米国MLPマーケット・ウィークリー - レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

米国MLPマーケット・ウィークリー
当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。
≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫
アレリアンMLP指数
トータル
リターン指数
価格指数
米国株(S&P500)
予想配当
利回り
トータル
リターン指数
予想配当
利回り
2014年12月9日
米国REIT
トータル
リターン指数
米10年国債
利回り
予想配当
利回り
ヘンリーハブ
天然ガス先物
( ドル/ 百万
BTU)
WTI
原油先物
( ドル/ バレル)
2013年12月31日
463.80
1,562.21
5.78%
3,315.59
1.90% 11,128.83
3.79%
3.03%
98.42
4.23
2014年11月28日
487.05
1,734.83
5.69%
3,778.96
1.93% 14,071.20
3.43%
2.16%
66.15
4.09
2014年12月5日
479.71
1,709.19
5.78%
3,794.68
1.92% 14,019.14
3.45%
2.31%
65.84
3.80
前週比
-1.5%
-1.5%
0.09%
0.4%
-0.01%
-0.4%
0.02%
0.14%
-0.5%
-7.0%
年初来
3.4%
9.4%
0.00%
14.4%
0.02%
26.0%
-0.34%
-0.72%
-33.1%
-10.1%
前年比
8.7%
15.0%
-0.28%
18.7%
-0.06%
26.8%
-0.32%
-0.57%
-32.4%
-8.0%
(2009年末=100)
トータルリターン指数(配当込み)
260
8%
240
MLP
220
米国REIT
200
7%
MLP
6%
5%
180
米国REIT
4%
160
3%
140
S&P500
120
2%
S&P500
1%
100
80
10/1/1
MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
0%
10/1/1
米10年国債利回り
11/1/1
12/1/1
13/1/1
14/1/1
(出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2010年1月1日~2014年12月5日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index
≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(12月1日~12月5日)≫
上昇率上位5銘柄
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
1 Teekay LNG Partners LP
船舶輸送
3,218
2 Enbridge Energy Partners LP
石油輸送
13,323
3 Seadrill Partners LLC
海上掘削
1,678
週間騰落率
(%)
下落率上位5銘柄
業種
時価総額
( 1 0 0 万ドル)
週間騰落率
(%)
9.5 BreitBurn Energy Partners LP
探査・生産
2,038
-22.1
8.6 Atlas Resource Partners LP
探査・生産
1,005
-19.0
石炭
1,211
-17.1
8.0 Natural Resource Partners LP
4 EQT Midstream Partners LP
天然ガス輸送
5,435
4.9 Crestwood Midstream Partners LP
集積・処理
3,271
-13.3
5 Spectra Energy Partners LP
天然ガス輸送
16,673
4.6 Vanguard Natural Resources LLC
探査・生産
1,699
-12.9
(出所)ブルームバーグ
(注)時価総額は2014年12月5時点。
≪先週の米国MLP市場の動き≫
先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比-1.5%と2週連続での下落となりました。先週もWTI原油先物価
格の下落が続くなど、不安定な原油市況がMLPへの調整圧力となったと考えられます。セクター別では、先週は石油・天然
ガスの探査・生産事業を行う上流MLPセクターが軒並み大幅下落となった一方、主に石油・天然ガスのパイプライン輸送を
行う中流MLPセクターに関しては相対的に下落は限定的となりました。
原油価格下落によるMLPのパイプライン輸送事業への影響を考えるに当っては、今回と同様に原油価格の急落がみられ
たリーマンショック後の2008~2009年の経験が参考事例となると考えられます。当時、WTI原油先物価格(年平均値)は
2008年の1バレル=99.75ドルから2009年には同62.09ドルへ急落したものの、大手MLPの2009年の原油パイプライン輸
送量の減少は軽微に留まりました。先行きの原油価格の動向については引き続き注視が必要なものの、中長期の固定手
数料契約に基づくMLPの中流事業は今後も安定を維持するものと期待されます。
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
米国MLPマーケット・ウィークリー
≪MLP関連トピック≫ リーマンショック後の原油価格急落とMLPの原油パイプライン事業
図1:原油価格とMLPの原油パイプライン輸送量
2008~2009年の原油価格急落時の事例
MLP市場では、足元で原油価格の急落を受けて、中流
WTI原油先物価格(年平均値)
(ドル/バレル)
110
MLPが運営する原油パイプライン事業への影響に注目が
99.75
100
集まっています。原油価格下落による中流輸送事業への
影響を考えるに当っては、今回と同様に原油価格の急落
80
がみられたリーマンショック後の2008~2009年の経験が
70
参考事例となると考えられます。
72.36
レル=99.75ドルから同62.09ドルへ37.8%も急落しました。
2006
(千バレル/日)
3,800
値水準まで原油価格の下落が進行しました(図1上段)。
3,600
3,400
一方、主要MLPの中でも、Plains All American Pipelines
LP(PAA)およびEnterprise Products Partners LP(EPD)
が原油パイプライン事業に関する輸送量データを公表して
2006
2007
2008
2009
2010
2013
2011
2012
2013
(千バレル/日)
1,200
の落ち込みが一時的に留まったことや、原油パイプライン
400
が中長期の固定手数料契約に基づいていることなどが、
200
Enterprise Products Partners LP
陸上原油パイプライン輸送量
前年比
-2.3%
0
2006
2007
2008
2009
2010
(出所)ブルームバーグ、各社公表資料
図2:大手MLP2銘柄のキャッシュフロー(EBITDA)
(100万ドル)
利・税金・償却前利益)ベースでPAAが+15.3%増益、
5,000
EPDが+24.1%増益となり、原油価格の急落に直面した環
4,500
境下でも両MLPともに増益基調が維持されました(図2)。
4,000
Enterprise Products
Partners LP(EPD)
3,500
+24.1%
3,000
が原油価格の変動の影響を受けにくい特性を持っている
2,500
ことを示す実例のひとつと言えます。足元の局面でも、先
2,000
事業は今後も安定を維持するものと期待されます。
2012
2,000
600
なものの、中長期の固定手数料契約に基づくMLPの中流
2011
前年比-2.7%
2,200
(図1中・下段)。当時はリーマンショック後の原油生産量
行きの原油価格の動向については引き続き注視が必要
2013
2,400
800
2008~2009年の経験は、MLPの中流エネルギー事業
2010
2,600
原油価格の急落による輸送量への影響は限定的でした
両MLPの2009年の収益動向を確認すると、EBITDA(金
2009
2,800
1,000
2009年は大手MLP2社は増益基調を維持
2008
Plains All American Pipelines LP
原油パイプライン輸送量
3,000
前年比-2.7%、EPDが同-2.3%と小幅の減少に留まり、
輸送量の安定に寄与したと考えられます。
2007
3,200
います。
2009年の両MLPの原油パイプライン輸送量は、PAAが
2012
62.09
50
日次データでは、2008年12月19日には同33.87ドルの安
2009年は原油輸送量への影響は軽微に留まる
2011
79.61
66.26
60
当時も、WTI原油先物価格(年平均値)は2008年の1バ
94.15
前年比
-37.8%
90
98.05
95.11
+15.3%
1,500
Plains All American
Pipelines LP(PAA)
1,000
500
0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
(出所)ファクトセット
(注)キャッシュフローはEBITDA(金利・税金・償却前利益)。
●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも
のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。
また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品
に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当
資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。