ご参考資料 Vol. 118 (対象期間:2015年11月16日~2015年11月27日) 米国の利上げペースが緩やかなものになるとの見通しやインドで懸案の物品・サービス税(GST)関連法案が成立に向かうとの 期待等から、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は、対象期間を通してみると2.0%高となりました。中小型株は一段と 上昇し、ボンベイ中型株指数と同小型株指数はそれぞれ3.1%と3.8%上昇しました。ただし、米国の年内利上げ観測からインド 10年国債利回りは上昇(価格は下落)し、為替市場では対円、対米ドルともにインドルピー安となりました。GST導入は税制の簡 素化、物流の促進に繋がるため期待が高まっています。GSTをめぐる政治情勢については、ニュース欄をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] (2002年12月31日~2015年11月27日) 個別銘柄では、インドガス公社がカタールの供給元会社との交渉 により、原材料価格の低下と売上高の増加が見込まれることから、 対象期間中に+30.5%と急騰し、SENSEX指数構成銘柄の中で値上 がり率トップとなりました。 (ポイント) 40,000 30,000 週間騰落率 日付 終値 (前週末比) 11月13日 25,610.53 11月20日 月 日 25,868.49 1.0% 11月27日 26,128.20 1.0% [債券市場] インド10年国債利回りは、政府の諮問会議による国家公務員給与 の大幅引き上げ勧告を受けて、財政赤字削減計画に支障が出ると の懸念から小幅に上昇(価格は下落)しました。国家公務員給与引 き上げ勧告とインドの財政については、2ページ目の基礎講座をご 参照ください。 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2015年11月27日) 10% 日付 利回り 11月13日 11月20日 11月27日 7.65% 7.70% 7.77% 変化幅 (前週末比) 0.05% 0.07% [為替市場] 12月の米国の利上げ懸念から海外投資家によるインドの株式、債 券の売りが続いた模様です 外国ポ トフ リオ投資家(FPI)はイ 券の売りが続いた模様です。外国ポートフォリオ投資家(FPI)はイ ンドの株式と債券を11月にそれぞれ約11.5億米ドルと約5.5億米ド ル売り越しています。このような状況下で、為替市場は、対象期間 中に対円、対米ドルともに0.9%のインドルピー安となりました。 [ニュース] モディ首相、GST成立に向けて野党幹部と会談 9% 8% 7% 6% 政治 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2015年11月27日) ( 年 月 日 年 月 日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 11月13日 11月20日 11月27日 1.854 1.856 1.837 週間騰落率 (前週末比) 0.1% -1.0% インドでは、11月26日に冬季国会が始まりました。8月に 終了した夏季国会(モンスーン国会)では、スワラジ外相 の汚職疑惑と野党からの辞任要求で審議が滞り 重要 の汚職疑惑と野党からの辞任要求で審議が滞り、重要 法案が成立しませんでした。今回の会期直前に発表さ れた世論調査では、回答者の92%が国会の審議停滞が 経済に悪影響を与えていると答えるなど、政治に対する 国民の不満が高まっています。モディ首相は野党国民 会議派のソニア・ガンディー総裁とシン前首相に面会し、 懸案のGSTについて妥協点を探る動きを見せ始めまし た。政府は国民会議派との協議を継続するとしており、 重要な構造改革の一角を占めるGST関連法案の成立に 向けて 今後の動きが注目されます 向けて、今後の動きが注目されます。 インドのインターネット利用者数、世界第2位に 2.5 2.0 経済 15 1.5 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 インド・インターネット・モバイル協会は11月17日、インド のインターネット利用者数が12月にも米国を抜いて中国 に次ぐ世界第2位になるとの見通しを発表しました。ス マートフォンと通信サービスの価格低下による利用者増 が背景にあります。世界銀行によれば、インドのインター ネット普及率は2009年の5.1%から2014年には18.0%と 急速に拡大していますが、中国の49.3%(2014年)などと 比べると未だ低水準です フ イスブックは23日 インド 比べると未だ低水準です。フェイスブックは23日、インド の通信サービス会社リライアンス・コミュニケーションズ の利用者向けに今年2月から提供しているインターネット の無料サービスをこれまでの6州からインド全土に拡大 すると発表しました。インドのインターネット普及は、今後 も進展していくと考えられます。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.118(対象期間:2015年11月16日~2015年11月27日) [インド基礎講座] 財政赤字削減計画: 国家公務員給与等の大幅引き上げ勧告で、政府目標の達成を危ぶむ声も インド政府の諮問会議は11月19日、国家公務員の給与、手当、年金を合わせて来年1月から23.55%引き上げる勧告を出しました。給与等 の増額は来年度(2016年4月~2017年3月)で1兆210億ルピー(約1兆9,000億円)、国内総生産(GDP)比で0.65%に上る見込みです。インド の財政赤字は対GDP比で2011/12年度の5 8%から縮小を続けていますが 政府は2016/17年度に3 5% 2017/18年度に3 0%と一段の削 の財政赤字は対GDP比で2011/12年度の5.8%から縮小を続けていますが、政府は2016/17年度に3.5%、2017/18年度に3.0%と 段の削 減を進める計画です(図表1)。格付会社からは、国家公務員給与等が勧告通りに引き上げられれば、財政赤字削減目標の達成が難しくな るとの指摘もあります。しかしながら、シンハ財務担当国務相は「勧告通りに(国家公務員の給与等を)引き上げても、財政赤字の削減は計 画通りに進めることができる」と自信を見せています。また、公務員給与の引上げが需要喚起につながり、国内消費にプラスに働くとの見 方もあります。 (図表1)インド中央政府財政赤字(対GDP比)の推移 (2010/11年度~2017/18年度*) 5 8% 5.8% 6% 政府目標 4.9% 5% 4.4% 4.8% 4.1% 3.9% 4% 3.5% 3.0% 3% 2% 2010/ 11年度 2011/ 12年度 2012/ 13年度 2013/ 14年度 2014/ 15年度 2015/ 16年度 2016/ 17年度 2017/ 18年度 * 年度は、4月から3月まで。例えば、2010/11年度は、2010年4月から2011年3月まで。 出所:世界銀行「インド開発アップデート」(2015年10月)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2014年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2014年 12月末現在、約4,960億ポンド(約92兆円、1ポンド=187.03円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億 す 弁 展 す 銀 、 、 月 、 資産 約 , ルピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2015年6月末現在、運用資産総額は約1兆5,552億 ルピー(インドにおけるシェア約12.7%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 151202(03)
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