1.6MB - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2015
省エネルギー革新技術開発事業/戦略的省エネルギー技術革新プログラム
フェーズ名:実用化開発
<先進Si-IGBT用の
薄型大口径ウェハ技術の開発>
事業実施法人名:グローバルウェハズ・ジャパン(株)、
共同研究先:九州大学
宇宙航空研究開発機構
産業総合研究所
平成27年11月
研究開発期間:平成25年1月~平成27年2月
1.研究開発の背景、目的、目標
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1.1.本開発背景開発の必要性
◆ 狙う市場→ パワーエレクトロニクス Si-IGBT用ウェハ
( シリコンは経産省「CoolEarth エネルギー革新技術計画」にて分野横断的材料)
伸長するEV/HEV市場
矢野経済研究所予測より
ワイドギャップ系は供給に課題
Siとワイドバンドギャップ半導体ウェハの所要比較, AIST, 2015
年率
45%
◆ 課題(開発の必要性)
・急増する需要に応えるSiウェハ技術の確立
引続きSi-IGBT需要は伸長
「IGBT Markets & Application Trends、Yole社、2013年」
IGBT Module Market
を元に2019年以降を試算
7,000
6,000
中耐圧モジュール
5,000
Sales (Million USD)
◆ 市場の状況
・Si-IGBTの成長率は非常に大きい。
・欧州で300mmウェハによる競争力強化あり。
・FZウェハの限界(次項)
EV, HEV, PHEV
4,000
Motor 1.2kV
Motor >1.7kV
3,000
Rail traction
Wind turbine
2,000
高耐圧モジュール
1,000
0
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2025
2030
1.研究開発の背景、目的、目標
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1.2.従来の課題、目的、目標
パワー用ウェハ製造技術をFZ法からMCZ法に転換。
(不純物と欠陥密度を低減する技術を確立)
生産性
MCZ法
成長Si単結晶
磁石
石英
ルツボ
品質
・不純物制御困難
・大口径化容易
・LSI用設備の利用 酸素(石英ルツボ)
炭素(炉内部材)
(Φ300㎜~)
軽元素に関係する結晶
欠陥がIGBTの耐圧・動
作温度を制限している。
・ドープ均一性良
シリコン融液
品質
ポリシリコン 生産性
原料棒
・高純度
・φ200㎜限界
誘導加熱
ルツボ使わず
原料がCZ結晶
リング
溶融ゾーン維持難 ・ドープ均一性難
ガスドープ
成長Si単結晶
FZ法
本開発
MCZ法で不純物(酸素、
炭素)と関連する複合欠
陥密度を低減し(※)
・IGBTの耐圧・動作温度
を向上
・パワー用Siウェハ量産
技術を確立
 FZ法は、原理的にウェハサイズ、コスト、面内ドープ均一性に難あり
 MCZ法は、コストに優れ主にLSI用途として発展(LSIは横型デバイスであり、表面品質が重要)
 パワーは縦型デバイスであり、ウェハ全体の品質が重要(究極のウェハ技術へのチャレンジ)
 ドープ均一性のよいNTD(中性子照射)の影響評価が必要
(※)MCZ法は、酸素析出核(ライフタイム低下要因)形成を促進する炭素の極限的な低濃度化がキーワード
1.研究開発の背景、目的、目標
1.2.従来の課題、目的、目標
<具体的な最終開発目標>
①Si-IGBTで従来比30%損失低減が可能な先進SiIGBT構造を提案。
②このIGBT構造を実現するために必要な仕様のウェ
ハを、量産性に優れたのMCZ法で、大口径200mmφ
の量産技術の確立とサンプル出荷。
③MCZ法で炭素濃度5E14atoms/cm3以下の極低炭
素濃度で、FZ並みの高ライフタイム3ms以上のMCZ
結晶育成を実現すること。
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2.研究開発体制、研究開発内容
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2.2.研究開発内容
(1)MCZ法における不純物・欠陥低減の可能性の検証
(2)不純物・欠陥評価
(3)大口径パワー用MCZウェハ作成技術の実証
(4)先進IGBT構造の提案
2.研究開発体制、研究開発内容
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2.2.研究開発内容
(1)MCZ法における不純物・欠陥低減の可能性の検証
1. Introduction
炭素は原料Siに高濃度
2. Crystal growth
CZの方がFZより
低炭素化に有利
(偏析の効果)
流れの制御&蒸発
⇒[Cs]:E13台実証
(1) Reduction of CO generation from the heater
⇒ Gas flow path of SiO
(2) Evaporation of CO from the Si melt
⇒ CO concentration above the melt surface
2.研究開発体制、研究開発内容
2.2.研究開発内容
(2)不純物・欠陥評価
3. PL measurements
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4. Bulk lifetime
CZ-Siの低炭素化により
FZ-Siを超える
ライフタイムを実証
高感度PL測定の
G-line(Ci-Cs)
を利用
PLによる炭素濃度定量用検量線を作成
As-grown ⇔ 低温過程
⇒
600℃-700℃
酸素析出核
C-V-O複合欠陥
高温過程
>900℃
酸素析出物
SiO2析出物
3.成果、実績、展望等
3.1.成果
IGBT用8インチMCZウェハ量産技術の確立した。
8インチMCZ結晶は、目標を超える炭素濃度
2E14atoms/cm3以下、バルクライフタイム50msと、
FZ結晶をしのぐ結果を得られた。
先進Si-IGBTに対し、従来比損失30%低減の試算と必
要なウェハ仕様の提示ができた。
大口径パワー用MCZウェハ作成技術の実証は、サン
プル出荷先デバイスユーザが決まらず、サンプル出荷
は未達成となった。
しかし、続く、実証開発フェーズで、デバイスメーカと、デ
バイス評価を実施することで、プログラムが、進行中で
ある。
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3.成果、実績、展望等
3.2.実績等
学会発表等 18件
国内発表 11件、海外発表 4件
論文発表 3件
特許出願 13件 (国内出願 5件、外国出願 8件)
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3.成果、実績、展望等
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3.3.今後の展望
 成果の実用化可能性
2015年度実証開発フェーズに採択され、2015年度よりIGBT製造メーカとも連携し、低炭素MCZウェハ
を使用したIGBTの損失低減効果を検証する。IGBT製造者と、ウェハの性能を確認し情報を共有しながら
サンプル出荷、量産へつなげていくため、事業化は短期間で進む。
 波及効果
200mm低炭素MCZ結晶育成技術を300mmウェハにも適用する。300mm化にあたっては結晶育成の
環境が異なることから新たな課題が存在する。300mm化に伴う課題解決を、2015年度実証開発
フェーズにて実施する。パワーデバイスだけでなく最先端LSI用ウェハへの応用展開の可能性あり。
3.成果、実績、展望等
3.4.原油換算省エネ効果
*原油削減量(kL/年)
= 消費エネルギーkWh/年 / *,***kJ / kL
2020年時点: 12.7万 kL/年 (累計: 44万kL )
2030年時点: 88.9 万kL/年 (累計: 487万kL )
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