインフレ -10 率(IPCA,前年同月比) 認可したため住宅用電力価格は足元急上昇しています(図 は7.1%とインフレ目標 表1参照)。また、サンパウロなど6州でバス運賃が値上げさ -20 上限(6.5%)を上回る れました。その他、燃料税引き上げなど増税も小売価格の 12年1月 13年1月 14年1月 15年1月 上昇要因になったと見られます。 図表2:原油先物価格とブラジルのガソリン価格の推移 2つ目は原油価格下落の恩恵がインフレ率低下に結びつか (月次、期間:2010年1月~2015年1月、前年同月比) なかったと見られることです。例えば、ブラジルは原油を輸 出する一方、ガソリンなど精製品を輸入する構造ですが、原 80% ※原油先物価格:ニューヨーク・ 油価格が低下しても管理価格となっているガソリン価格など 60% マーカンタイル取引所原油先物 40% は下がりにくいといった傾向が見られます(図表2参照)。 20% 3つ目は、消費者物価指数の構成ウェイトが約25%と組み入 0% れ割合が高い食料品価格の上昇です(図表1参照)。ブラジ ルは2013年から14年にかけ高温と干ばつの影響で食料品 -20% 原油先物価格 価格が急騰したこともインフレ率上昇の背景と見られます。 -40% ブラジル・ガソリン価格 では、見通しはどうか。3つ目の食料品価格については2015 -60% 10年1月 11年1月 12年1月 13年1月 14年1月 15年1月 年になり散発的ながら降雨も見られ、解消が期待されます。 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ピクテ投信投資顧問株式会社 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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