2006年度.後期財班 ~都市の経済成長と技術~ R.Saitou K.Matudaira Y.Mituhasi F.Iwase Y.Yamasaki フローチャート 具体例 R&D ・プロダクトイノベーション ・プロセスイノベーション 政府 支出の決定要因 ・専有の可能性 ・研究の生産性 (人的資本) 産業構造の推移 技術進歩 都市経済の成長 結論 R&D支出を促進することが、競争力の源泉であ る“技術”を向上させる 人的資本へ投資することが、“技術”を向上させ る 技術進歩が都市経済を発展させ、それが日本 の経済成長へと結びつく 技術進歩の必要性 ~新古典派成長論からのアプローチ~ 定常状態 y=f(k) 定常状態:sf(k)=nk y,kは時間を通じて変 y y=f(k) * y nk 化しない sf(k) * k k 定常状態とGDP 定常状態において.... y=Y/Lは一定であるために ↓ GDPはnの率で成長する 今後の日本経済 今後、日本では人口減少化の可能性がある =nが低下 ↓ GDPは低下していく 技術進歩により生産性の上昇を 目指す必要がある R&D R&D支出の決定 R&D ↓ 期待利潤を増大させるために行われる ↓ 期待利潤 > 費用 期待利潤を高めるためには.......... 研究の生産性 専有の可能性 研究結果の専有可能性 研究プロセスの性質 応用されにくい技術 →期待利潤が高まる 法的な保護(特許法) 他の企業がアイデアを盗用しないように保護 する →期待利潤が高まる 人的資本と技術革新 人的資本 人的資本の向上により、 企業に超過利潤が発生する 研究の生産性を高めるためには 人的資本の向上が不可欠である + 超過利潤を研究開発投資等 に使用する 技術に見合った人的資本 が必要である R&D具体的事例 具体例)横浜 富士ゼロックス …横浜市西区のみなとみらい地区に600億円を投資して研究開発拠点を発 表 神奈川県からの補助は60億円 目的:新設するR&D拠点に首都圏内の研究開発機能を集約し、領域を超 えた各機能の連携強化、商品開発のスピードアップ。 マツダ …研究開発内容(横浜R&D研究所) ・先行商品の企画 ・先行デザインの調査研究開発 ・商品開発および新技術開発 ・重要新技術の先行研究 京セラ …研究開発内容(横浜研究所) ・最先端の無線通信テクノロジーおよび基礎研究、関連機械の開発。 COEプログラム COEプログラム。 目的:その都市の競争力の増加することにより、結果日本の 競争力の向上 主な具体例 札幌:北大→海洋生命統合による食料生産の革新。 仙台:東北大→医薬開発統括学術分野創生 千葉:千葉大→持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点 名古屋:名大→計量科学フロンティア 京都:京都大→昆虫科学が拓く未来型環境学の創生 :京都薬科大→伝承からプロテオームまでの統合創薬の 開発 大阪:阪大→細胞・組織の統合制御に向けた総合拠点形成 大阪市立大→疲労克服研究教育拠点の開発。 政府による支援 地域における科学技術の振興 新技術 知的クラスター 産業クラスター 市場ニーズ 文部科学省による研究開発の促進 都市エリアの産学官連携事業 事業の目的;都道府県・政令指定都市の新 規事業の創出、研究開発型の産学官連携 を目指す 予算(平成17年度);36億円(1エリアあた り5千万円~2億円) 文部科学省による研究開発の促進 事業の形態 ①連携整備型(年間5千万円×3年) ②一般型(年間1億円×3年) ③発展型 事業のメニュー ①研究交流事業 ②共同研究事業 ③研究成果育成事業 各政令指定都市レベルでの研究開発の促進 札幌市 『産学官共同開発チャレンジ』 補助額;最高1000万円 仙台市 『研究開発施設立地助成金』 補助金;新規投資にかかる固定資産税等 の相当額90%(限度額なし) 各政令都市レベルでの研究開発 川崎市 補助金1000万円 横浜市 『横浜産業振興公社』 企業がR&Dしやすいような環境づくり 例)R&Dバックアップのための施設 HPでの産学連携の募集、企業誘致策 技術進歩の内容 プロダクト・イノベーション 製品開発のイノベーション メーカーの場合→製品企画力、製品開発力、生産 力など 流通業の場合→商品企画力、管理技術、業態開発 力、店舗開発力 プロダクトイノベーションの特徴→企業間での差別 化がしにくい。また、技術の模倣が困難、或いは時 間がかかる。 