7A・近代とナショナリズム

7A・近代とナショナリズム
2010.10.27. 成蹊・文化人類学Ⅱ
7A・近代とナショナリズム
2010/10/27 - [2]
「文化を守る」思想の背景
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文化とは、いったい「だれが」「なんのために」「どう
いうコストを支払って」守るのだろうか?
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前回映像資料6(姨捨の棚田)・7(吉念寺の大桜)で確認した
「地域社会のやるせない状況」を生み出した背景を、もう少し時
間をさかのぼって確認してみる

そもそも、どういう文化を「守る」と考えるのだろうか

現在について考える場合に、核となるのは「観光」とい
う現象
過去に遡って考えると、さらに「ナショナリズム」とい
う現象も考慮に入れる必要がある

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手がかりとして映像資料8「桜紀行-前半」
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近代における文化の均質化・画一化
1.
積極的に法律で統一したりすることによって進行
‒
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2.
教育やテレビ・ラジオといったメディアの浸透によっ
て明示されずに進む
‒
‒
3.
言語や暦・時間などは国家的に明示的に統一
不道徳的・封建的な要素を持つ風習(ある種のお祭りなど)は
明示的に禁止
ナショナリズムと結びつく「さくら」
「清潔」に関する概念の浸透など
流通・交通の発達によって知らず知らずのうちにいつ
のまにかそうなってしまう
‒
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着物(和装)から洋服(洋装)への移行
日本全国のお雑煮の画一化など
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文化とわたしたちの関係
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わたしたちの(伝統的な)暮らしの中に、西洋文化が入り
込んでくる、という受け身のイメージ
わたしたちの暮らしをわたしたちにとってよりよいもの
にするために、必要に応じて西洋文化を採り入れたり伝
統文化を手放したりする、という主体的なイメージ
近代の国家によって管理され矯正される、洗脳的なイメ
ージ
同じく近代の国家によって押しつけられる「正しい」文
化、という教育的なイメージ
個々人それぞれ、あるいは地域や国によってさまざまな
文化がどれも正しい(間違っているわけではない)もの
として並存していて、そのどれもが尊重されるべきだ、
という共生的なイメージ
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「近代」と「国民国家」
多様・雑多
均質化・画一化
多様化 & さら
なる画一化