演習第6回

解析学 I
第6回
(担当:日野)
[6-1] (X, M) を可測空間とし,z ∈ X とする.δz : M → [0, +∞] を
{
1 (z ∈ A のとき)
δz (A) =
0 (z ∈
/ A のとき)
と定める.
(1) δz は (X, M) 上の測度になることを確認せよ.
∫
(2) X 上の実数値可測関数 f に対して, f (x) δz (dx) = f (z) となることを示せ.
X
∫
∫
[6-2] 測度空間 (X, M, µ) 上の複素数値可積分関数 f で,等式 f dµ =
|f | dµ を満たすものはど
X
X
のような関数か.(f は実数値とは限らないので少し注意が必要.)
定義(再掲)(X, M, µ) を測度空間,f, f1 , f2 , . . . , fn , . . . を X 上の実数値可測関数の列とする.{fn }∞
n=1
が f に測度収束するとは,任意の ε > 0 に対して lim µ({|fn − f | ≥ ε}) = 0 となることをいう.
n→∞
∫
|fn − f | dµ = 0 ならば,{fn }∞
n=1 は f に測度収束することを示せ.
[6-3] (1) lim
n→∞
X
(2)∗ µ(X) < ∞ であるとき,{fn }∞
n=1 が f に測度収束するための必要十分条件は
∫
lim
(|fn − f | ∧ 1) dµ = 0
n→∞
X
であることを示せ.ただしここで a ∧ b = min{a, b} である.
[6-4] (1) 実数値の 2 重数列 {an,k }n∈N,
k∈N
が
(∞
∞
∑
∑
n=1
(
∞
∞
∑
∑
n=1
)
|an,k |
< ∞ を満たしている.このとき
k=1
)
an,k
k=1
=
(∞
∞
∑
∑
k=1
)
an,k
(⋆)
n=1
が(両辺が有限値であることも込めて)成り立つことを示せ.
(Hint: すべての n, k で an,k ≥ 0 のときは,系 4.2 より成り立つ.そこで…)
(2) 無条件では (⋆) が成立するとは限らない.(⋆) の両辺は有限値で意味を持つが等式が成立しな
いような {an,k }n∈N,
k∈N
の具体例を挙げよ.
[6-5](時間が余った人向け)測度空間 (X, M, µ) 上の有界な非負可測関数 f に対し,ある定数 A > 0,
α < 1 が存在して
∀
ε > 0,
µ({x ∈ X | f (x) > ε}) ≤ A/εα
が成り立つならば,f は µ 可積分であることを示せ.
以上