プロセス・イノベーション 製造に関するイノベーション 新たな生産方法によるコスト削減、品質改善 をもたらす技術革新 具体例→トヨタ生産方式の導入による生産性 の向上 プロセス・イノベーションの特徴 →従来日本企業は、プロセスイノベーションが 強く、プロダクト・イノベーションは弱い傾向に あった プロダクト・イノベーションとプロセス・イノベーションの専 有可能性の比較 45% 注)過去3年間のイノベーションのうち、各方法が有効であったものの割合 40% 35% プロダクトイノベーションの占有可能性を確保する 方法の有効性 プロセスイノベーションの占有可能性を確保する方 法の有効性 30% 25% ①技術情報の秘匿 ②特許による保護 ③製品の先行的市場化 ④販売・サービス網の保有、管 理 ⑤製造設備やノウハウの保 有、管理 ⑥生産、製品設計の複雑性 20% 15% 10% 5% 0% ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 資料:科学技術政策研究所「イノベーションの占有可能性と技術機会」 産業構造の推移 産業構造の推移① 平成15年 北九州 福岡 農林水産業 鉱業 製造業 建設業 電気・ ガス・ 水道業 卸売・ 小売業 金融・ 保険業 不動産業 運輸・ 通信業 サービス業 広島 大阪 京都 川崎 仙台 札幌 0% 20% 40% 60% 80% 100% 出所:各都市市役所ホームページ 北九州 札幌 農林水産業 鉱業 製造業 建設業 電気・ガス・水道業 卸売・小売業 金融・保険業 不動産業 運輸・通信業 サ-ビス業 14 12 10 8 6 14年度 12年度 10年度 8年度 6年度 4 4年度 平成2 平成2年度 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 農林水産業 鉱業 製造業 建設業 電気・ガス・水道業 卸売・小売業 金融・保険業 不動産業 運輸・通信業 サービス業 0% 20% 40% 60% 80% 出所:各都市市役所ホームページ 100% 産業構造の推移② 北九州 平成15年 福岡 広島 大阪 製造業 非製造業 京都 川崎 仙台 札幌 0% 20% 40% 60% 80% 100% 出所:各都市市役所ホームページ 産業構造の推移は非製造業の割合が年々増 加傾向にある 都市によって産業構造のタイプが微妙に異なる ↓ 比較的、製造業の割合が高い(約30%) 非製造業の割合が80%越える TFP水準の推移 出所:内閣府経済社会総合研究所、経済分析第170号」に基づき、 科学技術政策研究所にて再計算 人的資本投資などによる労働の質の向上→労働投入拡 大→TFP低下。 労働の質の向上=労働生産性の向上を意味する。 また、労働の質の向上は技術の向上にもつながると考える。 労働の質の向上を通じてのTFPの低下は、単純に技術進 歩の低迷を意味するものではないと考えられる。 ※TFPは経済成長に関わる資本、労働以外の全ての ものを含むので技術以外の要素も含まれている。 都道府県別の特許件数 ~顕在化した技術~ 22000 17000 12000 7000 2000 -3000 北 海 宮 道 城 埼 玉 千 神 奈 静 葉 川 岡 愛 知 京 大 都 阪 兵 庫 広 島 福 岡 出所:特許行政年次報告書 出所:特許行政年次報告書 結論 R&D支出を促進することと、人的資本に投資 することにより、競争力の源泉である“技術”を 向上させる必要がある。それによりもたらされ た技術進歩が都市経済を発展させ、それが日 本の経済成長へと結びつく 参考文献 科学技術庁科学技術政策研究所(1993)『日本企業 にみる戦略的開発マネジメント』 大蔵省印刷局 岩間 仁(1996)『プロダクトイノベーション 競争優位 を作る戦略的商品企画』 ダイアモンド社 後藤 晃(2006)『日本のイノベーション・システム 日本経済復活の基盤構築に向けて』 東京出版社 文部科学省 伊藤元重(2001)『入門経済学第二版』日本評論社 横浜産業振興公社 科学技術政策研究所 各政令指定都市市役所ホームページ 科学技術制作研究所 大学入試センターホームページ 大蔵省財政金融研究所「フィナンシャル・レビュー」Ju ne-1993 『人的資本と経済成長』
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