制御対象の特徴と位相情報を積極的に用いたロバス ト制御丈設計法 の

制御対象 の特徴 と位相情報 を積極的 に用 い た ロバ ス ト制御系設計法
の高性能化 に関す る研究
群馬大学 工 学部 機 械 システムエ学科 助 教授
山田 功
1
ま えが き
本稿では, 制 御対象 の特徴 と位相情報 を積極的 に用 いたロバ ス ト制御系設計法 の高性能化 に関 して検討する。その 中
で も特に制御対象 の特徴 を積極的に用 いた制御に関してまとめる。制御対象 の特徴 を利用す るためには, 安 定化補償器の
パ ラメトリゼ ー シ ヨンについ て検討す る必 要がある。安定化補償器 のパ ラメ トリゼ ー シ ョンは, 与 えられた システ ム を
ー
内部安定化す る補償器 のすべ て を求 めるとい う制御問題 である。安 定化補償器 のパ ラメトリゼ シ ヨンに関して , こ れ
. 不 安定系 に対する安定化補償器 のパ ラ メトリゼ ーシ ヨンは, 歌 刑l a ,
まで 多 くの研究が発表 され て い る [ 1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 句
. ど ちらの証明 も多項式環上で議論 され , ほ ぼ同時期に発
K u c e r a に よつて検討 されている 1 1 , 列
Jabr and Bongiomoと
髄は, こ の 問題に対 し 妃ダ∞ 上 の既約分解 を用 いた解法 を与 えて いる 障1 .
表 されてい る。D e s o e r , L i u , M u r r a y a n d S臨
これ らの研究 により, 不 安定 なシ ステムに対する安定化補償器は, 全 状態 フ イー ドバ ック, 全 状態観測器 と漸近安定 な 自
由パ ラメー タを用 いて表 され ることが明らかにされた。
漸近安定なシステムに対する補償器のパラメトリゼーシヨンは, ケ ミカル制御の分野でよく知られ, 用 いられている
内部モデル制御 b l と同じ制御構造を持つことが知られている。これにより, 内 部モデル制御が特殊な制御構造になって
いない, す なわち補償器の構造には制約をつけておらず, 漸 近安定なシステムに対して内部モデル制御を用いることは
自然な方法であることが明らかにされた。
ー
これ まで得 られ た
最小位相系 に対す る補償器 の パ ラ メ トリゼ シ ヨンは , G l a r i a a n d C o o d w i n によ り与 え られ た 1 6 1 。
ー
ム
ス
で
テ が 漸近安定 あ る とい う特徴
安定化補償器 の パ ラ メ トリゼ シ ョンにおいて , シ ステムが 漸近安定 の場合 には , シ
を生かせ るパ ラ メ トリゼ ー シ ョンが 得 られて い たのに対 し, シ ス テ ムが最小位相系 の場合 には , そ の特徴が 陽に現 れ たパ
ラ メトリゼ ー シ ョンは 得 られ て い なか った。 これ は , 最 小位相系 とい う特徴 を利用 した制御系 設計 が しに くい とい うこ
とに もつ なが っていた と も考 え られ る。す なわ ち, 多 くの機械系 は 最小位相系 であ り, そ れ らの 機械系 の 持 つ 最小位相
ー
特性 を陽 に利用 した制御 系 設計が 困難 であ つた. G l a r i a a n d G o o d w i n によ り, 最 小位相系 に対す るパ ラメ トリゼ シ ヨ
ンが 得 られ たため , 最 小 位相 とい うシステムの 特長 を生か した制御系設計が よ り進 むこ とが 期待 され る。 しか しなが ら,
ー
ー
ー
Glaria and Goodwinは
, バ イプ ロパ なシ ス テ ム に対す るプ ロパ な安定化補償器 の パ ラ メトリゼ シ ヨンを与 えて い
るが , 後 で も述べ るが 完全 に得 られ た とは い えな い 。さらに , 真 にプ ロパ ー なシステムに対 して制御系設計 に応用 しやす
いパ ラ メ トリゼ ー シ ョン を与 えたであろ うか疑 問が残 る. な ぜ な ら, G l a r i a a n d G o o d w i n の最小位相系 に対す るパ ラ メ
トリゼ ー シ ョンにおいて は , 自 由パ ラ メー タが 漸近安定 であ るこ とのみな らず , 分 母分子 の 各係数 に等式制約が 課 せ ら
れて いる。 この 制約 は , 補 償器 が プ ロパ ー とな るために加わえ られ た条件 で あ る。すなわ ち , G l a r i a a n d G o o d w i n のパ
ー
ラ メトリゼ ー シ ョン にお い て , 漸 近安定 な 自由パ ラ メー タを適 当 に選んだ とき, 一 般 には補償器 は非 プ ロパ に な るこ
ー
とを意 味す る. 制 御系設計 に応用 しやす いパ ラ メ トリゼ ー シ ョン としては , こ れ まで発 表 され た パ ラ メ トリゼ シ ヨン
ー
い この観
1 1 , 2 , 3 , 司と同様 にして , 自 由パ ラメ タが 漸近安定性 以外の帝J 約を必要 としない形式 を とることが望 まし 。
パ ラメトリゼ ーシ ヨンは, 完 全なパ ラメトリゼ ー シ ヨンを得 たとは言 い難 い.
