線形制御理論期末試験

線形制御理論 期末試験
2015 年 2 月 2 日 13:00(持ち込み不可),担当:加嶋 健司
下図のフィードバック制御系において,
P(s) =
s2
1
K(s + 1)
, C(s) =
(ζ, K は正の実数)
+ 2ζ s + 1
s
として,以下の設問に答えよ.ただし,すべての問いに対して,導出過
程,理由を明記すること.
1. ζ = 0.1, K = 10 のとき,伝達関数が P(s) で与えられるシステムの
ベクトル軌跡,伝達関数が P(s)C(s) で与えられるシステムのゲイン
線図の概形を描け.
省略
2. 制御系を内部安定化する K の範囲を,ζ を用いてあらわせ.
特性多項式は ϕ(s) = s3 + 2ζ s2 + (K + 1)s + K から,ラウスの方法な
どで 2ζ(K + 1) − K > 0.よって ζ ≥ 0.5 のときは K > 0,その他の場
合は 0 < K < 2ζ/(1 − 2ζ).
3. 任意の 0.2 ≤ ζ ≤ 0.6 に対して
• フィードバック系を内部安定化
• r(t) = 10, d(t) = sin(t) のとき,十分時間が経過した後は |e(t)| < 2
【時間が余った人は |e(t)| < 1.5】
を同時に満たす(ζ に依存しない)K が存在するか答えよ.
前問の結果より安定化に関して 0 < K < 2/3.|1/(1 + PC)| に s = 0
を代入すると 0 なので,定数入力 r の影響は消える.|P/(1 + PC)| に
s = j を代入して,1/|(K − 2ζ) + K j| < 2 であればよい.ここで ζ に
よらず 1/|(K − 2ζ) + K j| < 1/|K| が成り立つので,例えば K = 1/1.99
(これは 0 < K < 2/3 を満たす)ととればよい.
1
4. 平衡点周りで線形化すると伝達関数が P(s) で与えられるシステム
となるような非線形システムの例を,微分方程式を用いて与えよ.
省略