解答例

基礎制御工学・制御システム序論 期末試験問題解答
1. 配点 3 点 ×4 = 12 点.
3 G1 (s) + G2 (s) ではなく,G1 (s) · G2 (s) のときである
(1) ⃝
3 1 次遅れ要素の伝達関数は
(2) ⃝
1
1+sT
.伝達関数が 1 + sT であるのは 1 次進み要素
1 微分要素の伝達関数は s であるのでボード線図は直線になる
(3) ⃝
2 この図は持続振動なので ζ = 0 のとき.ζ = 1 は臨海減衰なので,振動せずにもっとも早く目標値
(4) ⃝
に収束する
2. (1) 開ループ、閉ループ伝達関数それぞれ 3 点ずつ。合計 6 点.
Go (s)
=
=
Gc (s)
K
s+5
·
s2 + 2s + 2 s + 1
K(s + 5)
3
s + 32 + 4s + 2
=
1+
=
s3
s+5
s+1
K(s+5)
s3 +32 +4s+2
+
32
K (s + 1)
+ (4 + K) s + (5K + 2)
(2) 配点 8 点.特性方程式は s3 + 32 + (4 + K) s + (5K + 2) = 0 なので,ラウスの安定判別法だと,すべ
ての係数の正負が一致することは,条件に K > 0 があるので満たされている.ラウス表を作ると
s3 行
1
4+K
0
s2 行
3
s 行
0
s 行
つまり
5K + 2
3×(4+K)−1×(5K+2)
3
10−2K
×(5K+2)
3
1
10−2K
3
=
10−2K
3
3×0−1×0
3
0
=0
= 5K + 2
10−2K
3
> 0 であるので,K < 5.したがって 0 < K < 5 となる.
5 の ωπ と Re [G(jωπ )] を別々には採点して各 2 点.合計で 12 点.開ループ伝達関数 Go (s) は
3. (1) ⃝
Go (s)
=
=
K
(s + 1)(s + 0.5)(s + 2)
K
s3 + 3.5s2 + 3.5s + 1
つまり周波数伝達関数は s = jω を代入して
Go (jω)
=
=
=
K
−jω 3 − 3.5ω 2 + j3.5ω + 1
K
1 − 3.5ω 2 + jω (3.5 − ω 2 )
(
)
K 1 − 3.5ω 2 − jKω(3.5 − ω 2 )
2
(1 − 3.5ω 2 ) + ω 2 (3.5 − ω 2 )
2
求めた周波数伝達関数から,以下のようになる.
(a). K = 1 を代入して考えると lim Re [G(jω)] =
ω→0
(b). lim Im [G(jω)] =
ω→0
0
1
1
=1
1
(c). lim Re [G(jω)] = 0
ω→∞
(d). lim Im [G(jω)] = 0
ω→∞
(e). Im [G(jωπ )] = 0 となるのは 3.5 − ωπ2 = 0 であるので ω 2 = 72 ,ωπ =
1
4
Re [G(jωπ )] =
7 7 = − 45
1− 22
√
7
2 .したがって
(2) 配点 4 点.K = 1 の場合のナイキスト線図は次のグラフのようになるので,ω が 0 から ∞ に増えると
(−1, j0) の点を左に見るので,このシステムは安定.
(
)
4K
, j0 である.この点が
(3) 配点 8 点.K が任意の場合,ナイキスト線図が負の実軸と交わるのは −
45
(−1, j0) より左を通ると不安定になる.つまり
4K
< −1
45
45
K<
= 10.25
4
−
が求める条件となる.K > 0 という条件があるので,
0<K<
45
4
この問題は特に解法を指定していないので,ラウスの安定判別などで行っても構わない.特性方程式を
求めるために閉ループ伝達関数を求める.
Gc (s) =
1+
K
1
s+1 · s+0.5
K
1
1
s+1 · s+0.5 · s+2
K(s + 2)
(s + 1)(s + 0.5)(s + 2) + K
K(s + 2)
= 3 7 2 7
s + 2 s + 2 s + (K + 1)
=
すなわち特性方程式は s3 + 27 s2 + 72 s + (K + 1) = 0.ラウス表を作ると
s3 行
s2 行
1
s 行
0
s 行
つまり
7
2
1
7
2
7
7
×
−×(K+1)
2
2
K +1
=
7
2
10.25−K
×(K+1)
3.5
10.25−K
3.5
10.25−K
3.5
10.25−K
3.5
7
2 ×0−1×0
7
2
0
0
=0
=K +1
> 0 であるので,K < 10.25.したがって 0 < K < 10.25 となる.