Page 1 Page 2 402 新潟医学会雑誌 第 ー25 巻 第 7 号 平成 23 年 (20

学
会
2 高齢者漬癌性大腸炎の手術成績 と問題点
飯倉
恒夫 ・亀山
に史 ・野上
島田
能史 ・田島
陽 介・八木
仁
寛
記
事
401
恩や骨関節疾患,あるいは自己免疫機序 の他疾患
が挙げ られ る.今回特発性血小板減少性紫斑病 を
合併 した 2症例 を経験 した.
〔
症例 ま
〕1
8歳 で発症 し約 1
0年間で 7回の入院
畠山 勝義
新潟大学大学院医歯学総合研究科
を必要 とす る再燃 があった.UCの再燃 と血小板
消化器 ・一般外科学分野
減少は相 関 してお り,P
S
Lによる治療 で両者共 に
酒癌性大腸炎 (
UC) は若年者 に多い疾患 と さ
れている. しか し時 に高齢者 に も発症 し,その治
寛解 を繰 り返 した.
TPがあ り,1
0年前 よ り直
〔
症例 2〕20年来の 王
療 に苦慮す ることがある.外科 においては,UC
腸炎型 UC を指摘 されていたが無症状で無治療で
の手術 は河
ヱ門温 存術である大腸全摘,回腸嚢旺門
あった. 1年前 よ り軟便が損現 しペ ンタサにて治
吻合術 (
I
PAA) が標準術式 とな ったが,高齢者
療開始 され た,症状 は一旦軽快 したが,血小板 の
につ いては手術 の タイ ミングや術式 の選択 な ど
低値 を認 め,当科紹 介入院 しステロイ ド治療 によ
問題点が残 されている.当村で手術 を施行 した高
り寛解 した.
齢者 UCの治療成績 を検討 し,高齢者 UCの外科
UC と I
TPの合併では,UCの先 行例 の報告 が
治療 の間霧点 について考察す る.初 回手術 または
多いが,症例 2は I
TPが先行 してお り,症例 1も
I
PAA時 65歳 以 上 で あった 9例 を対 象 と した.
男 :秦 - 5 :4,全 例 全 大 腸 炎 型 で あ り 8例
UC発症 時 に血小板減少 を認 め,I
TPが先 行 して
いた可能性 は否定で きない.2例 ともステ ロイ ド
(
89%)が重症 で あった.サ イ トメガロウイル ス
0年
に反応 し UC も血小板減 少 も寛解 した.約 1
感染 は 4例
間,両者 とも重篤化せず に経過 を追 えた.
(
4
4
.
4%)に認め られた.垂症例 8例
には (
翠)緊急手 術 で 3期 分割手術 の 1期 日の
手術 として大腸亜全摘術 を行 なわれていた*その
うち当科で施行 したのは 6例 であ り,重症感染症
83.
3%) に認 め 1例 は死 亡 した.I
PAA
を 5例 (
5 当院 にお ける Cr
ohn病 寛解導入 ・維持療 法
と長期 経過の検討
を行 った 8例 は全例 自然旺門 か らの排便 が可能
杉村 -仁 ・林
雅博 ・大杉 香織
相場 恒男 ・米山
靖 ・和栗 暢生
古川 浩一 ・五十嵐健太鄭 一月同
意*
で あ り,術後 QOLは良好 で あった.高齢者 UC
は東症例 が 多 く重篤 な術後合併症 をお こ しやす
新潟市民病院消化器内科
新潟市保健所 喪
い ため 手術 の タ イ ミングは早 め るべ きで あ る.
I
PAA後の QOLは高齢者で も悪 くな く.選択肢の
ひ とつ にな り得 る.
指 的】 クロー ン病の長期経過後 に手術率 を検
討す る.
【
対象】新潟市民病院 に通院歴 の あ る確定 クロ
・
、
1 潰癌性大腸 炎の腸管外合併症∼特発性血小板
減少性紫斑病 を合併 した 2例
長島
藍子 ・本間
窪田 智之 ・石川
吉田 俊明 ・上村
小林
ー ン病患者の通院治療経過.
【
結果】診断後 20年 を超 えて も予備率 は低 下 し
照 ・関
慶一
達 ・樋口
和男
朝輝 ・太 目 宏信 *
ない.年齢 は 45歳 を超 えて も手術頻度 はほ とん
ど低下 しない.
【
結語】① 45歳以上の クロ- ン病患者 は今後増
裏 **
加 し,若年者 と同様 に疾患活動性の コン トロ-ル
済生会新潟第二病院消化器内科
が必要 とな ることが予想 され る.
村上総合病院内科 *
豊栄病院内科 **
漕癌性 大腸炎 の腸管外合併症 には主 に皮膚 疾
F
X/
AZ
A/
6lMPの導 入
②診断 ・術後早期 の I
は, タ ロ- ン病 の 自然 史 を変 える力 が期待 され
る.
4
0
2
第1
2
5巻
新潟医学会雑誌
第 7号
平成 2
3年 (
2
0
1
1
)7月
③今後,疾患の高齢化 と長期 の 免 疫 調 節 薬使用
o
hn病
後療法はなかった,今回,当科 にて術後 Cr
によ り,新 しい合併症 の問題 の 出 現 が 亀 慣 され
る.
症例 に対 し i
n
幻i
x
i
ma
bを使用 した 1
4症例 を検討
6 術後 Cr
oh
n病 に対す る i
nf
l
i
x
i
m壬
I
b使用例の
検討
し,術後再発の予防,寛解維持 に対す る有効性に
ついて考察 した.
【
結果】術後 1年間の経過では,早期の i
n
盈i
xi
ma
b使用例 における臨床的 ・内視鏡的寛解の維
持効果 が,非使用例 に比べ明 らかに優れていた.
横山
純 二月鞘勾 祐介 ・本 闇
鈴木
健司
・青柳
威摺棒大鄭 *・飯倉
恩 ・小杯
また,術後の再発例に対 しても臨床的 弓内視鏡的
碩
寛解導 入および寛解維持 に対す る有効性 が認 め
正明 *
恒 夫**・畠山
勝義 **
新潟 大学 医 関 学 総 合 研 究 科 消 化 器
内科学 分野
られた.
【
考察 】i
n
n
i
x
i
ma
bの使用により,Cr
o
hn病術後
の再手術率の低 下,長期 予後の改善 が期待 で き
新潟 大学 医 歯 学 総 合病 院光 学 医 療
診療部 *
る.今後,長期的な成績の集積が必要である.
新潟大学医歯学総合研究科消化器 ・
一般外科学分野 **
【目的 と対象】Cr
o
hn病 は経過 中消化管 の 狭
窄
や癒乳,膿癌形成 により,多 くの例で手術 を余儀
なくされ るが,術後の再燃 による再手術が必要 と
なる場合 も高頻度でみ られ る.術後の再燃 ・再手
術の予防 は患者の QOLの面 において極めて重要
であるが, これ まで明確 なエ ビデンスをもった術
Ⅱ.特
別
講
演
I
l
i
I
)の長期予後 を規定す る因子 とその改 善 に向
けて
兵庫医科大学
内科学下部消化管科 主任教授
松本
馨之