Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン 中南米 2016年7月27日 ブラジル中銀、インフレが心配でタカ派寄り ブラジル中央銀行は7月開催の金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。同中銀はインフレ率の低下ペースが 緩慢なことを指摘しており、利下げ期待は半歩後退した印象です。 ブラジル金融政策会合議事要旨:インフレ率 低下ペースが緩慢と指摘 ブラジル中央銀行(BCB)は2016年7月26日、同7月19~20日 に開催された金融政策決定会合の議事要旨を公表しまし た。ゴールドファイン氏がブラジル中銀総裁に就任後初の会 合ですが、会合後の声明文、今回の議事要旨共に内容が改 善され、例えば議事要旨ではシナリオ分析が提供されまし た。なお、内容については、インフレ率の低下(図表1参照) は見られるも低下ペースが緩慢と指摘するなどタカ派(金融 引き締めを選好する傾向)寄りであったと見られ、市場では 短期金利先物(図表2参照)で利下げ期待の後退が見られま した。 どこに注目すべきか: インフレ率、経済成長、政治的安定 ブラジル中銀は20日の声明に続き、議事要旨でもインフレ 率の低下ペースが緩慢であることを指摘、利下げ余地が限 定的であると述べています。インフレ率判断の目安としてい るのは2017年の予想インフレ率で、ブラジル中銀のシナリオ では4.5%を目標としています。しかし、声明などでブラジル中 銀は市場の2017年期待インフレ率は5.3%と指摘し、シナリオ を上回っている点を懸念しています。 ブラジル中銀は利下げ余地が限定的であると考える背景と して、3つの点を指摘しています。1点目は、食品価格の上昇 が想定を上回っていることなどを背景に、想定している今後 のインフレ率の低下プロセスが後ずれすることへの懸念で す。2点目は、ブラジル中銀はブラジルの景気回復が鈍いと 見る中で、インフレ率の低下(図表1参照)ペースが緩やかで あることです。3点目は、財政改革(歳出削減)が遅れた場合、 インフレ率低下が遅れるリスクも考えられる点です。 今回のブラジル中銀の声明や議事要旨から判断すると、ブ ラジルの利下げ期待は半歩後退した印象で、例えば次回(8 月30~31日)の政策会合ではインフレ率の動向を確認する ため政策金利を据え置くことも想定されます。 ピクテ投信投資顧問株式会社 しかし、2016年10-12月期には利下げの機会を模索する可能 性があると見ています。理由は、ブラジル景気は中銀も認める ように軟調であり、外部環境も不透明であることです。2つ目は、 レアルが安定もしくは上昇傾向であることです。輸入物価が全 体のインフレ率に影響を与えるブラジルでは通貨の安定は利 下げを支持する要因と見られます。また足元、政治にも落ち着 きが見られます。 報道などから、現在職務停止となっているルセフ大統領の弾 劾を巡る採決は8月末にも行われる可能性があります。一方、 テメル大統領代行が率いるテメル政権に対し市場は現時点で は信任を与えていると見られ、スムースな政局運営が続く限り、 年末に向け利下げが視野に入る展開も想定されます。 図表1:ブラジルの消費者物価指数(前年同月比)の推移 (月次、期間:2013年6月~2016年6月) 12 % 10 消費者物価指数(前年同月比) (インフレ率) インフレ目標の中央値 4.5% 8 6 4 2 13年6月 14年6月 15年6月 16年6月 図表2: ブラジル翌日物銀行間預金金利先物の推移 14.00 (日次、期間:2016年6月30日~2016年7月26日) % 7月26日 議事要旨公表 13.90 7月19,20日開催の金融政 策決定会合で政策金利据 え置きを決定 13.80 13.70 6月30日 7月7日 7月14日 7月21日 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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