中国への工場進出は あくまで現地での販路拡大のため

http://www.futagawa.co.jp/
258人(2014 年 6月)
ま た 違 う 国 に 移 転 す るこ と に
リカ市場への輸出も開始した。
し てい る ほ か、 同 国 か ら ア メ
着 実に 中 国 市 場で 売 上 を 伸 ば
が 歳 を とって も 働 け る 環 境 を
さ ら に、ソ ー ラ ー ビ ジ ネ ス
にも挑戦中だ。
「これは従 業員
部署の設立を準備している。
そ の一環 と し て、 技 術 開 発
専 門の 部 署 や 社 内 教 育 を 行 う
も、 技 術 力 を 高 め たほ う が 次
建 設 機 械 装 置・部 品 をメイ
ンに 産 業 用 ロ ボット、 産 業 用
なる。
国内では売上を求めず
つくる試みの一環です」
。
うに考えているのか。
で は、 国 内 につい て は ど の よ
現 在 は、 中 国 以 外の 海 外 工
場は考 えていないという同 社。
る 会 社 をつく るこ と が 今 後 の
しれない。
「一生 働 き 続 け られ
用 を 続 け るこ と がで き る か も
で き れ ば、 体 力 が 落 ちて も 雇
成 長 を 求 め る こ と は 難 し いの
の挑戦は続く。
市 場 を 見 据 え、そ れ を 支 え
る 社 員 を 大 切 に す る二川 社 長
課題です」
。
で、 単 純 に 売 上 増 を 狙 う よ り
ま す。いまの 日 本 は 経 済 的 な
「日 本の工場では、コアな技
術 力 を 持つこ と を 目 指 してい
製 造 業 は 軽 作 業 も あ る とは
い え、 重 労 働。 新 しい 事 業 が
技術力を突き詰める
のと同じ品質を実現している。
会社にしたい
たのは 中 国 市 場への 販 路 拡 大
機 械 部 品の 製 造 を 行 う 株 式 会
一切 期 待 し な かった。 人 件 費
社 二川 工 業 製 作 所。 2 0 12
「むしろ、いかに効 率よく効
果 的 に日 本 から 中 国 に 派 遣で
はいずれ上がる。そうなれ ば、
年に代 表 取 締 役 社 長に就 任 し
き る か を 考 え る べき だ と 考 え
わった。かつてはコスト削減の
た二川 昌 也 氏 で 3 代 続 く 播 州
績を伸ばしてきた。
といっていたのが、最近では逆
ました」
(二川社長、以下同)
同 社の 企 業 理 念 は「 お 客 様
の 役 に 立つ 」
。 そ の た め に は、
に 増 や し て ほ しい と 希 望 す る
地 方の 中 間 加 工 業の 雄 だ。 同
いかに 付 加 価 値 の 高い 製 品 を
ようになったのだ。
社 は 重 工メ ー カ ー が 地 元 に 進
顧客に提供できるかが重要だ。
理 由 は 技 術 力の 差。 中 国で
は、 少 し 技 術 を 覚 え た ら 他 社
実 際、 人 件 費の 高 騰で 中 国
か ら 撤 退 す る 企 業 が 増 え、そ
「主軸である建設機械は産業
と して 成 熟 してい ま す。 そ れ
に 移 る 人 間 が 多 い。 し か し、
出 し、その 規 模 を 拡 張 す る と
だ け に、 今 後 どの よ う に やっ
そ れ で は コア な 技 術 は 身 につ
な ど して、 日 本 で 製 造 し た も
から 優 秀 な 技 術 者 を 派 遣 する
同 社 に おいて も、 現 地 での
教 育 の 徹 底 は も ちろ ん、 日 本
読み通りの展開である。
要 と な る。 ま さ に二 川 社 長 の
技 術 を 身 につけ た 日 本 人 が 必
た めに 現 地の 日 本 人 を 減 ら せ
てい く の か を 熟 慮 し な け れ ば
か な い。 そ う な る と、 確 か な
年に
生き残れません」と二川社長。
そ の 方 策 と して 同 社 は
中国に進出した。
狙いは中国市場での
信頼 獲 得
従業員が一 生働き続けられる
につながると考えた結果です」
1965 年兵庫県生まれ。当初、祖父が創業した二川
工業製作所を継ぐつもりはなく、大阪市内の商社
に就職したが、その後、2 代目を継いだ父から呼び
戻されて同社に入社した。入社後は従業員に対す
る教育を熱心に行うなどして、会社の改革を図る。
長く同社の旗 艦工場である二見工場長を務めて
いたが、2012 年より現職。
だ。 現 地の 人 件 費 の 安 さに は
二川 昌也
そんな同 社への信 頼は厚い。
業界自体が頭打ちの状況下で、
代表取締役社長
の一方 で 顧 客 の 風 向 き も 変
株式会社二川工業製作所
と もに 着 実 に 実 績 を 積 み、 業
生き残りを模索する
成熟した産業のなかで
従業員
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2015 April SMBC マネジメント+
2015 April SMBC マネジメント+
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Leader’s Portrait
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中国への工場進出は
あくまで現地での販路拡大のため
二見工場のラインは二川社長のアイデアによって
組まれている。その優れた機能性に訪れた顧客は
驚くという
76 億 9,000 万円(2014 年 6月期)
進 出の 際、二川 社 長 が 考 え
同社の旗艦工場である二見工場での製造風景。よく
整理されており、管理が徹底されていることがよく
分かる
売上高
肖像
兵庫県加古川市平岡町二俣 249 -1
1943 年 4月
の
本 社
設 立
リーダー
Corporate Profile
★★★★
★
取材・文/高橋智則 写真/伊藤善規 写真提供/株式会社二川工業製作所