KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL P28 粘弾性相分離現象における過渡的ゲルの収縮過程(基 研研究会「ソフトマターの物理学」,研究会報告) 小山, 岳人; 田中, 肇 物性研究 (2002), 79(2): 271-271 2002-11-20 http://hdl.handle.net/2433/97315 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 「ソフ トマ ターの物理学」 P 2 8 粘弾性相分離現象 にお ける 過渡 的ゲルの収縮過程 小山 東大生研 岳 人、 田中 華 粘弾性相分離現象は、高分子溶液系で発見 された相分離現象であ り、少数相であるはずの高分子 リッ チ相が連結 したネ ッ トワー ク状の相分離構造 を形成す る新 しい相分離現象である。 これまでに我 々は、 高分子溶液系の臨界組成付近の試料 を用いた実 験 によって、高分子の過渡的ゲル化現象が、粘 ( a ) 弾性相分離現象 に特有のパ ター ン形成 において ( b) 最 も重要な役割 を果 た してい ることを示 して き た。 ここで粘弾性相分離の進行過程 において、 ( C ) 過渡的にゲル化 した高分子 リッチ相 はゲルの体 積収縮相転移 に類似 した体積収縮 プ ロセスが生 ( d) じると考 え られ る。そ こで、 クエ ンチ直後か ら の過渡的ゲル の よ り詳細な特徴 を測定す るため、 ( ら ) 相分離過程 をキヤピラ リー内で発生 させ 、高分 子 リッチ相 のマ クロな変形 に着 目した研 究を行 ( り っ た 。 高 分 子 溶 液 系 と し て PS/ DEM ( pol ys yr t e ne / di e t h ylma l o n a t e ) 系を用いた。psの分 子量 として、7 0万 と 38 0万の 2種類の溶液につ いて実験 を行 った。実験は、一定の温度 に設定 図 1 キヤピラ リー を用いた相分離過程の観察 結果、PS/ DEM,Mw-3, 75 0, 00 0,2. Owt %PS( 臨界 OK、( a):80S ,( b): 組成 クエ ンチ深 さ AT-3. した恒温水槽 に、キヤピラ リー を直接入れ るこ とで相分離 を発生 させ た。そ して、その過程 を 1 280 S ,( C) :5400 S ,( d) :21 600 S ,( e) : 43200S ,( f ):86400S . ビデオカメラで撮影 し、PSリッチ相全体の体積 1 リッチ相が体積収縮 してい く過程 を観察す るこ 0. A とに成功 した。図 1の画像では、直径( 舵) 1 mm、 p > C ・ も 長 さ( 横) 1 0mm の溶液内で、 PSリッチ相全体でひ t L 4 とつの固体状 となって収縮 してい くことが見て 8 . ユ 取れ る。 また この画像 は透過光像 を撮影 してい ¢ るため、透過光強度 は相分離構造の大 きさに対 LEl 心l 応 している。PSリッチ相の外形か ら計算す る見 部の透過光強度 が上昇 してい く過程 には遅れが 生 じることが明 らか となった。 これ は相分離過 程の初期ではPSリッチ相が実際に体積収縮 して 世 蔓 ' D 眉 毛 卑 称 r , ユ ー 1 1 を測定 した。その結果、図 1に示す よ うに、PS かけの体積 が収縮 してい く過程 に対 し、その内 挺虫 t コ 4 の時間変化 について、温度依存性 、濃度依存性 LE+n3 l _ M 5 1( a ) 図 2 画 像 計 測 に よ る PS リ ッチ 相 の 見 か け の 体 積 の 変 化 率 △ Ⅴ と平 均 輝 度 、輝 度 分 散 の 時 間 変 化 、実 験 条 件 は 図 1 と 同 じ、▲ : △Ⅴ、 ◆ :平 均 輝 度 、 1 :輝 度 分 散 いることを示 した結果であると考 えてい る。 - 271 -
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