第ー2 回新潟 GHP研究会

逢ま
3
記
会
学
本症例 の改善 は,先 に用 いた CM王の遅延効果
事
による可能性 は完 全 には否定 で きない. しか し,
第1
2回新潟 G
HP研 究会
日 時
平成 2
2年2月 1
3日 (
土)
会
午後 3時 よ り
新潟大学有壬記念館
場
CMI点 滴 の 効 果 発 現 は通 常 7- 1
0日で あ り,
CMIの半減期 が約 21時間で あるの に対 して,本
症例 では CMI中 止2
,3週間後に抑 うつ症状 の改
Z自体の効果で ある可
善がみ られ たことか ら,AP
Zの抗 うつ摩 周の
能性 がよ り高い と思われ る.AP
機序 と しては,5-HT2A 受容体への a
n
t
a
go
n
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s
t作
用 や 5-HTlA 受 容 体 , D2受 容 体 へ の p
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t
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l
a
gon豆
s
t作 用 な どが想 定 され て い る. 本 症例 は
APZ単剤療 法 に反応 す る MDD症例 の存在 を示
Zの単剤療法 につ
唆 してお り,MDDに対す る AP
いて,大規模 な無作為化比較試験 によるエ ビデ ン
Ⅰ.一
般
演
スの蓄積が望 まれ る.
題
1) ア リピプラゾール単剤投与で寛解 に至 った大
2)Ar
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pi
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Z
O
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eに ol
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n芝
a
P
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n
eを追加 すること
うつ病性障害の 1例
横山
裕 -弓 ヒ村
秀明 ・染矢
俊幸
新潟大学医歯学総合病院精神科
太 うつ病性障害 (
Ma
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e(
APE)の増強療法
MOD)に対す る a
によ り高プロラクチ ン血症 を来 さずに精神病
症状が改善 した統合失調症の 1例
斎藤
摩美 *,**・金子
須 貝 拓朗 *・染矢
尚史*
俊 幸*
の有効性が確認 されているが,単剤療法の有効性
新潟大学医蘭学総合病院精神科 *
Z且
2mg/
を示すエ ビデ ンスは乏 しい.我 々は AP
同
胃の単剤投与で寛解 に至 った MDDの 1例 を経験
したので報告す る.
症例 は 6
8歳の女性で,Ⅹ-1
4年 に MDDを発症
総合臨床研修 セ ンタ-**
第二世 代 抗 精神病薬 は ドパ ミン受容体遮断 によ
る有害事象が少 ない とされ るが,臨床上問題 とな
るような有害 事象が見 られ ることも稀 で はない.
し,Å病院で a
it
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e(
AMI
)6
0-9
0mg/
日で加療 され た. 1回 目の MDエ ピソ- ドでは妄
の欠如 や思考の貧困化 などの陰性症状 な らび に食
想 もみ られたが,抑 うつ症状の改善 と共 に消失 し
事 に対す るこだわ りや抵抗感 を有す る 2
0代前半
0年以降 は
た,2回の MDエ ピソ- ドの橡,Ⅹ-1
AMIにて完全寛解 が保 たれていた.X年 に抑 うつ
症状が啓燃 し,徐 々に増悪 したため s
e
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i
n
eへ
の統 合失調症 の女性 に対 し,o
l
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nz
a
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ne (
OLZ)
変更 されたが拒薬 し,貧困妄想 もみ られ るよ うに
な りÅ病院へ 入院 した.精神病性 の特 徴 を伴 う
MDDと診断 され,入院第 7病 目か ら c
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ip
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mi
ne
(
CMI
) 最大 5
0mg/目の点滴投与 が施行 され た
が効果 は得 られず,第 2
2病 日よ り精神病症状の
Z最大 1
2
mg/日の内服
早期改善 を目的 として AP
0病 日頃 か ら妄想 のみな らず
に変更 され た.第 4
抑 うつ症状の 中核症状 が徐 々に改善 し,第 7
8病
日に退院 した.
今回我々は,幻聴,被害関係妄想,思路障害,意欲
を授与 した ところ精神病症状の改尊 が見 られた も
のの P
RL 値 が 2
5
5
.
7
m
g/
m豆とな り月経 が停止す る
L)血症 を里 し,
な ど著 しい高 プ ロラクチ ン (
PA
a
r
i
p
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p
r
a
z
o
l
e(
AR戸) では精神病症状の改 善が得 ら
れなかったが,両者 を併用す ることによ り顕 著 な
RL血症 を来 さず に精神病症状 が改善 した 症
高P
例 を経験 した.本症例 が両薬剤の併用時 に高 P
RL
血 症 を釆 た さな か った理 由 と して は, ARPが
OL
Zに放 して ドパ ミン D2受容体 に対す る親和性
が非常 に高 く,OL
Zの存在下で も充分 に D2受容
体 に結合 可能で あ り, さらに下垂体前葉の D2受
I
レl
新潟医学 会錐誌
第1
2
4巻 第 7号
平
成2
2年 (
2
0
1
0
)7月
客体は余剰受容体が 多 い た め に ARPの 部分 ア ゴ
確実 な服薬継続 を促す ために通院処遇 も含めて よ
ニス ト作用によって も充 分 な PRL分 泌 の抑 制 が
得 られるためと考 え られ た . 一 方 で ARPの みで
ない例 も出て くるもの と考 えられてお り,第 二世
は得 られなかった精神 病 症 状 の 改 善 が OLZ との
威 の豊壌 が期待 されて いた
代 抗梢 神病薬の 王
り長期間の医療観察法による処遇 を行わ ざるをえ
今野
を
i
w
】
我 々は,病識の欠如か ら治療 中断 を繰 り返
併用で得 られた理由 と して , OLZ が D2受容体以
外の受容体において抗 粕 神 病 作 用 を発揮す る可能
して 重大な他害行為に至 り,心理教育 を継続 して
性, もしくは複数の受容 体 の 相 豆作用によ り精神
W.
