ウィークー・レポート2015年02月09日

Weekly Report
2015年2月9日
Mitsubishi UFJ Asset Management
グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム
シニアストラテジスト
岸 義明
5分でわかる週間マーケット
前週末のマーケット指標
株式
日経平均株価(日経225)
TOPIX(東証株価指数)
NYダウ工業株30種平均株価
S&P500種株価指数
NASDAQ総合指数
ドイツDAX30種株価指数
債券
日本新発10年国債利回り
米国10年国債利回り
ドイツ10年国債利回り
豪州10年国債利回り
ブラジル2年国債利回り
為替
米ドル/円
ユーロ/円
ユーロ/米ドル
豪ドル/円
ブラジルレアル/円
政策金利
米国(FFレート)
欧州(ECBリファイナンス金利)
豪州(RBAキャッシュレート)
ブラジル(中銀ターゲット金利)
17,648.50
1,417.19
17,824.29
2,055.47
4,744.40
10,846.39
0.340
1.957
0.375
2.452
12.701
119.12
134.79
1.1316
92.88
42.82
0.25
0.05
2.25
12.25
前週末比(幅)
▲ 25.89
2.12
659.34
60.48
109.16
152.07
前週末比(幅)
0.065
0.316
0.073
0.009
0.184
前週末比(幅)
1.63
2.14
0.0025
1.66
▲ 0.99
前週末比(幅)
0.00
0.00
▲ 0.25
0.00
前週末比(%)
▲0.15%
0.15%
3.84%
3.03%
2.35%
1.42%
前週末比(%)
1.39%
1.61%
0.22%
1.82%
▲2.27%
*株式の単位は円、米ドル、ポイント。為替の単位は円、米ドル。債券、政策金利の単位は%。
*直近の米国(FFレート)は0.00~0.25%。
*日本銀行は2013年4月より金融市場調節の操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更。
*ECB(リファイナンス金利)は実効ベース。
前週の市場動向
株式・債券市況
 前週の株式市況(前週末比)は、米独が上昇、日本がほぼ横ばいとなりました。また、債
券利回りは日米独ともに上昇しました。
 株式市況は、ギリシャ債務問題への懸念後退や原油価格が底打ちし始めたことなどから、
米独が上昇し、日本はほぼ横ばいとなりました。債券利回りは、米国景気が底堅く推移す
るなか、良好な雇用統計の発表を受け、米国で利上げ観測が高まったことなどから、日米
独ともに上昇しました。
為替市況
 前週の為替市況(前週末比)は対円で米ドルが1.39%の上昇、ユーロが1.61%の上昇、
豪ドルが1.82%の上昇となりました。
 豪ドルは、RBA(豪州連邦準備銀行)が政策金利据え置きとの市場予想に反して利下げ
を決定したものの、小売や住宅等の良好な経済指標の発表が好感されたことなどから、
対円で上昇しました。
1
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Mitsubishi UFJ Asset Management
今週の注目ポイント1
 中国経済:安定成長が継続していく公算が高く、資源価格も落ち着く展開へ
中国の2014年の実質GDP(国内総生産)成長率は政府目標(前年比+7.5%程度)を
やや下回る同+7.4%となり、緩やかな減速トレンドが継続しています。中国の経済成長の
けん引役となった投資は、近年、急拡大した反動によって減速トレンドが継続しているもの
の、漸く伸び率に下げ止まりの兆しが表れてきました。一方、消費は、都市部を中心に高成
長が続いていた2011年頃までは堅調だったものの、近年、10%強と安定した成長に落ち
着きつつあります。このような状況下、先月、李克強首相は『構造改革を一段と進め、勢い
を維持する』と発言しており、開発が遅れる農村部を中心とする内陸の発展を踏まえると、
今後も中国経済を支える「投資」や「消費」は底堅く推移していくとみています。
中国の消費・投資と名目GDP構成比
(兆中国元)
35
30
消費(左軸)
消費構成比(右軸)
中国の固定資産投資・小売売上高(前年比)
(%)
70
投資(左軸)
投資構成比(右軸)
50
20
40
15
30
10
20
5
10
0
2007
2010
(出所)CEICのデータを基に三菱UFJ投信作成
50
30
10
-10
00/12
0
2004
固定資産投資
小売売上高
60
25
2001
70
(%)
2013
(年)
02/12
04/12
06/12
08/12
10/12
12/12
14/12
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(年/月)