点か ら考 えると, G l a r i a a n d G o o d w i n の
ー
ー
本稿の 目的 は , こ の問題 を完全 に解決す る最小位相系 に対するプ ロパ な安定化補償器 のパ ラメトリゼ シ ヨンを与
パ ラメトリゼ ーシ ョンが持 つ問題点 を数値例 を用 いて示す。つ ぎに, 本
えることで ある。 まず , G l a r i a a n d G o o d w i n の
ー
ー
稿で検討す る問題 をまとめる。つ ぎに, バ イプ ロパ ーな最小位相系 と真 にプ ロパ な最小位相系 に対す るプ ロパ な安定
ー
ー
化補償器のパ ラ メ トリゼ ー シ ョンを与える。真にプ ロパ なシステムに対す る安定化補償器 のパ ラメトリゼ シ ヨンを
結果か ら非プ ロパ ーな補償器を取 り除 くことが必要になる。本稿では , G l a r i a
求めるためには, G l a r i a a n d G o o d w i n の
ー
a n d G o o d w i n のパ ラメトリゼ ー シ ヨンにお い て, バ イプ ロパ ーなシステ ムに対 しては, プ ロパ な補償器 のパ ラ メトリ
ゼ ーシ ョンを与 えてい ることに着 目し, シ ステ ムを擬似的にバ イプ ロパ ー となるように変更す る方法 を採用す る. す な
わち, シ ステムに補助 的な補償器 を並列に接続 し, シ ステムと補助的な補償器 を並列結合 した ものを擬似的な システ ム
と見なす ことによ り非プ ロパ ー な補償器を除 くことがで きる. 補 助的な並列補償器 を適当に与えて も, 得 られ た補償器
ー
が元 々のシステム を内部安定化す るとは限 らない。ある条件をみたす補助的な補償器 を与 える ことで, 真 にプ ロパ な
シ ステムに対するプ ロパ ー な補償器のパ ラメトリゼ ー シ ヨンを完全に与える ことがで きる. 条 件 を満たす補助 的な補償
ー
器が必ず 存在 し, 構 成で きる こ とを示す。つ ぎに, 得 られたパ ラメトリゼ シ ヨンか ら, 最 小位相系 に対す る制 御系 の
一つの特徴 を明 らかにす る。この特徴 とは, 最 小位相系 をシ ステ ム同定か ら制御系設計 まで行 うには, 制 御対象 自身 を
システム 同定する必要が ない とい うことで あ る。制御対象が バ イプ ロパ ーな場合には, 制 御対象 の逆 システムを 同定す
ることで , す べ ての安定化補償器が 設計 で きる。制御対象が真にプ ロパ ーな場合には, 補 助的な補償器が事前 に得 られ
てい る とい う仮定 の もとで , 制 御対象 と補助的な補償器 の並列結合系 の逆 システムをシステ ム 同定す ることに よ り, す
べ ての安定化補償器が設計で きる ことを示す。さらに, 補 助的な補償器が事前に得 られて い る とい う仮定 の もとで , 制
御対象 と補助的な補償器の並列結合系 の逆 システム をシステ ム同定す ることにより, す べ ての 2 自 由度制御系 が 設計 で
きるこ とを示す。
2 問 題 の 記述
次式 で 表 され る制 御系 を考 え る。
雪
ど
υ
1品
{を三
ここで ,C(s)∈ 兄(S)はプ ロパーな一入カー出力線形時不変最小位相 システム,す なわちC(3)は閉右半平面 に零点 を持
たないとし,C(s)∈ 兄(S)は補償器,7は 観測出力,句 は制御入力 とする。
本稿で考 える問題は,(1)式 の制御系を内部安定 とするプ ロパーな補償器 C(3)のすべ て,す なわち C(3)を内部安定化
