数チャレ 第102回 (2009年7月)

数チャレ 第 102 回 (2009 年 7 月)
(1) n を 3 以上の自然数であるとし, n 以下の素数を p1 , p2 , · · · , pr とするとき,
n 1
n
n
n
1 1
1
×
·
·
·
×
k
k
k
1
2
k
p
k=1
k1 =0 p1 k2 =0 p2
kr =0 r r
が成り立つことを示せ。
(2) (1)を用いて,素数が無数にあることを示せ。
解答
(1) n 以下の任意の自然数 k の素因数は p1 , p2 , · · · , pr に限られるから,
k = p1e1 p2e2 · · · prer (ei は非負整数)
と表される。任意の自然数 m に対して m 2 m が成り立つ (厳密には帰納法による )
から, pi 2 より
n 2n pin
であり,各指数 ei は 0 ei n である。各 k に対して素因数分解は相異なるから,
n 1
n
n
n
1 1
1
× ··· ×
k
k
k
1
2
k
p
p
p
k=1
k1 =0 1 k2 =0 2
kr =0 r r
(証明おわり)
(2) 素数が有限個のp1 , p2 , · · · , pr しかないとすれば, (1)より
n
n 1
n
n
n
1 r
1 1
1
× ··· ×
m
k
k
k
m=0 2
k=1 k
k1 =0 p1 1 k2 =0 p2 2
kr =0 pr r
1
< 1 より
2
∞
r
∞ 1
n 1
1 r
1
= lim
=
= 2r
m
n→∞ k=1 k
1
n=1 n
m=0 2
1−
2
ところが,
2n 1
n
2m
1
=1+
m=1 k=2m−1 +1 k
k=1 k
0<
>1+
より
n
m=1
(2 m − 2 m−1 )
n 1
n
1
=1+
=1+
m
2
2
m=1 2
∞ 1
= +∞
n=1 n
であるから,矛盾する。よって,素数は無数にある。
(注 )
∞ 1
= +∞ は定積分を用いて導いてもよい。
n=1 n
(証明おわり)