ご参考資料 Vol. 139 (対象期間:2016年9月26日~2016年10月7日) インドの株式市場では、代表的株価指数のSENSEX指数が対象期間中に2.1%下落しましたが、ボンベイ中型株指数は1.6% 高、同小型株指数は2.0%高となり、ともに史上最高値を更新しました。10年国債利回りは、インド準備銀行(RBI、中央銀行)の 追加利下げを受けて低下(価格は上昇)しました。為替市場では、大幅な円安インドルピー高となりました。インド軍がパキスタ ン実効支配地域のテロリストを攻撃したと発表した9月29日には株、債券、通貨のトリプル安となりましたが、下げは一時的でし た。RBIの金融政策については2ページ目の基礎講座、パキスタンとの関係についてはニュース欄をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] (2002年12月31日~2016年10月7日) 週間騰落率 日付 終値 (前週末比) (ポイント) 9月23日 28,668.22 40,000 9月30日 27,865.96 -2.8% 10月7日 28,061.14 0.7% 株式市場では中小型株の上昇が目立ちました。対象期間中の上 昇銘柄は、SENSEX指数が30銘柄中9銘柄であったのに対して、ボ ンベイ中型株指数は84銘柄中49銘柄、同小型株指数は782銘柄中 411銘柄でした。SENSEX指数は2月11日に付けた年初来安値から 10月7日までに22.3%上昇し、同期間にボンベイ中型株指数は 39.7%、同小型株指数は34.9%上昇しています。 30,000 [債券市場] インド10年国債利回りは、RBIの追加利下げを受けて低下しまし た。インド軍によるテロリスト攻撃の発表を受けて利回りが上昇(価 格は下落)した9月29日には、国営銀行による大量の買いが入って 相場を支えました。同日の国営銀行による国債の買越し額は1,692 億ルピー(約2,600億円)で、1日の買越し額としては統計をさかの ぼることができる2006年以降で最大となりました。 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場] [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2016年10月7日) 日付 利回り 9月23日 9月30日 10月7日 6.80% 6.82% 6.74% 10月3日と5日に発表された9月の米サプライマネジメント協会 (ISM)製造業景況感指数と同非製造業景況感指数が予想を上 回って改善したことなどを受けて円安米ドル高が進む中、対象期間 中に2.8%の大幅な円安インドルピー高となりました。対米ドルで は、0.1%の小幅なルピー安でした。 変化幅 (前週末比) 0.02% -0.08% [ニュース] 10% 印パ関係、一段の悪化の可能性は低い 9% 8% 7% 6% 政治 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2016年10月7日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 9月23日 9月30日 10月7日 1.511 1.519 1.554 週間騰落率 (前週末比) 0.5% 2.3% インドは主要国中、最も高い成長率を続ける見通し 2.5 2.0 1.5 インド軍は9月29日、隣国パキスタンの実効支配地にあ るテロリストの基地を攻撃したと発表しました。18日にイ ンド軍が襲撃を受けたことに対する報復措置です。インド 軍は18日の襲撃がパキスタン政府とつながりのある過激 派組織によるものとしていますが、パキスタン政府は襲 撃犯との関係を否定しています。攻撃発表を受けて、イ ンド金融市場では株、債券、通貨のトリプル安となりまし たが、両国の紛争が大きく発展する可能性は低いとの見 方が大勢で、下げは一時的でした。メディアは、インド側 が条約の破棄など関係を一段と悪化させるような措置は 考えておらず、パキスタン側も経済発展に重きを置くため に平和を望んでいる、と報じています。 経済 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 国際通貨基金(IMF)は10月4日、「世界経済見通し」を発 表しました。インド経済については、主要国の中で最も高 い成長を続けるという見方は従来通りです。さらに、今回 は2016年度(2016年4月~2017年3月)と2017年度の実質 国内総生産(GDP)成長率見通しを7月時点の予想からそ れぞれ0.2%ずつ引き上げてともに7.6%としました。政府 が来年4月の導入を目指す物品・サービス税(GST)など の構造改革を評価する一方、発電能力の増強や若年層 の多い人口構成を最大限に生かすための労働市場改革 など、一段の改革が必要だと指摘しています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.139(対象期間:2016年9月26日~2016年10月7日) [インド基礎講座] RBI:新総裁就任と合議制導入後の初会合で、追加利下げ決定 RBIは10月4日の金融政策決定会合で、政策金利を6.50%から6.25%に引き下げることを決めました。RBIは消費者物価指数(CPI)上昇率が 鈍化する中で、政策金利を昨年1月の8.00%から今年4月までに5回にわたって6.50%まで引き下げましたが、その後は据え置いていました (図表1)。今回の金融政策決定会合は、9月4日のパテル総裁就任後、かつ、合議制導入後初めての会合であり、追加利下げが全会一致で 決定されました。政策金利の決定はこれまで総裁の専権事項でしたが、今回からRBIの3委員と政府指名の3委員で構成される金融政策評 議会による合議制に変更されました。政府が9月22日に指名した3委員はすべてエコノミストで、金融政策立案の経験者も含まれます(図表 2)。インドの金融政策にはインフレ目標や合議制など、日米をはじめとする先進国の中央銀行と同様の体制が整えられたことになります。 (図表1)政策金利とCPI上昇率(前年同月比)の推移 (2013年10月~2016年10月、ただしCPI上昇率は8月まで) 12% (図表2)金融政策評議会の構成メンバー 決定は過半数により、賛否同数の場合は総裁が決裁する。 氏名 政策金利 CPI上昇率 11% 職業 ウルジット・パテル RBI総裁 10% エール大経済学博 士、前RBI副総裁 RBI副総裁 RBI ラーマ・ガンディー (金融政策等担当) 委員 9% 8% 16年10月 6.25% 7% 6% 政府 指名 委員 16年8月 5.05% (速報値) 5% 4% 3% 13年10月 略歴 マイケル・パトラ RBI理事 (金融政策担当) チェタン・ガハテ インド統計大学 教授 RBIインフレ目標 諮問委員会委員 パミ・ドゥア デリー大学教授 ロンドン大経済学 博士 インド経営大学院 教授 RBI産業経済委員 会委員長 ラビンドラ・ドラキア 14年10月 15年10月 16年10月 出所:インド準備銀行のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 (9/21現在) 出所:各種報道に基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2016年3月末現在、総資産は約7兆2,069億ル ピー(約12兆2,301億円、1ルピー=1.697円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆9,329億ルピー(インド におけ るシェア約13.4%、2016年4-6月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではあり ません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ず しもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいた ものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 161013(02)
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