するプ ロパ ーな補償器 σ(3)のすべ てを求めることである。この問題を考える前に,(1)式 の制御系を内部安定化す る補
償器のパ ラ メトリゼーシ ョンに関して,こ れまで明らかにされた結呆 陣1を まとめ,問 題点を指摘す る。
補題 lrり 式の制御系が漸近安定であるための必要十分条件は,補 償器 C(s)が
=為―
領
う
為
(2)
と表されることである。ここで,9(3)は0でない漸近安定な実有理関数である″み
注意 1ネ南題 ゴは,rり式の制御系が閉右半平面に極を持たないための条件を明らかにしているが,rIジ式の制御系が内部
安定であるための条件を明らかにはしていない,す なわち,rり式の制御系において,入 出力信号の選び方により決定さ
れ る伝達関数 (1+G(S)0(S))1,C(3)(1+C(3)0(S)) 1,C(S)(1+G(S)0(S))1,C(S)0(3)(1+C(S)0(5))1す
が 閉右半平面 に極 は持 たないが ,プ ロパ ーであるとは限 らないこ とに注意す る。
□
べて
本稿 では ,制 御系設計 に応用 しやすい形式で ,(1)式 の制御系を内部安定化す るプ ロパ ーな補償器 のすべ て を求め る問
題 を考 える。
3
パ ラ メ トリゼ ー シ ョン
ここで は ,自 由パ ラ メー タに制 約 の 少な い形式で,(1)式 の帝J御系 を内部安 定化す るプ ロパ ー な補償器 の す べ て を 求 め
る問題 を検討す る。
まず ,参 考文献 陣1で は完全 には求められていない,α s)がバ イプ ロパ ーなときに (1)式の制御系 を内部安定化す る補
償器 のパ ラメトリゼ ー シ ョンを与え る.C(s)が バ イプ ロパ ーなとき,(1)式 の制御系 を内部安定化す るプ ロパ ー な補償
器 のパ ラ メトリゼ ー シ ョンに関してつ ぎの定理が成 り立 つ .
定理 lC(3)が バ イプ ロパ ーな最小位相系であるとする。この とき,C(S)を 内部安定化す るプ ロパ ーな補償器 σ(5)のパ
ラメ トリゼ ー シ ョンは ,
αう= 為 一
為
(3)
lim(1+C(」 ω)0(ブ
リ))≠0
で与えられる。ただし o(S)は,バ イプロパーな0で ない漸近安定な実有理関数とする.
つ ぎに,C(s)が 真 にプ ロパ ー な とき,(1)式 の制御系 を内部安 定化す る補償器 のパ ラメ トリゼ ー シ ヨン を与 え る。C(5)
が 真 にプ ロパ ー な とき,(1)式 の制御系 を内部安 定化す るプ ロパ ー な補償器 のパ ラメトリゼ ー シ ヨン に関 して つ ぎ の 定理
が 成 り立 つ 。
つと
つと
定理 2C(s)が 真にプロパーな最小位相系であると仮定する。このとき,rFノ式の制御系が内部安定 となるための必要十
分条件は,補 償器 C(s)が次式のように表されることである。
αう= 輪
(4)
lim(1+θ (ブ
リ)【(ブ
ω))≠0
ただし,∂ (s)は,
的= 為 石
詳南
(5)
で 与 え られ る。ズ ( s ) は, C ( S ) 十 F ( S ) を 最小位相系 とす るバ イプ ロパ ーで 漸近安定 な実有理 関数 であ る。 また , c ( s ) は
バ イプ ロパ ー な 0 で な い漸近安 定 な実有理 関数 とす る。
│
注意 2定 理 2は ,参 考文献 /F,ィの結果からは,得 られない。なぜなら,参 考文献 ″,ィ においては,自 由パ ラメータ
え,9(S)が バ イプロ
は 9(S)∈兄「∞ であつたのに文
寸し,定 理 2で は, 自由パラメータは 9(5)C足ダ∞ であることにカロ
ー
パ であることが要求されているからである.
