コカ・コーラ2社が統合へ向け協議開始

NEWS RELEASE
2016年4月27日
コカ・コーラ2社が統合へ向け協議開始—格付への影響は限定的
コカ・コーライーストジャパン(証券コード:2580、発行体格付=A+)とコカ・コーラウエスト(2579、
A+)は、26 日、経営統合に関する協議・検討を進めていく基本合意書を締結したと発表した。経営統合
の形態や方法、統合時期などは決まっておらず、統合準備委員会での協議・検討を経て最終契約締結ま
でに決定する予定だ。
両社の経営統合が実現すれば、コカ・コーラブランド製品の国内販売数量の 9 割近くを占める世界有
数のボトラーが誕生する。営業エリアの異なる 2 社は補完関係を構築しやすく、サプライチェーン分野
での生産性向上や仕入れ・販売面における価格交渉力の強化などが見込める。清涼飲料各社間の販売競
争が激化するなか、今回の統合に向けた協議・検討の開始は一定の評価ができると R&I は考えている。
コカ・コーラシステムの中核の米ザ コカ・コーラ カンパニーも、経営統合に関する協議・検討の開
始に賛同を表明し、両社の基本合意書締結に参加している。両社の格付には、国内コカ・コーラシステ
ム内における極めて高い地位を既に強く反映させている。新会社のシステム内での重要性はより高まる
とみているが、その場合でも現行の評価を見直す必要はないと考えている。
両社の収益力は A ゾーン上位の加工食品メーカーとして見劣りするだけに、経営統合が実現して収益
力が回復軌道に乗れば、現在の格付を下支えする要因になる。逆に統合が実現せず、個社の経営努力だ
けでは収益力を回復できない場合には、格付に下押し圧力が強まる可能性が高まっていく。経営統合に
向けた協議・検討の行方を見守る。
主任格付アナリスト:安田 稔
格付アナリスト:田中 誠至
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