L
l
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状 や薬 効の自覚 が不 着
分であ り, リ
も早期 瞥妄
病 症状の改 善が得 られ た可能性 が考 えられ た. そ
スペ リ ドンの LA互の 導 入 に至 った症例 を経験 し
の よ うな作 用の詳細 は明 らかではないが,NMDA
たので報 告す る, この際 ,I
Juにつ いての 十分な
受 容体 な どを介 した作用の 可能性 を考 えた.また,
情報提供 の 日二意思決定 を共有 してい くなど治療
ARPが充分に D2受容体 を占拠 してお らず,OLZ
への ア ドヒア ランスの向 巨を 図 ることや,治療 ス
の 追加 によって抗精神病作 用 を発揮す る D2受容
タッフの LAlへ偏見 を取 り除 くことも,I
AIへの
体 遮断準が得 られ た 可能性 につ いて も検討 した.
導 入には東要 と考えられ た. また,内服薬の併用
は治験 の プ ロ トコ-ルの 3週 間 よ り長 く行 った
が,早期警吉症状 が出現 し,病識 を深化 させ るき
:
i
)病識の欠如 から他害行為 を繰 り返 し. リスペ
っか け ともなった.
リ ドンの持効性注射製剤導入に至 った 1例
伊澗 魔志 ・川本
準憲 ・武内 腐盛
独射J
一
政 法人 国 領 毒院機 構 さいが た病院
精神科
I
)維持電気 けいれん療法のみで 2年間寛解 を維
持 してい る薬物治療抵抗性統合失調症の 1例
心 神 喪 失 等 の 状 態 で 重 大 な他 害 行 為 を行 っ た精
指
す 医療観察 法の指 定 入
リ ス
ク 等の低 下 を試 み て い
神障害 者 の 社 会 復帰 を 目
院医療機 関 で は, 暴 力
くための様 々なプログ ラ ムが実施 され る な ど, 追
理 社会的介入が比較的重 視 されて治療 が 行 われて
きてい る.
根本麻 知 rl北 村
秀
明 ・染 矢
俊幸
新潟 大学医関学総合病院梢神村
症 状 改 善 後 6カ 月 以 内 に 施 行 され る
Ei
ec
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oconv
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py (
ECで)を継続 ECT,6
か 月 を超 えて行 われ る E
CT を維持 ECTと呼 ぶ.
本邦 にお ける維持
ECTの報告 は, ほ とん どが薬
∴方,統合失調症 が治 療 対 象の 多 くを占めてい
物抵抗性 うつ病 に関す るもので あ り,練 合失調症
ることか ら,タロザ ピンや リスペ リ ドンの持 勤惰
CTの 報告 は少 ない.我 々は維持
に対す る維持 E
ECTの み で 2年間寛解 を維持 で きて い る統 合 失
調症の症例 を経験 したので報告す る.
症例 は 68歳の女性 .X-18年 招ま
以降,幻聴や
抗精神病薬 が園内で使用可能 になれば,司法精神
医療 における薬物療法 はかな り変化 を してい くの
ではないか とも指摘 されていた.拍効性抗 粕神縞
薬 LongAc
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ec
t
呈
on (
L如) については,既 に
妄想 と まとまりのない行動 が出現,Ⅹ-ま
7年 4札
代 抗
精 神病薬 の LAIが使 用 可能 で あ った
精 神病 症状が再燃 した後約 1
0年 間 は症状安定 し
使
用 に際 しては, 各指定 入院医療機 関の
ていた.X4年2月 9日以降 リスペ リ ドン 4mg
第
---世
那, そ
の
倫理 会議 での承認 を要 し,指定 入院医療機 関の治
になったが,同年 2月 2
3目か ら不穏状態 とな り,
療 ガイ ドラインにおいて第二世代絹精神病薬 の単
2
4日構 音障害 お よび歩行障害 が生 じたため に 当
剤使用が推奨 されてい ることもあ り,使ダ
緋列はほ
村 を受診 した
とん どなか った
しか し,病識の欠如 ゆえに治療
日ご
肢の振戦,筋強剛 に加 え,発
熱(
3
7
.
6℃)
,C
K(
2
7
8
6
0
)
,WB
C 拍93舶 ),C氏
p
中断 を して他嘗行為 に至 る例 は多 く, 指定入院医
(
5.
1)の 上昇 を認 め悪性症候群 が疑われ,同 日当
療機 関で心理教育や重大 な他害行為への内省 を深
村 に医療保護入院 となった.治療開始後 全身状態
め るアプ ローチ を継 続 して も病 識 の 欠如 が残 り,
は改善 したが,衷情 は硬 く,攻撃的 な口調で, 会