数学 A2 §2 定積分 2.1 準備: Σ 記号の使い方

§2 定積分
数学 A2
2.1 準備: Σ 記号の使い方
和の記号:
n
∑
ak = a1 + a2 + · · · + an
k=1
k はダミー変数で, 他の文字でもよい. たとえば
n
∑
k=1
ak =
n
∑
ai .
i=1
[例題 2.1]
次の式を
(1)
(2)
(3)
10
∑
k=1
n
∑
i=1
n−1
∑
∑
を用いずに表せ.
2k =
i2 =
k(k + 1) =
k=2
いくつかの数列について和の公式が知られている.
公式
(1)
(2)
(3)
n
∑
k=1
n
∑
k=1
n
∑
1 =[
]
k =[
]
k 2 =[
]
k=1
これらの公式を次の性質と組み合わせて, さらにいろいろな和が計算できる:
1
公式
(1)
(2)
n
∑
k=1
n
∑
(ak + bk ) =[
]
cak =[
]
k=1
[例題 2.2]
(1)
n
∑
(2k + 3) =
k=1
(2)
n
∑
k(k + 1) =
k=1
2.2 定積分の定義
[a, b] で定義された関数のグラフと, x = a, x = b, y 軸で囲まれる部分の面
積 S を求める. 簡単のため, a ≤ x ≤ b で f (x) ≥ 0 とする.
分割 区間 [a, b] を n 個の小区間に分ける.
近似 “階段型図形”の面積 Sn で近似する.
2
y
y = f (x)
f (ξk )
O a = x0
x1
x2
xk−1 ξk xk
∆xk
xn−1
xn = b
極限 階段の段を狭めて滑り台にする.
この極限が存在するとき
[
] といい, 関数 f (x) の x = a から
x = b までの [
] という.
一般に [a, b] で連続ならば積分可能で
ある.
∫
b
f (x) dx = lim
∆xk →0
a
n
∑
f (ξk ) ∆xk
k=1
この式を定積分の定義とすると, f (x) ≤ 0 の場合は次のようになる.
∫
b
f (x) dx = −S
a
すなわち x 軸より下はマイナスの面積とみなす.
∫
∫
a
また
f (x) dx = −
f (x) dx = 0 ,
a
∫
a
b
f (x) dx と定める.
a
3
b
x
[例題 2.3]
∫
y
1
定義から
x dx を求める.
1
0
区間 [0, 1] を n 等分すると,
xk =
[
], ∆xk = [
]
また ξk = xk にとると
f (ξk ) = f (xk ) =
Sn =
n
∑
[
]
k
n
f (ξk )∆xk =
O
k=1
1 2
n n
1 k
n n
x
1
n → ∞ のとき ∆xk → 0 となるから
∫ 1
x dx =
0
[例題 2.4]
∫
y
1
2
定義から
1
x dx を求める.
0
前問と同様に [0, 1] を n 等分すると,
O
4
1
x