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NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2014
戦略的省エネルギー技術革新プログラム
実用化開発
超高輝度・大光量LED 照明の開発
四国計測工業(株)
共同研究先:(株)STEQ、鹿児島大学
研究開発期間: 2013年 1月~ 2014年 2月
1.研究開発の背景、目的、目標
1.1.背景
<位置付け、必要性、重要性>
・既存の高輝度・大光量照明は、水銀灯などの発光効率の低
いHID照明が使われており、省エネルギー化が求められて
いる。
・2013年に水銀条約が締結されたことから、高圧水銀ランプ
など水銀を含有する機器の使用が制限される。
・高輝度・大光量のLED光源では、大量発生する熱の放散の
ためにLED照明は大きく重くなり、輝度も低下する。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.1.背景
<国内外の市場動向・技術動向>
・国内外の市場
30,000 lm以上の大光量HID照明の市場
国内 180 万個+国外 3,100 万個=総計 3,280 万個
・国内外の競合技術動向
30,000 lm以上の単一光源で、小型軽量な高輝度・大光量の
LED照明は普及していない。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.1.背景
<国内外の市場動向・技術動向>
・高性能熱伝導板を使用した光源と構造を最適化したヒー
トシンクを用いれば、超高輝度・大光量のLED照明の開
発が可能となる着想を得た。
備考:光源とはLEDチップを基板上に高集積化した発光
素子 COB(Chip On Board)である。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.2.従来の課題、目的、目標
<従来の課題>
・LED照明においては、光に変換されなかった残りのエネルギー
は大量の熱となる。
・LED発光素子は温度が上昇すると、樹脂などの熱に弱い部材
の劣化が急速に進行し、寿命の低下につながる。
・このため、「高効率な放熱」をいかにして実現するかということ
が大光量LED照明に共通する課題である。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.2.従来の課題、目的、目標
<従来の課題>
・COBの光源については、放熱性が悪いと発光面の中央部が周
辺部よりも高温になり、中央部の輝度が低下し暗くなる。
・放熱性を向上させるため、ヒートシンクを大型化すると、照明の
施工の障害となる。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.2.従来の課題、目的、目標
<従来の課題>
・現在市販されている大光量LED照明においては、LEDの実装
間隔を広くすることによって熱の集中を避け、広い空間で放熱
することによって温度の上昇を抑えようとする設計であるが放
熱性は十分とは言えない。
・放熱性が悪いとLEDの発光効率が悪くなり、LED照明は暗いと
の評価になっている。
・放熱性を良くするため、LED実装間隔を十分にとると、輝度が
低下するため、やはりLED照明は暗いとの評価になっている。
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1.研究開発の背景、目的、目標
1.2.従来の課題、目的、目標
<目的、目標>
・高性能熱伝導板にLEDチップを直接実装し、放熱性の優れた
新型COBを開発する。
・シミュレーションによる熱解析技術を用い、受熱部から放熱部
までの放熱経路や放熱形状を最適化することにより、小型軽
量な新型ヒートシンクを開発する。
・これらにより、60,000 lmの単一光源で小型軽量かつ超高輝
度・大光量化を実現する。
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2.研究開発体制、研究開発内容
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2.1.研究開発体制
研究開発責任者
四国計測工業株式会社
共同研究先
株式会社STEQ
鹿児島大学
2.研究開発体制、研究開発内容
2.2.研究開発内容
(1)新型COBの開発
反射絶縁層の反射率を向上させ、LEDチップ
の放熱性を改善した。
LEDチップ
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2.研究開発体制、研究開発内容
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2.2.研究開発内容
(2)新型ヒートシンクの開発
COBとヒートシンク間の熱抵抗を改善し、シミュレー
ションによりヒートシンクの設計を最適化した。
照明(ヒートシンク)外観
接合部モデルの
温度分測定例
ヒート
シンク
接合面
2.研究開発体制、研究開発内容
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2.2.研究開発内容
