Weekly Report - 三菱UFJ投信

Weekly Report
2014年12月22日
Mitsubishi UFJ Asset Management
グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム
シニアストラテジスト 丸山 俊一
5分でわかる週間マーケット
前週末のマーケット指標
株式
日経平均株価(日経225)
TOPIX(東証株価指数)
NYダウ工業株30種平均株価
S&P500種株価指数
NASDAQ総合指数
ドイツDAX30種株価指数
債券
日本新発10年国債利回り
米国10年国債利回り
ドイツ10年国債利回り
豪州10年国債利回り
ブラジル2年国債利回り
為替
米ドル/円
ユーロ/円
ユーロ/米ドル
豪ドル/円
ブラジルレアル/円
政策金利
米国(FFレート)
欧州(ECBリファイナンス金利)
豪州(RBAキャッシュレート)
ブラジル(中銀ターゲット金利)
17,621.40
1,409.61
17,804.80
2,070.65
4,765.38
9,786.96
0.350
2.162
0.592
2.939
13.067
119.50
146.15
1.2229
97.15
44.94
0.25
0.05
2.50
11.75
前週末比(幅)
249.82
9.96
523.97
68.32
111.78
192.23
前週末比(幅)
▲ 0.045
0.080
▲ 0.032
0.047
0.407
前週末比(幅)
0.75
▲ 1.84
▲ 0.0233
▲ 0.81
0.18
前週末比(幅)
0.00
0.00
0.00
0.00
前週末比(%)
1.44%
0.71%
3.03%
3.41%
2.40%
2.00%
前週末比(%)
0.63%
▲1.24%
▲1.87%
▲0.82%
0.39%
*株式の単位は円、米ドル、ポイント。為替の単位は円、米ドル。債券、政策金利の単位は%。
*直近の米国(FFレート)は0.00~0.25%。
*日本銀行は2013年4月より金融市場調節の操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更。
*ECB(リファイナンス金利)は実効ベース。
前週の市場動向
株式・債券市況
 前週の株式市況(前週末比)は、日米独ともに上昇しました。また、債券利回りは、米国が
上昇、日独が低下しました。
 株式市況は、原油価格が大幅に下落したことを背景に、ロシア経済の先行き懸念の高ま
りなどから、日米独の株価はともに一時下落したものの、その後は米金融当局が利上げに
慎重なスタンスを表明したことなどを好感し、株価は上昇に転じました。債券利回りは、原
油価格の下落を背景に物価の下押し圧力が高まる日独が低下し、金融引締めに転じつ
つある米国が小幅上昇しました。
為替市況
 前週の為替市況(前週末比)は対円で米ドルが0.63%、ブラジルレアルが0.39%上昇し、
ユーロが1.24%、豪ドルが0.82%下落しました。
 米国では来年の利上げが視野にあることや、ブラジルでは今月に入り政策金利の引き上げ
が行われたことなどから米ドルやブラジルレアルが対円で上昇しました。
 欧州では、原油価格の下落を背景に物価の下押し圧力が強まっていること、豪州では金
融当局が豪ドル安を示唆したことなどを背景にユーロや豪ドルが対円で下落しました。
1
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Mitsubishi UFJ Asset Management
今週の注目ポイント1
 米国株式市況 ~ 原油価格急落を受けて一時調整。但し景気にはプラス
先週の米国株式市況は、S&P500種株価指数がおよそ1ヵ月半ぶりに一時2,000ポイント
を割り込むなど調整色が強まりました。その背景として、原油価格の急落を受けて世界有
数の産油国であるロシアに対する経済悪化懸念が高まり、同国の通貨が大幅に下落、国
際金融市場に悪影響が及ぶとの懸念が高まったことなどが挙げられます。ただし、欧米の
銀行によるロシア向け信用供与が対外貸出の1%にも満たないことや、ロシアの外貨準備
高が比較的潤沢にあること、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が17日の
FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見で、ロシアの経済危機による米国への影
響は小さいと述べたことなどを考慮すると、現時点では世界の金融システムへのリスクは限
定的と判断されます。
(図表1)S&P500種株価指数
(ポイント)
2,100
2,000
1,900
1,800
1,700
13/12/19
14/3/19
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
14/6/19
14/9/19
14/12/19
(年/月/日)
土日祝日は前営業日の数値を利用
一方、IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事は今月1日、原油価格が30%下落すれ
ば、大半の先進国において経済成長率が0.8%押し上げられるとの見通しを示しました。
S&P500種株価指数の騰落率をセクター別にみると、エネルギーや素材などが下落する
一方、資源価格の下落によりコスト減の恩恵を受ける公益事業など内需関連セクターが上
昇しています。米国株式市況は、短期的にはロシア経済を巡る先行き不透明感などから
ボラティリティ(価格の変動性)が大きい展開が想定されますが、徐々にファンダメンタルズ
(経済の基礎的条件)の改善を織り込み、堅調に推移するとみています。
(%)
30
(図表2)S&P500種株価指数セクター別年初来騰落率
25
20
15
10
5
0
-5
ヘルスケア
素材
資本財・
サービス
-10
情報技術 生活必需品 公益事業
金融
一般消費財
・サービス
電気通信
サービス
エネルギー
-15
ヘルスケア
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
2
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Mitsubishi UFJ Asset Management
今週の注目ポイント2
 豪ドル:資源価格の下落はネガティブだが対円では底堅く推移
今月発表された豪州の7-9月期実質GDP(国内総生産)は、前年比+2.7%と4-6月
月期からほぼ横ばいとなりました。内訳をみると、個人消費が底堅く推移する一方、資源
価格の下落を反映し、企業の設備投資は前年比マイナスが続いています。そのほか、豪
州の主要輸出先である中国の景気は、HSBCが発表した12月のPMI(購買担当者景況指
数)が50割れとなるなど減速が続いており、豪州の輸出や設備投資の回復には今しばらく
時間を要すると考えられます。このようななか、RBA(豪州連邦準備銀行)は、12月の金
融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定しました。RBAは声明文のなかで、更なる
豪ドル安は豪州経済がバランスよく成長するために必要であることを表明したことなどを踏
まえると、当面豪ドルは対米ドルで弱含みで推移する見込みです。
一方、日本から豪州への証券投資をみると、4ヵ月連続で増加しています。その背景とし
て、円が主要通貨に対し大きく下落したことや、金利面で豪州の優位性が高いことなどが
挙げられます。また、日銀の強力な緩和姿勢が当面続くことなどを鑑みると、豪ドルは対円
で堅調に推移することが見込まれます。(半年後の豪ドルの予想レート:90円~110円)。
(10億円)
300
(図表3)日本から豪州への証券投資額
200
100
0
-100
-200
-300
-400
-500
2011/10
2012/10
2013/10
2014/10
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
(円)
(米ドル)
(図表4)豪ドルの推移
110
1.10
豪ドル高
対円(左軸)
105
1.05
対米ドル(右軸)
100
1.00
95
0.95
90
0.90
85
0.85
期間:2013年1月1日~2014年12月19日
80
13/1/1
0.80
13/7/1
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
14/1/1
土日祝日は前営業日の数値を記載
14/7/1
(年/月/日)
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さるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は
株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではあ
りません。投資信託は、預金保険の対象とはなりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありま
せん。本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
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