□
定理 2に より,参 考文献 陣1のパラメトリゼーションから非プロパーな補償器を除外することができ,最 小位相系に対
す るプ ロパ ー な安定化補償器 の 完全 なパ ラ メ トリゼ ー シ ョン を得 ることがで きた.
つ ぎに ,定 理 2で 得 られ た最小位相系 に対す るパ ラ メトリゼ ー シ ョンが ,前 節 で 指摘 した Glaria and Goodwinのパ ラ
メ トリゼ ー シ ョンの 問題点 を解 決 して い るこ と,す なわ ち 自由パ ラ メー タを用 いた 制御系設計 に有効であ るこ とを示す .
(4)式か ら,(1)式 の 制御系 の 感 度 関数 S(s)は ,
1
1+c(5)0(S)
S(S)=
駅 う十敏う
論
C(S)十 【(5)
と 表 され る 。 C ( s ) + 【
( 6 )
( S ) と 0 ( S ) が と も に 最 小 位 相 系 で あ る の で , C ( s ) / ( C ( S ) 十 【 ( S ) ) は , 最小 位相推 移系 となる.
C(3)を
,r
欲う
9(5)=一
バイプロパーとする0でない漸近安定な実有理関数である。て(3)が
とおく。ただしの(s)は
漸近安定,
,9(S)/C(S)を
バイプロパーであるので,C(s)は漸近安定でバイプロパーな実有理関数とな
【(S)が
C(S)十
最小位相系,9(s)/C(S)が
る。このとき,(6)式の感度関数S(3)は
,
駅う =
飾
=論
律 歓弱
(8)
となる。9(s)は漸近安定でプ ロパーであれば よいので,9 (s)を用いて感度特性 を直接的に指定で きる。前節 で指摘 し
た,参 考文献 師1の問題点が解決で きていることが示された。
4 最 小位相系の特徴
ここでは, 前 節 で得 られたパ ラ メトリゼ ー シ ョンを用 いて , 最 小位相系に対する制御系 の 一つの特徴 を明 らか にす る.
すなわ ち, つ ぎのことが 成 り立 つ ことを示す。
1 . シ ステム C ( s ) がバ イプ ロパ ー な場合には, シ ステ ム C ( s ) の逆 システムを同定す ることで , す べ ての内部安 定化補
償器が設計で きる。 さらに , す べ ての 2 自 由度制御系 も設計で きる。
2 . システ ム C ( s ) が真 にプ ロパ ーな場合には , C ( 3 ) + て ( S ) を最小位相系 とす る漸近安走でバ イプ ロパ ーな て ( s ) をあ
らか じめ求めておき, C ( s ) 十 て( 3 ) をシステ ム同定す ることにより, す べ ての補償器が設計で きる。さらにすべ ての
2 自 由度制御系 も設計で きる。
9 々
F(s)
一
I
y ,
I
一
車十
出
ヨ寸ギか
+
守
「
i C(5)
C(s)
L 上ユ
L = 1 1 _ │
図 1:Control structure for the minimum phase biproper system
まず,C(3)がバ イプロパーである場合の安定化制御系の特徴を検討する。参考文献 11刺と定理 1から,シ ステムC(3)
。
cで ある。したがつて,
を内部安定化する2自 由度制御系は,Fig.1の 構造を持つ,た だし,Tは 目標入力,ゴ (s)C tt「
1/C(s)をシステム同定することにより,Fig.1を 内部安定化する補償器のすべてを,自 由パラメータo(s)を用いて設
計することができる。
つぎに, C ( s ) が真 にプ ロパ ーである場合の安定化制御系の特徴 を検討す る。参考文献 [ 1 刺と定理 2 か ら, シ ステム
C(s)を
内部安定化する2 自由度制御系のパラメトリゼーションは, F i g 2 で表される。ただし, F ( s ) は, F ( S ) / C ( S )
ヽ ヤ
〒
︲
1有
玉 1上
“
図 2:Control structure for the minimum phase strictly proper system
をプロパーにする漸近安定な実有理関数である.適 当なF(s)をもとにして,1/(C(S)十F(3))がシステム同定できたと
て(S))
仮定する。このとき,Fig.2か ら,全 ての内部安定化フイードバ ック補償器は,シ ステム同定された1/(C(S)十
と0(s)を用いて設計できる.
