イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.131を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 131
(対象期間:2016年6月6日~2016年6月17日)
インド経済に対する信頼からインドの株式市場への海外投資家の資金流入が続きました。代表的株価指数であるSENSEX指数
は年初来高値を更新した後、英国の欧州連合(EU)離脱に対する警戒感から世界的な株安となる中、対象期間では0.8%の小
幅安となりました。一方、小型株のパフォーマンスは良好で、ボンベイ小型株指数は対象期間中に2.6%上昇しました。インド10
年国債利回りは、ほぼ横ばいでした。為替市場では、円高が急速に進む中で対円ではインドルピー安となりましたが、対米ドル
ではルピー高でした。
[株式市場]
[株式市場]SENSEX指数の推移
外国ポートフォリオ投資家(FPI)によるインド株式の売買動向を見
ると、2月末にインド政府が財政赤字目標を堅持した予算案を発表
した後、3月以降は買越し基調が続いています。5月25日から6月
13日にかけては2014年11月以来の14日連続買越しとなり、その額
は10 2億米ドル(約1 060億円)に達しました
は10.2億米ドル(約1,060億円)に達しました。
(2002年12月31日~2016年6月17日)
週間騰落率
日付
終値
(ポイント)
(前週末比)
40,000
6月3日 26,843.03
6月10日
月
26,635.75
-0.8%
30,000
6月17日 26,625.91
-0.0%
[債券市場]
インド10年国債利回りは、2013年7月以来の低水準で推移してい
ます。対象期間中は、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が市場
予想を上回って追加利下げ観測が後退する中で、3月最終週以来
の7.5%越えとなりましたが、対象期間を通して見ると利回りはほぼ
変わらずとなりました。
20,000
10,000
0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]
英国のEU離脱に対する警戒感が強まって 時1米ドル=103円台
英国のEU離脱に対する警戒感が強まって一時1米ドル=103円台
半ばまで円高が進む中、インドルピーは対象期間中に対円で
4.0%安となりました。対米ドルでは、海外投資家によるインド株式
の買越しなどを背景に0.3%の小幅ルピー高となりました。
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年6月17日)
10%
日付
利回り
6月3日
6月10日
6月17日
7.49%
7.49%
7.50%
変化幅
(前週末比)
0.00%
0.01%
[ニュース]
CPI上昇率、2ヵ月連続で市場予想を上回る
9%
8%
7%
経済
6%
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2016年6月17日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
6月3日
6月10日
6月17日
為替レート
1.618
1.598
1.554
週間騰落率
(前週末比)
-1.2%
-2.8%
政策金利据え置くも、緩和スタンスは継続
2.5
金融
2.0
1.5
6月13日に発表された5月のCPI上昇率は前年同月比
+5.76%と、4月の同+5.47%から加速し、2ヵ月連続で市
場予想を上回りました。野菜価格の上昇などで、飲食品
場予
を 回り
。野菜価格
昇
、飲食品
のCPI上昇率が前年同月比+7.20%と、4月の同+6.29%
を大きく上回ったことが全体のCPI上昇率を押し上げまし
た。インドのCPI上昇率は、2013年11月には前年同月比
+11%を超えていましたが、2014年9月以降は金融政策
の効果や原油安などで大幅に鈍化し、2016年1月までの
目標である6%を下回る水準で推移しています。2017年3
月の目標は5%で、物価の先行きには食品価格を大きく
左右するモンスーン期(6月から9月にかけての雨季)の
降水量などが焦点となります。
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は6月7日の金融政策
決定会合で、政策金利を6.50%に据え置きました。RBI
は、CPI上昇率が鈍化する中、昨年1月から9月まで4回
にわたって政策金利を8.00%から6.75%まで引き下げま
した。その後は据え置いていましたが、2月末に発表され
た政府予算案で財政赤字目標が堅持されたことを受け
て、4月5日の会合では6.50%に引き下げました。4月に
続いて5月のCPI上昇率も市場予想を上回 たことなど
続いて5月のCPI上昇率も市場予想を上回ったことなど
から、RBIは当面様子見の姿勢を続けると見られていま
す。しかし、RBIは6月7日の会合後の声明文で「先行き
が不透明な中では据え置きを続けるが、金融政策のス
タンスは依然として緩和的である」と述べており、物価動
向次第では追加利下げに踏み切る可能性もあります。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.131(対象期間:2016年6月6日~2016年6月17日)
[インド基礎講座] モディ首相、訪米:米議会演説で、米印の強い関係が世界の平和と繁栄につながると強調
インドのモディ首相は米国を訪問し、6月7日にオバマ大統領と会談した後、8日に米議会の上下両院合同会議で演説を行いました。米政府
は、モディ氏が州首相時代に宗教暴動を黙認したとして2005年に渡航ビザの発給を拒否しましたが、2014年の総選挙で同氏が率いるイン
ド人民党が単独過半数を制してモディ氏が首相に就任した後は関係を強化しています。オバマ大統領は2015年1月に米大統領としては初
めて任期中2度目の訪印を果たす 方 モディ首相は数度にわたって米国を訪問しています(図表1) モディ首相は米議会における演説
めて任期中2度目の訪印を果たす一方、モディ首相は数度にわたって米国を訪問しています(図表1)。モディ首相は米議会における演説
で、インドと米国が自由と平等という民主主義の理念を共有していることを前面に出すとともに、インドと米国の強いパートナーシップが世界
の平和と繁栄につながると強調しました(図表2)。
(図表1)モディ政権(2014年5月~)での印米首脳往来
年月
主な出来事
2014年9月
モディ首相訪米。オバマ大統領は、同首相率い
るインド人民党の総選挙圧勝について「最大の
民主選挙での歴史的勝利」と称賛。
2015年1月
オバマ大統領、インド「共和国記念日」の主賓と
して訪印。米大統領として初めて任期中2度目の
訪印。
2015年9月
(図表2)モディ首相米議会演説のポイント
項目
主な発言
民主政治
世界最大の民主国家の代表として、歴史ある民
主国家の指導者を前に演説することは 大変名
主国家の指導者を前に演説することは、大変名
誉なことである。
政治思想
インドのガンディーや米国のキング牧師など、両
国の思想家はお互いに大きな影響を与え合い、
社会の変革を担ってきた。
国民の夢
米国の強みは、国民が夢を持てることだと思う。
インドでは、8億人の若者が夢の実現に向けて
進めるように、さまざまな政策を打っている。
世界貢献
インドと米国の強固なパートナーシップは、アジ
アからアフリカ、インド洋から太平洋に平和、繁
栄、安定をもたらす。両国民のためだけではなく、
世界全体のより良い未来のために協働していく。
モディ首相訪米。オバマ大統領など国連総会に
集まった各国首脳と会談。西海岸のフェイスブッ
クなどを訪問。
2016年3~4月
モディ首相、核安全保障サミットに出席するため
訪米。
2016年6月
モディ首相訪米。オバマ大統領と会談し、インド
首相としては2005年以来となる米議会上下両院
合同会議で演説。
出所:上記の図表はいずれも、インド首相事務局、インド外務省の資料と各種報道に基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,588億ルピー(インドにおけ
るシェア約13.0%、2016年1-3月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
り修
りする
あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
ありま
。当資料 使用
るグラ 、
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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