米国MLPマーケット・ウィークリー 当レポートでは、パイプライン等のエネルギー関連資産を保有・運営する米国のMLP(共同投資事業の一形態)に関する情報提供を行います。 ≪先週の米国MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)市場概況≫ アレリアンMLP指数 価格指数 トータル リターン指数 米国株(S&P500) 予想配当 利回り トータル リターン指数 予想配当 利回り 2015年4月7日 米国REIT トータル リターン指数 予想配当 利回り 米10年国債 利回り ヘンリーハブ 天然ガス先物 ( ドル/ 百万 BTU) WTI 原油先物 ( ドル/ バレル) 2014年12月31日 459.40 1,637.25 6.01% 3,769.44 1.95% 14,247.97 3.59% 2.17% 53.27 2.89 2015年3月27日 426.14 1,541.64 6.37% 3,791.90 2.08% 14,766.25 3.60% 1.96% 48.87 2.59 2015年4月2日 430.54 1,557.56 6.29% 3,804.14 3.55% 1.91% 49.14 2.71 前週比 1.0% 1.0% -0.08% 0.3% -0.01% 1.0% -0.05% -0.05% 0.6% 4.7% 年初来 -6.3% -4.9% 0.28% 0.9% 0.12% 4.7% -0.04% -0.26% -7.8% -6.1% 前年比 -8.8% -3.4% 0.36% 11.6% 0.02% 22.9% -0.18% -0.89% -50.7% -37.8% (2012年末=100) 2.07% 14,916.67 トータルリターン指数(配当込み) 160 8% 150 7% S&P500 140 MLP・S&P500・米国REITの配当利回りと長期金利 MLP 6% 5% 130 米国REIT 4% 120 MLP 110 2% 米国REIT 100 3% 1% 90 13/1/1 13/7/1 14/1/1 14/7/1 15/1/1 0% 13/1/1 S&P500 米10年国債利回り 13/7/1 14/1/1 14/7/1 15/1/1 (出所)ブルームバーグ (注)データ期間:2013年1月1日~2015年4月2日、MLP=Alerian MLP Index、米国REIT=FTSE NAREIT All Equity REITs Index ≪アレリアンMLP指数構成銘柄(全50銘柄)の週間騰落率ランキング(3月30日~4月2日)≫ 上昇率上位5銘柄 MPLX LP 2 Martin Midstream Partners LP 3 MarkWest Energy Partners LP 4 Capital Product Partners LP 5 ONEOK Partners LP 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 下落率上位5銘柄 業種 時価総額 ( 1 0 0 万ドル) 週間騰落率 (%) 5,936 6.4 Seadrill Partners LLC 海上掘削 1,158 -4.4 石油輸送 1,276 5.9 Memorial Production Partners LP 探査・生産 1,450 -3.9 集積・処理 13,195 5.4 Valero Energy Partners LP 石油輸送 2,862 -3.7 4.7 Calumet Specialty Products Partners LP 石油精製 1,874 -2.5 4.4 BreitBurn Energy Partners LP 探査・生産 1,219 -2.0 石油輸送 1 (出所)ブルームバーグ 業種 船舶輸送 天然ガス輸送 1,012 10,531 (注)時価総額は2015年4月2日時点。 ≪先週の米国MLP市場の動き≫ 先週のアレリアンMLP指数(トータルリターン)は前週末比+1.0%と3週連続での上昇となりました。足元での米経済指標の 弱含みから米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げへの懸念が後退しつつあることも、米10年国債利回りの低下 を通じてMLP市場の回復を支えていると考えられます。 先週は、探査・生産型(上流)MLPのBreitburn Energy Partners LP(BBEP)が米プライベート・エクイティ・ファンドからの10 億ドル規模の戦略的投資(資金支援)の受け入れと、流動性確保のための大幅減配方針を表明しました。一方、中流セク ターでは親会社のエネルギー企業からの資産取得(ドロップダウン)や新規の設備投資の動きが明らかとなるなど、MLPの事 業拡大の動きにも回復の兆しが見えつつあります。先週は、天然ガス輸送型MLPのONEOK Partners LP(OKS)がテキサス 州からメキシコへの天然ガス輸送パイプラインを建設する合弁事業を公表しており、メキシコへの天然ガス輸出がMLPの新 たな成長機会となる可能性があります。