イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.125を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 125
(対象期間:2016年3月8日*~2016年3月18日) * 7日は祝日のため休場。
インドの金融市場では、インド準備銀行(RBI、中央銀行)による早期の追加利下げ観測を背景に、株高と債券高が続きました。
代表的株価指数のSENSEX指数は対象期間中に1.2%上昇し、月初来では8.5%の大幅高となりました。インド10年国債利回り
は、昨年10月以来の水準に低下(価格は上昇)しました。為替市場では、インド株式市場への資金流入が続く中、米連邦公開
市場委員会(FOMC)の声明を受けた米ドル安の進行も加わって、対象期間でみると対米ドルでインドルピー高となりましたが、
対円ではルピー安でした。追加利下げ観測については、ニュース欄をご参照ください。
[株式市場]SENSEX指数の推移
[株式市場]
RBIによる追加利下げ観測を背景に、3月に入って海外からインド
株式市場への資金流入が続いています。外国ポートフォリオ投資
家(FPI)によるインド株式の売買動向を見ると、2月は11.7億米ド
ルの売越しでしたが、3月は17日までに19.1億米ドルの買越しと
なっています
なっています。
(2002年12月31日~2016年3月18日)
週間騰落率
日付
終値
(前週末比)
(ポイント)
3月4日 24,646.48
40,000
3月11日 24,717.99
24 717 99
0 3%
0.3%
3月18日 24,952.74
0.9%
[債券市場]
30,000
インド10年国債利回りは、物価上昇率が市場予想以上に鈍化した
ことで追加利下げ観測が一段と強まる中、3月4日の7.64%から18
日の7.52%に低下(価格は上昇)しました。RBIが3月17日に額面
1,441億ルピーの国債買入を行なったことも、サポート材料でした。
20,000
10,000
[為替市場]
0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
3月15、16日のFOMCでは今年の利上げペースの見通しが従来の
年
年4回から2回に引き下げられました。これを受けて、米ドル安が
き げ れま た
れを受
米ド 安が
進行し、対米ドルでは対象期間中に0.9%のインドルピー高となり
ました。一方、対円では、円が米ドルに対して大幅に上昇したこと
から、1.1%のルピー安となりました。
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年3月18日)
10%
日付
利回り
3月4日
3月11日
3月18日
7.64%
7.63%
7.52%
変化幅
(前週末比)
-0.01%
-0.11%
[ニュース]
物価上昇率鈍化で、追加利下げ観測一段と強まる
9%
8%
7%
金融
6%
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2016年3月18日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
為替レート
3月4日
3月11日
3月18日
1.693
1.696
1.674
週間騰落率
(前週末比)
0.2%
-1.3%
3月14日に発表された2月の消費者物価指数(CPI)上
昇率は前年同月比+5 18%と 1月の同+5 69%から大
昇率は前年同月比+5.18%と、1月の同+5.69%から大
幅に鈍化するとともに、市場予想の同+5.52%も下回り
ました。RBIは、政策金利を2015年1月から9月までに
8.00%から6.75%に段階的に引き下げた後に据え置く
一方、2月2日の金融政策決定会合後の声明文では、
財政規律の維持が追加利下げの条件になるとの考え
を示しました。政府が2月29日に発表した予算案で財政
赤字削減目標を堅持したことから、追加利下げ観測が
強まっていましたが、CPI上昇率の予想以上の鈍化は
追加利下げ観測をさらに強めることとなりました
追加利下げ観測をさらに強めることとなりました。
ローマ法王庁、マザー・テレサを「聖人」に
2.5
社会
2.0
15
1.5
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
ローマ法王庁は3月15日、貧民救済活動をインドのコル
カタ(カルカッタ)から世界に広げたマザー・テレサを命
日の前日である9月4日に聖人に列すると発表しまし
た。カトリック教会で最高の崇敬対象とされる聖人に認
定されるには死後数百年を要することもあり、1997年に
死去したマザー・テレサの聖人認定は異例の早さと報じ