つぎに,1/(C(S)十【(5))が
システム同定できていれば,す べてのフイードフォワード補償器も設計できることを示
2の 包は,
す。Fig。
包
= を
T 一
1 計
石 て す 号 寧 券 て 野
―
論
( 電 キ 覇
(9)
)σ
と表される。P(s)∈兄r∞ とし,F(s)/C(S)を
F(5)
F(5)
0(S) C(S)十
とお い た と 乱
ポ
戦
覇
と
器
(10)
【( s )
が 一 対 一 対 応 す る 。 したが って , は o 式 の よ うに お い て 坑
フ イー ド フ オワ ー ド
補償器 の クラスが 狭 くなる こ とはない。この とき, ( 9 ) 式は,
竹= 殉
となる。( 1 1 ) 式
か ら, F i g 。2
駅OT一
石詳
(為
雨
)J
は
り
【( S ) ) が
ヤ
よF i g 。
3 の ように等価的に書き直すことができる。以上のことから, 1 / ( C ( S ) 十
システム 同定 で きて いれば , すべ ての 2 自 由度制御系 が設計 で きる ことが 示 され た。
24
上J珂 _百
図 3i Controi structure For the minimum phase strictly proper system
本節 の結果 は, 参 考文献 1 1 , 2 , 3 , 刺で検討 され た安 定化補償器 のパ ラメトリゼ
ー シ ヨンの結果 を用 いて も導出す るこ
の1逆
テ
4シ
,ス
1引
とができず, 定理1 ,定理2の有用性を示している。さらに,本節の結果は,Miyamura and Kimurat
ム を適応 的 に同定 し制御系設計 に用 い た 手法 の妥 当性 を, シ ステム論的 に保証 して い る と解釈 で きる,
あ とが き
5
本稿 で は , 制 御対象 の特 徴 と位相情報 を積極 的 に用 い た ロバ ス ト制御系設計法 の 高性 能化 に関 して検討 した。そ の 中
ー
の ラ メ トリゼ
で も特 に制御対 象 の特徴 を積極的 に用 い た制御 に関 して まとめた。並列補償法 と G l a r i a a n d G o o d w i nパ
ー
ー
シ ョンを用 い る ことに よ り, 最 刀ヽ
位相系 に対す るプ ロパ な内部安定化補償器 のパ ラ メ トリゼ シ ヨンを与 えた。シ ス テ
ム と並 列 に接続す る補助 的 な補償器 として , 漸 近安定 で , か つ システ ム と並 列 に接 続 した場合に最小位相 となる もの を
ー
用 い る こ とで , 完 全 なパ ラ メ トリゼ シ ョンが 得 られ た. 補 助 的 に用 い た並 列補償 器が 必ず 存在す るこ とを示 した。得
一
られ た パ ラ メ トリゼ ー シ ョンか ら, 最 小位相系 に対す る制御系 の つの 特徴 を指摘 した。すな わ ち , 最 小位相系 をシ ス
テ ム 同定 か ら制御系設計 まで行 うに は , 制 御対象 自身 をシ ステム 同定す る必 要が な い こ とを指摘 した。 また , 逆 システ
一
ム をシ ス テ ム 同定す る 問題 , 適 応 同定す る問題 の 重要性 を示唆 した. 本 稿 で は , 本 研究 で 得 られ た 部 の 結果 のみ を記
∼降1 1 を参照 いただ きた い 。
述 したが , そ の他 の 結果 につい て は , 参 考文献 1 1 朝
謝辞
本研究 に対 して多大なご支援 をい ただ きました高柳記念電子科学技術振興財団お よび 感謝のみな さまに心か ら感謝 申
し上げ ます。
参考文献
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.De緒
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胡
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1 1 1 山 田, 茂 木 , 相対次数が不確かな最小位相系 に対す る位相情報 を用 い た ロバ ス ト制御系 の設計 , 投 稿中
本研 究 に 関す る発表論文
1 1 倒山田, 奥 山: 最小位相系に対する繰返し制御系のパラメトリゼーション, 計 測自動制御学会論文集, V o l . 3 8 - 4 , p p . 3 2 8 - 3 3 4 ( 2 0 0 0 )
1191K.Yamada,T.Okuyamai Characterization of all caぃ
systems,Theoretical and Applied Mechanics,V01.50,pp■
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93-200(2001)
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ほ か 投 稿 中論 文 3 編 .
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