3・文化の多様性と普遍性 2011.05.11. 成蹊教養・文化人類学の考え方 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [2] 前回 8本の民族誌フィルム A) B) C) D) E) F) G) H) Pomak Portraits: Women of Breznitza The Eskimos of Pond Inlet (1975) The Diary of a Maasai Village (1984) Sundanese Culture Alive (1988) The Sherpas (1977) The Tuareg (1972) The Ami Festival (1990年代後半と推定) Yanomamo of the Orinoco (1987) (1994) 3・文化の多様性と普遍性 前回 8本の民族誌フィルム・地図 2011/05/11 - [3] 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [4] 民族誌フィルムと多様性・普遍性 8本の映像を通じて読みとってほしい点は、 人間の生活/文化の「多様性」……いろんな環境下でいろんな民族 がいろんな暮らしをしている 人間の生活/文化の「普遍性」……やっぱり同じ「人間」だ 【前回課題1】どんな点に多様性が、またどんな点に普 遍性がみられたかを、自分なりにインプレッション・ペ ーパーにまとめる →今日配布の「前回インプレッション」を参照 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [5] 文化人類学の4つのキーワード[再] 普遍性 1. たとえば「人類」であるかぎり、どこかで共通点はあるはずで、 なにかしらわかり合える部分はあるだろうし、地球上で暮らす ひとびとが持っている文化に違いはあれど、ひとが「文化を持 っている」こと自体は普遍的であろう 多様性 2. とはいえ、個々のひと・文化の特徴はさまざまであろうし、そ の多様性を留保することは、おそらく大事なことだろう 個別性 3. 普遍性と多様性の両方をつきつめていけば、「個別性」とその 尊重というのがひとつの究極点にあるのかもしれない 相対性 4. 個別性の尊重について考慮するには、お互いを入れ替え可能と する考えかた=「相対性」についての理解が必要となろう 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [6] 文化の普遍性・多様性と人類 多様性をもたらすのは、人類の第一の特徴といえる創造 力と好奇心 環境という制約条件を緩和するために、本来人間は、どんなこと でも考えつくことができる 創造力・好奇心の淵源は、脳と手の発達 共通性・普遍性をもたらすのは、人類の第二の特徴とい えるコミュニティ(共同体)形成指向 コミュニティ維持のためにつくられるルールが、ある程度まで人 間の社会の共通性をもたらす コミュニティ維持のためのルール作りに大きな役割を果たすのが、 言語と家族(第一次的な居住集団) 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [7] 補足:文化と環境 もともと人は環境に適応するために文化を創り出したが、 その創り出した文化自体が、人にとって新たな環境とな っていった どんな動物でも(植物も含め)それなりに環境に適応する能力は 持っている。が、環境を「創り出す」能力を持っているのは、ひ とだけが持つ特徴 自分たちで創り出した「文化」という新たな環境に適応するため に、ひとの生態は著しく急速に変化を遂げた このことが、ひとの「進化」を、他の動物の進化と同列には考え にくくしている:「進化」という生物学的な生体構造の変化と、 「文化」に適応するひとの行動パターンの変化(「進歩」?)は、 本来は同一視できない 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [8] 文化とはなんだろうか 初回イントロダクションでの説明 民族誌フィルムから導かれる説明 あるひとびとの間に共有されるルールや感覚が文化 他の集団と接触することで、自分の文化に気づく 文化とは、さまざまな「環境」に適応するために、ひとびとが考 えだし、守り伝え、また磨き上げてきた知恵・知識の体系 文化人類学の古典的な定義としては次のようになる 「文化とは、後天的、歴史的に形成された、外面的および内面的 な生活様式の体系であり、集団の全員または特定のメンバーによ り共有されるものである」(KLUCKHOHN & KELLY [1945:98]) この定義のポイントは3点 1. 2. 3. 文化とは、学習されるものである(=自然にもって生まれてくるもの ではない) 文化とは、体系的なものである(=部分や要素に還元できない) 文化とは、共有されるものである(=個人ではなく、集団を想定) 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [9] 文化とは学習されるものである(1):文化と個人 社会 ● ▲ ★ ▼ ▼ ★ ◆ ■ ★ ■ ■ ● さまざまな 文化要素 ◆ ▼ ▲ ● 個人 ◆ ▲ 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [10] 文化とは学習されるものである(2):文化と個人 社会 ● ▲ ★ ◆ ▼ ▼ 学習 ■ ★ ■ ▼ ★ ◆ ★ ■ ● ■ ● ▲ ● 個人 ◆ ▲ 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [11] cf. 文化とは創られるものでもある:文化と個人 社会 ● ▲ ★ ◆ ▼ ▼ ♥ 創造 ♥? ★ ◆ ■ ★ ■ ▼ ★ ■ ● ■ ● ▲ ● 個人 ◆ ▲ 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [12] 文化は共有されるものである:文化と社会 社会 ● ★ ● ▲ ■ ◆ ● ▲▼ ▼ ◆ ★ ■ ▼ ■ ■ ▼ ■ ▼ ▲ ● ● ▲ ★ ▲ ◆ ▲ 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [13] 文化は創られるものでもある:文化と社会 社会 ● ★ ● ▲ ■ ◆ ● ▲▼ ▼ ◆ ♥ ■ ▼ ▲ ♥ ★ ▲ ■ ■ ♥ ▼ ▲ ● ● ▼ ★ ◆ ■ ▲ 3・文化の多様性と普遍性 blank 2011/05/11 - [14] 3・文化の多様性と普遍性 2011/05/11 - [15] 映像資料:広州市場 市場で売られているものを、ノートなどにひとつひとつ 書き取りながら、まず観る。 市場ではねこが食用として売られている。必然的に「ね こを食べるという〈異文化〉」がそこに存在することに なるが、それについてどう思うか。また、この講義を受 けている他の人々はどう考えていると思うか。 別紙を参照しながら、自分の選んだ選択肢番号(数字と アルファベット)それぞれを、インプレッションペーパ ーの右上に 2A 5E 3B などと記入してください。
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