(注)固定資産投資は2~12月の開示、小売売上高が未公表の月は前発表月のデータを利用
また、名目GDP増加額(前年比)をみてみると、2011年まで概ね拡大基調だったもの
の、近年は一定の増加額で推移しており、成長率の鈍化は経済規模の拡大による影響が
大きいと考えられます。このように、世界第2位の経済規模を有する中国が、今後も一定
の規模を保ちながら成長していく公算が高いことを踏まえると、資源価格は落ち着いた展
開になるとみています。
中国の名目GDP増加額と実質GDP成長率
(兆元)
8
名目GDP増加額(左軸)
実質GDP成長率(右軸)
WTI原油先物価格、鉄鉱石価格、石炭価格
(%)
16
(ドル/バレル・メトリックトン)
200
6
13
160
4
10
120
2
7
80
4
40
09/6/6
0
2001
2004
2007
2010
(出所)IMF(国際通貨基金)のデータを基に三菱UFJ投信作成
(注)2014~2016年はIMFの推定・予想値
2013
2016
(年)
10/11/6
WTI原油先物価格
鉄鉱石価格
石炭価格
12/4/6
13/9/6
15/2/6
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(年/月/日)
(注)土日祝日は前営業日の数値を利用。石炭価格(オーストラリア・ニューキャッスル港輸出価格)は週次、
2015/1/9まで。WTI原油先物・鉄鉱石価格(中国・青島港輸入価格)は日次。
2
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Mitsubishi UFJ Asset Management
今週の注目ポイント2
 豪州:利下げ効果が家計部門を中心に浸透、底堅い経済は豪ドルの下支え要因
今月3日、RBA(豪州連邦準備銀行)は政策金利据え置きとの市場予想に反して利下げ
を決定したものの、今後も低インフレ環境や世界的な金融緩和姿勢強化などを踏まえる
と、更なる利下げの可能性も残存しており、豪ドルは主要通貨に対して一時的に不安定と
なる展開も想定されます。一方、豪州経済においては、低位な水準に政策金利が据え置
かれ、その効果が着実に表れています。
まず、2011年11月から段階的に利下げが行われてきたことなどから、住宅建築許可件
数は底打ち・改善し、足下、安定して高水準を維持しています。さらに、住宅価格も緩やか
に上昇していることなどを踏まえると、住宅関連が豪州経済を下支えしていると考えられま
す。また、底堅い住宅市場などが追い風となって、小売売上高も前年比+4~5%台で安
定して拡大しており、名目GDP(国内総生産)の8割弱を占める内需(家計支出+民間投
資)の底堅さが確認できます。
足下、資源価格に持ち直しの兆しが表れつつあるとともに、過度な豪ドル高(対米ドル)は
修正されつつあることなどから、製造業や消費者の景況感も底打ちしつつあります。このよ
うな状況を踏まえると、今後も豪州経済は底堅く推移していく公算が高く、豪ドルは次第に
落ち着ついた展開になるとみています(半年後の豪ドルの予想レート:91~105円)。
豪州の政策金利と小売売上高(前年比)、
住宅建築許可件数
(%)
9
住宅建築許可件数(右軸)
政策金利(左軸)
小売売上高(左軸)
豪州の製造業指数と消費者信頼感指数
(千戸)
11.0
7
(ポイント)
60
(ポイント)
130
55
120
50
110
45
100
40
90
9.5
5
8.0
3
6.5
35
1
05/2
07/2
09/2
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(注)住宅建築許可件数、小売売上高は2014/12月まで
11/2
13/2
5.0
15/2
(年/月)
30
05/1
製造業指数(左軸)
消費者信頼感指数(右軸)
07/1
09/1
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
11/1
13/1
80
70
15/1
(年/月)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断でな
さるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は
株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではあ
りません。投資信託は、預金保険の対象とはなりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありま
せん。本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
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