労働法 労務管理の発展史(1) ---テイラー・システム 2014年5月27日 人事労務管理論A(第6回) LT1011教室 1012教室 1 先週の振り返り 労働法とは何か 自由放任は強者が有利に 弱者を法律で保護 → 一定のルールを国が強制 労働法 「労働法」という名の法律はない 労働法とは:労働に関わる法律の総称 2 日本の労働法 基本は憲法(第25、27、28条) 労働・生存・福祉等を国民の権利として規定 労働三法 労働基準法 → 労働組合法 → 労働関係調整法 → 3 主要な労働法 4 人事労務と労働法 労働法の目的は労働者保護にある 具体的には、採用と働かせ方の社会的規制 人事労務管理の前提条件 労働法遵守を前提とした効率的な「働かせ方」 人事労務管理の必要性 ところが! 5 労働法と人事労務管理 「働かせ方」の最低ルール ルールの枠内で「働かせる」 人事労務はルール遵守が前提 解決のために ルールを緩和する ルールを守らせる 社会的な運動 6 労働ビッグバン(規制緩和)の経過 年 月 内 容 1985年6月 労働者派遣法の成立 1987年9月 労基法改正(変形労働時間制拡大、フレックスタイム制、専門業務型 最長労働制) 1993年6月 労基法改正(1年単位の変形労働時間制、週40時間労働制) 1996年6月 労働者派遣法改正(対象業務16から26業務に拡大) 1997年6月 労基法改正(女子保護規定の撤廃、専門裁量制の対象業務拡大) 1998年9月 労基法改正(企画業務型裁量制、1年単位の変形労働時間制要件 緩和、有期雇用期間の上限を3年へ) 1999年6月 労働者派遣法改正(原則自由化ネガティブリスト方式へ) 2003年6月 労基法改正(企画業務型裁量制の要件緩和) 派遣法改正(製造業派遣解禁、3年ルールへ) 2006年12月 労働政策審議会、ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入を答申 7 戦後、ずっと派遣は禁止されていた! 派遣法成立以前は労働者派遣は禁止!! 職業安定法第44条: 何故? 戦前の「口入れ屋」「周旋屋」などの人身売買的人材 斡旋 → 8 派遣労働の規制緩和 1985年派遣法(ポジティブ・リスト方式) 「専門的知識・技術・経験」に限定して承認 ネガティブ・リスト方式 1996年の法改正 ネガティブ・リスト方式: ついに 9 まとめてみれば 「管理」とは (経営)「環境」は 人事労務管理は 「環境」が変わると働きかけのやり方も変化 10 ここから労務管理の発展史 テイラー以前の「働き方」「働かせ方」 内部請負制 Internal or inside Contract System → に大きく依存した生産システム の絶大な力 作業に関わる一切が労働者の側に 19世紀後半のアメリカ産業界の問題 AFLと組織的怠業 ① ② 経営者たちの対応 能率増進運動 ASME(アメリカ機械技師協会)の「能率増進運動」 具体的には タウンの分益制(1886)、ハルシーの割増制(1891) = テイラーによる批判と願望 「創意と刺激の管理」 ・ ・労使双方の繁栄: の根本的な解決が必要 テイラー・システム(科学的管理法) 『工場管理』(1903)、 『科学的管理法の諸原理』(1911) → 課業管理 task management 課業taskとは何か: ① ② ③ ④ 第1原理:大いなる一日の課業 a large daily task 課業をどうやって決めるか 労働者(作業員)任せにせずに経営側が決定! 方法 このための方法: 第3、4原理:異率的出来高給制度 Taylor‘s differential piece rate plan 賃 金 ↑ 課業 作業量 第5原則:一流の労働者! 後にテイラーはもう一つの原理を加えた 課業の大きさ 課業は簡単に(怠業しながら)達成できるものではダメ 一流の労働者でなければできないほどのものでなけ ればならない 実施のための三つの制度的道具 「企画部」 「職能式職長制度」 「指図書制度」 テイラー・システムの意義 の実質的な確立 「管理」managementの確立 テイラー・システムの本質は 計画( )と実行( 熟練の解体とその管理・統制 → (標準化、専門化、単純化) )の分離 テイラーシステムの問題点 反対闘争の高揚: 1913、14年AFLが反対決議 14年議会にホキシー委員会(公聴会) 15、17年に議会での禁止決議 AFLの4つの反対理由 ① ② ③ ④ テイラー VS 労働組合 組合のテイラー批判は正しいか? 対立構造は テイラーシステム vs. 労働組合
© Copyright 2024 ExpyDoc