NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2016 戦略的省エネルギー技術革新プログラム フェーズ名:実用化開発、実証開発 <明るさ感指標を利用した光環境制御技術の開発> (株)大林組 共同研究先:東京工業大学 委託先:(株)ビジュアル・テクノロジー研究所 研究開発期間:平成25年1月~平成28年2月 1-1.研究開発の背景 2 <ZEBに向けて> ・照明消費電力は建物の20%程度 ・ZEB化のため照明に対しても徹底した省エネが必要 <市場と技術動向> ・LED照明など調光・調色可能な制御デバイス登場 ・震災以降、低照度への理解 ・輝度を指標にした照明環境規準の発刊(建築学会) →快適性と省エネ性を両立できる新しい制御技術 が求められている。 1-2.研究開発の目的、目標 3 大林組シミュレーション結果 照度 < 低輝度 高輝度 消費電力 照明器具(5台)を中央に配置 < 床面照度420lx 床面照度290lx 照明器具(4台)を壁際に配置 空間の明るさ感は、輝度によって決まる。 ・建築学会「照明環境規準AIJES-L0002-2016) 環境照明の設計規準に推奨輝度を採用 1-2.研究開発の目的、目標 4 明るさ感の指標(東京工業大学で開発された明るさ尺度値) 明るさ感 < 明るい 暗い 照度 明るい < 消費電力 < 暗い 照明器具(5台)を中央に配置 照明器具(4台)を壁際に配置 開発の目的 「自然光の入る空間において明るさ感指標を利用し、明るい印象 を与える低照度(省エネ)な照明設計・制御技術を実現する」 1-2.研究開発の目的、目標 (従来技術との比較) 従来技術 全般照明+照度センサー制御 5 開発技術 明るさ感指標を利用した タスク・アンビエント照明 タスク・アンビエント照明 (750lx) 窓 人工照明の エネルギー 消費量 (300lx) 昼光利用 による効果 机上面に必要な照度を室内全 体に与える手法。余分な明か りが出ているため、省エネの 余地が大きい。 アンビエント照明を下げ、机 上面に必要な照度をタスクラ イトで補う手法。暗い雰囲気 にならない配慮が必要。 人の感じる明るさを基にする ことで、快適な光環境と省エ ネルギー性を両立できる新し い計画手法。 さらに昼光を効果的に利用。 80 (全般照明の消費電力量を 100とした場合) 60 40 1-2.研究開発の目的、目標 (技術の概要) 6 照明に必要な3要件を輝度を基に全て制御 ①不快グレア(まぶしさ)を抑えること(ブラインド制御) ②空間全体が陰鬱な雰囲気にならないこと(アンビエント照明制御) ③視作業に必要な照度を確保すること(タスク照明制御) 輝度カメラ アンビエント照明 輝度カメラ 評価エリア タスク照明 ブラインド 2-1.研究開発体制 研究開発責任者 株式会社大林組 7 共同研究先 国立大学法人 東京工業大学 委託先 株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所 2-2.研究開発内容 8 開発システムの概要(システム概念) 輝度測定システム ブラインド面や壁面の輝度を測定 輝度カメラ (屋内) タスクライト 光環境評価システム 輝度値を基に明るさ感指標に変換 照明・ブラインドの制御量を算出 輝度 画像 照明制御・ブラインド制御装置 照明の調光量やブラインドの開閉 信号を送出 制御量 ブラインド 照明制御装置 輝度測定 光環境評価 システム システム 制御信号 ブラインド制御装置 【制御の概念図】 輝度カメラ (屋外) アンビエント照明 【制御システム構成図】 2-2.研究開発内容 9 (1)輝度測定システムの開発 魚眼レンズを利用した輝度測定と明るさ感評価のための 平面化画像変換と自動測定システムの開発 天空パノラマ画像 水平パノラマ画像 円周画像 装置構成図 地物パノラマ画像 2-2.研究開発内容 (2)光環境評価システムの開発(照明制御) 10 自然光を最大活用し、最小電力で明るさ感を確保 屋内輝度測定 人工照明が与える輝度を取り除き、 自然光のみによる明るさ画像を作成 自然光のみの明るさ画像 夜間ブラインド全閉による明るさ感向上 ブラインド 全閉状態 目標の明るさ画像を作成・逆変 換、修正輝度画像を作成 目標明るさ画像 目標明るさ感を 得るための 調光率を算出 2-2.研究開発内容 (2)光環境評価システムの開発(ブラインド制御) 11 屋外輝度測定 高速制御 通常制御 直射光・反射光の遮光判定 直射光判定 窓面明るさ判定 106 106 105 105 104 104 103 103 13:20 閉 14:00 開 14:30 15:20 閉 開 まぶしい反射光判定 106 105 104 103 102 屋外可視画像 屋外輝度画像 [cd/m2] 周辺建物の変化にも対応可能 2015年3月 2016年5月 102 [cd/m2] 102 [cd/m2] ブラインド重ね合せ画像 屋外輝度画像 明るさ(まぶしさ)判定 即時遮光制御 スラット角決定・動作指令 3-1.成果 12 サイトC(200㎡)における結果 照明消費電力量[kWh/年] ①年間照明用エネルギー削減効果(9-17時) 7,000 タスク照明 6,000 アンビエント照明 5,000 約79%減 4,000 3,000 2,000 1,000 0 従来方式(Hf全般照明) 明るさ感制御方式 年間平均照明消費電力密度 3.29W/㎡を達成 3-3.省エネルギー効果 13 2018年時点: 824 kL/年(累計: 1,649kL ) 2030年時点: 4,122 kL/年(累計:32,976kL ) 指標A: ①全般照明オフィス(昼光制御なし) ②明るさ感利用タスクアンビエント (実績) ③システム消費電力 ④日点灯時間 ⑤年間点灯日数 照明消費電力密度 16W/㎡ 照明消費電力密度 3.3W/㎡ ①年間施工床面積 ②2018年 ③2030年 10,000㎡ ×3棟=30,000㎡/年 累積3年 90,000㎡ 累積15年 450,000㎡ 機器消費電力密度 0.0768W/㎡ 12時間 240日 指標B: ※ 省エネルギー効果量=指標A×指標B
© Copyright 2024 ExpyDoc