階層分析法 - - 名古屋市立大学経済学研究科

階層分析法
表3.1
ルート
R1
R2
R3
R4
R5
F1
最寄駅までの所要
時間(分)
10
10
10
10
7
F2
実乗車時間(分)
62
72
72
64
74
F3
片道切符(円)
760
730
710
710
870
1ヶ月定期(円)
11,210
11,930
9,750
12,460
12,720
乗換回数
3
2
3
3
3
乗換時間
7
8
6
7
10
総合所要時間
85.5
97
99
89
97.5
乗換待時間
6.5
7
11
8
6.5
F4
F5
階層分析の概略
(1)重要度決定プロセス:選択肢R1、...R5の総合
評価を行うにあたって、評価要因F1、...F6のそれ
ぞれが、相対的にどれだけ重要であるかを表す非負
の重要度係数w1、...、w6(∑wi=1)を求める。
(2)選択肢の要因別評価:評価要因Fi(i=1、...、6)
に関して、各選択肢R1、...、R5が相対的にどれだ
け優れているかを表す相対評点fi1,
Fi5(∑fil=1)を求める。
(3)総合得点の計算:Rj(j=1、...、5)の総合得点S
jを評点の加重和として次の式で決定する:
Sj=w1f1j+w2f2j+w3f3j+w4f4j+w5f5j+w6f6j(3.1)
そしてSjが最大である選択肢Rjを最良の選択肢とす
る。
重要度の決め方
一般にm個の評価要因F1、F2、...、Fmが与
えられた場合、二つの要因FpとFqの重要度を比
較して定数αpqを次のように定義する:
αpq =1,FpとFqの重要度に差がないとき
3,Fpの方がFqよりやや重要なとき
5,Fpの方がFqよりかなり重要なとき
7,Fpの方がFqよりずっと重要なとき
9,Fpの方がFqより決定的に重要なとき
Wi=Vi/∑Vj、i=1,…,n
「ベキ乗法」
1、∑ujo=1、を満たす非負定数ujo、j=
1、...、nを選びuo=(u1o、..、uno)^t、
k=1とする。
2、v^k=Au^k-1を計算し、αk=∑vj^kと
する。
Uj^k=vj^k/αk、j=1、...、nとおく。
3、|uj^k+1-uj^k|≦ε、j=1、...、n
ならα=αk、wj=uj^k、j=1、...、nとし
て終了。そうでない時は
K+1―>kとして2にもどる。
相対評点の決め方
Βjk^i=1、Fiに関してRjとRkは有意差なし
3、Fiに関してRjの方がRkよりやや良い
5、かなり良い
7、ずっと良い
9、決定的に良い
2,4,6,8 上の中間の場合
½~1/9、上と逆の場合
この結果n^2個の定数Bjk^iが決まる。
そこでこれらを成分とするn×n行列を定義する。
Fij=fj^i/∑fk^i
ベキ乗法で5つのルートRjの相対評点fijを計算し
たのが次の表である。
F1
F2
F3
F4
F5
F6
Wi
0.029
0.089
0.181
0.298
0.281
0.122
R1
0.125
0.472
0.202
0.129
0.522
0.039
R2
0.125
0.078
0.115
0.482
0.082
0.202
R3
0.125
0.078
0.568
0.216
0.041
0.089
R4
0.125
0.322
0.068
0.129
0.288
0.089
R5
0.500
0.049
0.047
0.043
0.067
0.581
これとすでに求めたWi(I=1、...、6)を用い
て(3.1)式でルートRjの総合評価Sjを計算する
と
S1=0.272
S2=0.222
S3=0.200
S4=0.176
S5=0.130
これらの結果からR1が他を引き離して
トップに立っている。よって
「現在はルートR1で通学しているが、階
層分析法を使ってもR1がベストという結
果になった。」
THE END