られています。1910年に現在のマケドニアで生まれたマ
ザー・テレサは、1931年にインドに移りコルカタの高校
教師を務めた後、1948年から屋外教室など貧民救済活
動を始めました。この活動は世界に広がり、マザー・テ
レサは1979年にノーベル平和賞を受賞しました。
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.125(対象期間:2016年3月8日~2016年3月18日)
[インド基礎講座] モディ首相、IMFとの共催会議で講演:「変革のための改革」を休みなく続ける
インド政府は3月11日から13日までデリーで、国際通貨基金(IMF)との共同会議「発展するアジア:未来への投資」を開催しました。ラガルド
IMF専務理事は12日の講演で、インドが「メイク・イン・インディア(インドでものづくりを)」などの改革を進めて高い経済成長率を達成している
ことを称賛する一方、世界経済が混迷する中で民間投資の促進やインフラの整備など一段の構造改革が必要との認識を示しました(図表
1) インドのモディ首相は同日の講演で 7%台の高い成長率やインフレ鈍化 多くのセクタ の外資への開放など これまでのマクロ経済運
1)。インドのモディ首相は同日の講演で、7%台の高い成長率やインフレ鈍化、多くのセクターの外資への開放など、これまでのマクロ経済運
営に自負を示す一方、「変革のための改革」を休むことなく続けるとの決意を示し、ラガルド専務理事の要請に応える恰好となりました(図表
2)。また、「強いインド経済がアジア全体の繁栄と発展につながる」と述べて、近隣諸国の犠牲により自国の経済繁栄を求める考えがないこ
とを強調しました。
(図表1)ラガルドIMF専務理事講演のポイント
インド経済
アジア経済
経済政策
IMF改革
(図表2)モディ首相講演のポイント
・主要国の中で最も高い経済成長率。
・変革の好機。
・メイク・イン・インディア(インドの製造業振興策)な
ど、改革は既に進んでいる。さらなる改革の実施に
より、インドの存在感はより増す。
・アジア経済は世界の40%を占めており、今後4年
間に世界経済の成長の3分の2近くを生み出す。
・アジア経済は「奇跡」を起こし、貧困は減少、教育
や健康など生活水準は向上した。
・金融市場の大幅変動など世界経済が多くの課題
を抱える中、経済政策のカギとなるのは、競争力と
成長を向上させ、雇用を拡大する構造改革である。
・具体例を挙げると、インドでは民間投資の促進や
インフラの整備が必要。
・IMFの出資比率変更により、インドは(アジア諸国
の中では)日本や中国に続き、出資比率上位10ヵ
国に入った。
これまでの
マクロ経済
政策
これからの
マクロ経済
政策
経済上の
対外関係
民主政治
IMF改革
・2015年度*は、7.6%**の経済成長を達成見込み。
・インフレ鈍化、財政再建、経常赤字縮小、外貨準
備高積み増しなど、マクロ経済の安定を達成。
・多くのセクターを外資に開放。
・「変革のための改革」を休むことなく続ける。
・来年度予算案では、農業振興のほか、道路や鉄道
建設などインフラ投資に重点を置く。
・新興企業立ち上げ支援を強化。
・強いインド経済が、アジア全体の繁栄と発展につな
がる。「近隣窮乏化政策」(貿易相手国に、失業を押
し付けるような政策)は取らない。
インドは、民主政治の中で高経済成長率を実現。
・インドは、民主政治の中で高経済成長率を実現。
・民主政治は、植民地として与えられたものではな
く、インド自身が数世紀前に作り出したもの。
・新興国の出資比率は引き上げられたが、未だに世
界経済の現状を反映しておらず、今後の改革に強く
期待。
* 2015年4月~2016年3月。
** インド政府が2月8日に発表した実質GDP成長率予想。
出所:国際通貨基金(IMF)の講演録に基づき、イーストスプリング・インベストメンツ作成。
出所:インド首相事務局の講演録に基づき、イーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,215億ルピー(インドにおけ
るシェア約12.8%、2015年10-12月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
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あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
ありま
。当資料 使用
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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