(3)超高輝度・大光量照明の試作・評価・等
項目
目標(値)
到達レベル
全光束
60,000 lm
達成
(60,000 lm)
輝度
7.6×106 lm/m2
達成(12.2×106 lm/m2)
発光効率
100 lm/W
達成
(107 lm/W)
消費電力
600 W
達成
(561 W)
大きさ φ400×200
達成 (φ360×108.5)
重量 7
達成
ヒートシンク
kg
(6.25 kg)
3.成果、実績、展望等
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3.1.成果
成果の実用化可能性
30,000 lm 以上の特に高天井照明や投光器として適しており、
効率が良く小型軽量である。
備考:本事業で開発したヒートシンクを用いた照明は、平成25年
11月に販売開始し、販売実績あり。
波及効果
放熱技術を適用し、水中景観照明および水中集魚灯を平成
25年8月に販売開始し、販売実績あり。
3.成果、実績、展望等
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3.1.成果
特徴
60,000 lm クラス製品化試作
高天井照明
本体 420 φ 8 kg
投光器
効率
大きさ
小型
重量
軽量
品質
超高輝度・大光量 マルチシャドウ無し
用途
工場、屋内競技施設
効率
トップクラス
大きさ
本体 460 φ 16 kg
トップクラス
小型
重量
同程度(今後軽量化)
品質
超高輝度・大光量 マルチシャドウ無し
用途
屋外競技施設、景観用投光器
3.成果、実績、展望等
3.2.実績等
新事業分野開拓者認定
「MIRACH-LED」高天井照明が
香川県が販路開拓を支援する事
業に認定された。
(平成26年8月)
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3.成果、実績、展望等
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3.2.実績等
COBの製品化
外
観
基板サイズ
Φ120mm
Φ120mm
Φ120mm
光源サイズ
□50mm
□70mm
□72mm
投入電力
200 W
600 W
1,100 W
光源光束
28,000 lm
80,000 lm
170,000 lm
発光効率
140 lm/W
133 lm/W
155 lm/W
色温度
5,000 K
5,000 K
5,000 K
演色性
Ra 84
Ra 84
Ra 65
3.成果、実績、展望等
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3.2.実績等
高天井照明の製品化
大光量で30m程度の高天井にも適し、小型
で省スペース。照明の省エネ化に貢献する。
(広角)
仕 様
項 目
広角
中角
狭角
600W
同左
同左
68,000lm
66,000lm
65,400lm
113lm/W
110lm/W
109lm/W
光源色温度
5,000K
同左
同左
平均演色性
Ra80以上
同左
同左
IP保護等級
IP54
IP65
同左
100°
60°
30°
φ435×544.4mm
φ435×639mm
φ435×673.9mm
16kg
17kg
同左
-20℃~+50℃
同左
同左
60,000時間
同左
同左
定格消費電力
定格光束(器具光束)
固有エネルギー消費効率
配光角度(1/ 2ビーム角)
器具本体 寸法
重量(電源含む)
使用温度範囲
LEDモジュール寿命(設計値)
3.成果、実績、展望等
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3.2.実績等
投光器の製品化
大光量で、投光性能に優れ小型で省ス
ペース。300m先で雑誌等が読める。照
明の省エネ化に貢献する。
項 目
定格消費電力
仕 様
600 W
定格光束(器具光束)
63,200 lm
固有エネルギー消費効率
105 lm/W
光源色温度
5,000 K相当(昼白色タイプ)
平均演色性
Ra 80 以上
I P保護等級
IP 65
配光角度(1 / 1 0 角)
30 °
器具本体 寸法
重量(電源含む)
使用温度範囲
LEDモジュール寿命(設計値)
509 mm(W)×671.3 mm(D)×511 mm(H)
21.2 kg
-20 ℃~+40 ℃
40,000 時間
3.成果、実績、展望等
3.3.今後の展望
大光量化
2015年に、100,000 lmの投光器の製品化を進める。
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3.成果、実績、展望等
20
3.4.原油換算省エネ効果
2018年時点: 37,400 kL/年(累計: 87,000 kL )
2030年時点: 752,000 kL/年(累計:4,319,000 kL )
原油削減量 (kL/年)
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
*原油削減量(kL/年)
= 消費エネルギーkWh/年 / 3,967kWh/ kL
0
I
‘14
I
‘18
I
‘30
年(西暦)