人事労務管理の仕組み・ 体系と労働市場・労働法 2016 年5月24日 人事労務管理論A(第5回) LT1022教室 1 前回のまとめ 人事労務管理の二つの役割と二つの体系 労働力の効率的使用(利用) 労働力の「使用権」と「所有権」の対立の克服 ・労使対立の緩和・克服 ・愛社精神の育成 ・労働意欲の向上 2 労使関係管理 労働組合との関係 労働組合と企業(会社)との関係 従業員との関係 従業員一人ひとりと企業(会社)の関係 3 集団的労使関係について 労働組合とその運動 労働力の価格(賃金)、 働かせ方(人事)をめぐる労使の攻防 人事労務管理と労働組合の発展 Pigors & Myers の主張 「人事管理の発展は、ある点においては、労働組 合の発展と並行している」 4 集団的労使関係と人事労務 労働組合は労働力の効率的利用に影響 労働組合のあり方の制御が必要となる ・組合つぶし ← ・組合抱き込み ← ・組合を承認の上での制御 ← 現代社会の基本的な考え方はパイの理論 敵対的な労使関係を友好的なものへ育成する 5 パイの理論とは何か 労使関係の二元性 第1次関係---経営vs組合=企業外労使関係 労使関係 第2次関係---経営vs従業員=企業内労使関係 パイ=成果(利潤) M W M W 6 具体的には 生産(友好・協力関係) 第2次関係(経営vs従業員)を重視 友好・協力関係を確立する 生産協力のための制度 → 分配(対立関係) 第1次関係(経営vs組合)を穏便に 分配のための制度 → 7 個別的労使関係と人事労務 従業員一人ひとりと企業(会社)の関係 組合がないところでの従業員の不満 組合があっても職場の末端での不満 会社への忠誠心 上司と部下の意思疎通 労働意欲 8 個別的労使関係管理の実際 個別的労使紛争への対応 何よりもまず 企業内福利厚生 法定福利費、 社内コミュニケーション 社内報、人事相談制度、メンター制度 提案制度 9 誰が管理するのか 人事労務管理の担い手は誰か 経営管理者 本社スタッフとしての人事部 日米の違い 日本の場合: アメリカの場合: 人事部は 実践は 10 人事労務管理の「環境」 企業活動は社会的なものである 真空状態で活動しているのではない ・ ・ 企業経営にとっては「環境」は制約条件? 「環境」からの制約: 労働市場、労働法、労使関係 11 人と仕事の「出会い」の日米の違い 雇用、採用、賃金の決め方、 配置、教育訓練のあり方 雇用とそのあり方(英米の場合) 仕事の値段 人 雇用とそのあり方(日本の場合) 人 (人物評価) 仕事 アメリカと日本の雇用のあり方の違い アメリカの場合 仕事に人をあてがう 仕事基準に採用 仕事給 仕事がなくなったら解雇 自己責任で能力向上 転職を通した昇進 短期的雇用 産業別組合 日本の場合 人に 人 属人 配置 企業 企業 長期 企業 労働市場 市場であるから価格(賃金)は需給で決まる 外部労働市場と内部労働市場 必要労働力をどこから調達するか? 企業の外から: 企業内部から: 16 労働市場の日本とアメリカ 日本の場合 新規学卒一括採用 毎年春に新卒者をまとめて採用する 特定の仕事(職業)ではなく、特定の企業に就く アメリカの場合 卒業後の就職するが、日本のような一括採用はない 労働移動率が高い → 内部昇進がないわけではないが、 近年の変化 → 17 労働法 基本は憲法(第25、27、28条) 労働・生存・福祉等を国民の権利として規定 労働三法 労働基準法 → 労働組合法 → 労働関係調整法 → 18 人事労務と労働法 労働法の目的は 具体的には、採用と働かせ方の社会的規制 19 戦後、ずっと派遣は禁止されていた! 派遣法成立以前は労働者派遣は禁止!! 職業安定法第44条: 何故? 戦前の「口入れ屋」「周旋屋」などの人身売買的人材 斡旋 → 人身拘束、強制労働、中間搾取 20 派遣労働の規制緩和 1985年派遣法(ポジティブ・リスト方式) 「専門的知識・技術・経験」に限定して承認 ネガティブ・リスト方式 1996年の法改正 ネガティブ・リスト方式: 21 主要な労働法 22
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