コラッツ予想の変形について

コラッツ予想の変形について
白柳研究室
5509064
田渕 康貴
研究目的と背景
 本研究では、コラッツ予想の規則性に興味を持っ
た。Maple14を用いて、コラッツ予想の変
形に関する計算機実験を行い、新たな規則性を発
見する。
 そして、本来のコラッツ予想と比較し、解決への
糸口を探る。
 昨年度4年生、藤田の研究論文ではコラッツ予想
の変形、πとeについて的をしぼり研究していた。
コラッツ予想
 コラッツ予想とは、任意の自然数Nに対して、そ
れが偶数の場合は2で割り、奇数の場合は3倍し
て1を加えるという操作を繰り返して行くと、必
ず有限回で1に到達するであろうという予想であ
る。
 N=21のときでは
 21→64→32→16→8→4→2→1→4→
2→1→・・・
1の周期サイクル
コラッツ予想の変形
本来のコラッツ予想(2,3,1,n)
コラッツ予想の変形 {nが1~100}
(2,3,4,n)、(2,5,1,n)
(2,3,2,n)・・・
定数項1を置き換える
(2,3,4,n)・・・発散するものもある
(2,3,5,n)・・・収束した
(2,3,6,n)・・・発散するものもある
実験結果1
(2,3,5,n)で(1~100)までの値で
なんらかの数に収束することを発見。
収束値は1,5,19,23の4パターン。
例:n=81
81→248→124→62→98→48→15
2→76→38→19→62→98→48→15
2→76→38→19
規則性はnが5の倍数のときは5に収束すること。
5以外にも同様のことが言えるかどうかを確かめ
る。
rを(4~11)までの値で実験
(2,3,r,n)
rが偶数の場合
4,6,8,10では
適当な値で発散するものもあった。
rが奇数の場合
5,7,9,11
ではすべて収束した。
r=7、n=「7の倍数」のとき、収束値は7。
r=9、n=「9の倍数」のとき、収束値は9。
r=11、n=「11の倍数」のとき、収束値は
11。
(2,3,r,n)に対し、
nとして1から100までの数でr
の倍数でないものも試してみる。
(2,3,5,n)と同様に
3,7,9,11でもその倍数だけでなく、
1から100までの値を入れて試してみる。
(2,3,3,n)
(2,3,7,n)
(2,3,9,n)
(2,3,11,n)
結果
全てのパターンで発散することなく収束した。
 (2,3,3,n)すべての値が3に収束。
このとき(2,5,5,n)、(2,7,7,
n)も計算機実験を行ったが5,7では収束は見
られなかった。
 (2,3,7,n)
7の倍数はすべて7に
収束したが、それ以外の値では5に収束。
(2,3,9,n)
 9の倍数だけでなく、すべての値が9に収束する
ことを発見。
(2,3,11,n)
1,11,13と複数の収束値があった。
まとめ
(2,3,3,n)、(2,3,9,n)はいか
なる自然数に対してもそれぞれ3,9に収束する
ことがわかった。
今回の研究でコラッツ予想の解決の糸口とまで
はいかないが、1でなく3,9に収束するコラッ
ツ予想の変形を見つけることができたことは大き
い。
今後の課題
プログラムを並列処理させて時間を短縮させる必
要がある。