単相交流電力の測定実習 本時の予定 1.関係知識 2.単相電力計による実験回路 3.三電圧計法による電力測定実験回路 4.表計算ソフトによる測定結果の整理 5.問題 6. まとめ 1. 関係知識 A 電流コイル A + - V 電 源 + - V 電圧コイル 負 荷 R cosθ X <電力測定回路> 電力計・・・P[W] P = V I cosθ 電圧計・・・V[V] 電流計・・・I[A] 力率・・・cosθ cosθ = P / ( V I ) 負荷が抵抗だけの場合・・・cosθ = 1 リアクタンスを持つ負荷の場合・・・cosθ は 1未満 電力計(electric power meter)について 電圧コイル端子(±) 電流コイル端子(5A,25A) 電流コイル端子(±) 電圧コイル端子(120V,240V) 記号・・・・・ W ・電流端子・・・回路に( 直列 )接続 ・電圧端子・・・回路に( 並列 )接続 ・±端子・・・必ず( 共通 )に使用 <電力計の乗数表例> 倍率 120V 240V 5A 5 10 25A 25 50 ※電力を求める には測定値に 乗数をかけて 計算する [例題]電流端子5A,電圧端子120Vの場合, 電力計の目盛の値が7であれば, 7 × 5 = 35 〔 W 〕 銘板・・・この電力計の接続方法と乗数表が記載されている 力率計(power factor meter)について 電流コイル端子(±) 記号・・・・・ 電流コイル端子(1A,5A) PF 電圧端子 力率・・・目盛を直接読み取れる LEAD・・・( 進み位相 ) LAG・・・( 遅れ位相 ) 銘板・・・この力率計の接続方法と目盛の読み方が記載されている (1)電力計と力率計を用いた電力測定回路 力率計(PF) A + - 電力計(W) + - CC 電流コイル A V 電 源 + - + - R PC V 電圧コイル 負 荷 cosθ X (2)三電圧計法による電力測定回路 V1 V2 I V2 RI V3 I R[Ω] V3 V1 V1 負 荷 V3 V1 sin cosθ 負荷に消費する電力・・・ ベクトル図より P V1I cos V1 cos V2 RI RI V3 cos V32 V22 V12 力率 cos 100[%] 2V1V2 電力 P V1 I cos V1V2 1 cos (V32 V22 V12 ) R 2R RとV1、 V2 、 V3の値がわかると、電力を求めることができる 2.単相電力計による実験回路 A + - + - A K V AC 100V + - PF計 V + - 電圧調整器 SD 使用機器 記号 使用機器 記号 単相電力計 W 交流電圧計 V 交流電流計 A 電圧調整器 SD スイッチ K 白熱電球 クリーナー 蛍光灯 ヒーター 扇風機 W計 負 荷 単相電力計による実験回路図 A + - + - K A V AC 100V V 電圧調整器 SD + - PF計 + - W計 負 荷 3.三電圧計法による電力測定実験回路図 V2 K R[Ω] AC 100V V3 V1 負 荷 電圧調整器 SD 使用機器 記号 使用機器 記号 単相電力計 W 交流電圧計 V 交流電流計 A 電圧調整器 SD スイッチ K 蛍光灯 白熱電球 4.表計算ソフトによる実験結果の整理 • • • • 電力値 = 電力計の振れ×乗数 皮相電力 = 電圧×電流 力率 = 電力÷(皮相電力) 電力 = 皮相電力×力率 V32 V22 V12 力率 cos 100[%] 2V1V2 三電圧計法よる計算 電力 P V1 I cos V1V2 1 cos (V32 V22 V12 ) R 2R ※計算を行う際に単位に注意しましょう!! 単相電力計による実験結果例 電圧ー電力特性 電圧-電力特性(白熱電球) 350 300 電力P[W] 250 200 測定値 計算値 150 100 50 0 20 30 40 50 60 電圧V[V] 70 80 90 100 単相電力計による実験結果例 電圧ー電力特性 電圧-電力特性 700 600 電力P[W] 500 白熱電球 ヒーター1 ヒーター2 蛍光灯 扇風機 400 300 200 100 0 30 40 50 60 70 電圧V[V] 80 90 100 単相電力計による実験結果例 電圧ー電力特性 電圧-力率特性(白熱電球) 1 力率cosθ 0.95 0.9 測定値 計算値 0.85 0.8 0.75 20 30 40 50 60 電圧V[V] 70 80 90 100 単相電力計による実験結果例 電圧ー力率特性 力率cosθ 電圧-力率特性 1.1 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 白熱電球 ヒーター1 ヒーター2 扇風機 30 40 50 60 70 電圧V[V] 80 90 100 三電圧計法による実験結果例 電圧ー電力特性 電圧-電力特性(測定結果比較) 25 電力P[W] 20 15 三電圧計法 単相電力計 10 5 0 75 80 85 90 電圧V[V] 95 100 三電圧計法による実験結果例 電圧ー力率特性 力率cosθ[%} 電圧-力率特性(測定結果比較) 100 95 90 85 80 75 70 65 60 55 50 三電圧計法 単相電力計 75 80 90 85 電圧V[V] 95 100 〔 問 題 〕次の文章中の空欄を答えなさい。 • 電力をP〔W〕、電圧をV〔V〕、電流をI〔A〕、力率をcosθとすると、 P = ( V )×( I )×( cosθ ) 〔W〕 cosθ= ( P )÷( ( V )×( I ) )×100〔%〕 ・一般に用いられている単相電力計は、( 電流力計 )形の計器で、 電圧を加える( 電圧 )コイルと、負荷電流を流す( 電流 )コイル をもつ。 ・一般に用いられている力率計は、( 比率 )形の計器である。よって、 電圧や電流が与えられていないときは指針の位置は( 不定 )。 ・負荷が抵抗のみの回路は電流は電圧と( 同相 )。 ・コンデンサのみの回路は電流は電圧より位相が90°( 進む )。 ・インダクタンスのみの回路は電流は電圧より位相が90°( 遅れる )。 ・容量性負荷の場合は( 進み )力率。 ・誘導性負荷の場合は( 遅れ )力率。 5.まとめ ・電力は、電圧、電流、力率に比例する。 ・力率は負荷が抵抗だけの場合はcosθ = 1で、リアクタンスを持 つ負荷の場合はcosθ は 1未満となる。 ・電力計・力率計の電流端子は回路に直列接続し、電圧端子は回 路に並列接続する。 ・電力計で電力を求めるには、測定値に乗数をかけて計算する。 ・電力計による測定方法と三電圧計法による電力測定方法を理解 できたか。
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