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固有値
行列の固有値を求める問題を LR 法により、行う。
¶
³
[例題] 行列の固有値を LR 法により求めるプログラムを作れ。
µ
´
[解説]
対称行列 A を上三角行列 R と下三角行列 L にわけ、
A = LR
(1)
とする。

l11
 l21

L=

ln1
0
l22
..
.
ln2
..
.
. . . lnn


r11


R=

0




r12
r22
...
...
..
.

r1n
r2n 

.. 
. 
rnn
正方行列を A,B とするとき、任意の正則行列 (|P | 6= 0 であるような行列)P に対して、B = P −1 AP とな
る関係があるとき、A と B は相似であるという。この関係式は、相似変換といわれ、A と B は同じ固有値を
持つ。
相似変換を繰り返し作用させて、対称行列や三角行列などにできるなら、対角成分として、固有値が求めら
れる。
k 回変換されたものを Ak とし、A を LR 分解したものを Lk , Rk とするとき、Lk Rk = Ak とする。
このとき、Rk = L−1
k Ak となるから、k + 1 回目には、 Ak+1 = Rk Lk = L−1
k Ak Lk
となる。Ak は、k → ∞ のとき、三角行列に収束する。その三角行列の対角要素が、A の固有値をなる。
1
(2)