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。 米国MLPマーケット・ウィークリー ≪先週の米国MLP関連ニュース≫ 【3月29日、資金支援/減配方針】 Breitburn Energy Partners LP(BBEP、探査・生産、時価総額12億ドル)は、米プラ イベート・エクイティ・ファンドのEIG Global Energy Partnersから10億ドル規模の戦略的投資を受け入れることで合意。また、 BBEPは今回の資金調達と関連して、流動性確保のため一株当たり配当を年率0.50ドルへ半減させる方針を表明。 【3月30日、CEO退任】 Enterprise Products Partners LP(EPD、天然ガス輸送、同633億ドル)は、マイケル・クリール最 高経営責任者(CEO)が2015年末で退任すると公表。後任には最高執行責任者(COO)のジム・ティーグ氏を起用。 【3月31日、ドロップダウン】 Delek Logistics Partners LP(DKL、石油輸送、同10億ドル)は、親会社のDelek US Holdings 社より鉄道輸送された原油の受入設備および原油貯蔵タンクを合計6,190万ドルで取得。 【4月1日、設備投資】 ONEOK Partners LP(OKS、天然ガス輸送、同105億ドル)は、メキシコの天然ガス・インフラ会社と の間で、テキサス州パーミアン盆地からメキシコまでの天然ガス・パイプラインを建設する合弁事業で合意。パイプライン計 画の第一フェーズは2016年第1四半期に完成予定で、2019年には全パイプラインが完成する計画。投資額はおよそ 4.5~5.0億ドル。パイプライン完成後は25年の長期輸送契約を締結する見込み。 【4月1日、ドロップダウン】 Dominion Midstream Partners LP(DM、液化天然ガス、同25億ドル)は、親会社のDominion Resources社より天然ガス・パイプラインを保有・運営する子会社を買収。買収額は約4.95億ドル。 【4月1日、IPO申請】 CNX Coal Resources LP(CNXC、石炭、非上場)は米証券取引委員会(SEC)に対して、最大2.5億 ドルの資金調達を目指す新規公開(IPO)計画を申請。CNXCは石炭採掘大手CONSOL Energy社によって設立された MLPで、ペンシルバニア州で石炭鉱山および関連設備を保有・運営。 (出所)MLP公表資料、各種報道、ブルームバーグ、ファクトセット (注)各MLPの時価総額は2015年4月2日時点。 ≪MLP関連トピック≫ 安全面の高さから見直されるパイプラインによる原油輸送 図1:米国の原油生産量と原油鉄道輸送量の推移 近年のシェール・オイルの増産を受けて、米国では2012年 頃から鉄道による原油輸送量の拡大が顕著となってきました。 特にノースダコタ州など内陸部のシェール・オイル生産地から 原油を輸送する際、既存の鉄道網を活用して柔軟に輸送先 を決定できることも原油鉄道輸送の追い風となってきました。 しかし、2013年7月にカナダ・ケベック州で大規模な原油輸 (百万バレル/月間) 50 10 面への懸念などから、鉄道輸送量の拡大ペースは緩やかと 0 概ね12%程度で頭打ちとなりつつあります(図1)。 今後は、安全面の高さや輸送コストの低さなどから、パイプ ラインによる原油輸送が改めて見直される可能性があります。 米石油パイプライン協会によれば、2013年に自然災害や事 故等によりパイプラインから流出した原油および石油は輸送 250 米国の原油生産量(右軸) 200 20 送列車の脱線事故が発生して以降は、鉄道輸送による安全 なる傾向にあり、原油生産量に占める鉄道輸送量の比率も 300 2013年7月 カナダ・ケベック州での 原油輸送列車の脱線事故 40 30 (百万バレル/月間) 150 米国の原油鉄道輸送量 (カナダとの取引含む、左軸) 10 11 12 100 13 14 50 15 (年) 13 14 15 (年) (%) 14 12 10 8 6 4 2 0 米国の原油生産量に占める 原油鉄道輸送量の比率 10 11 12 (出所)米エネルギー情報局(EIA) (期間)2010年1月~2015年1月 量全体の0.001%と軽微に留まっています。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種データに基づいて作成したも のですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。 また記載されている運用スタンス、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品 に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当 資料は情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当該銘柄の売買または保有を推奨するものではありません。
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