イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.129を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 129
(対象期間:2016年5月9日~2016年5月20日)
破産法の上院での可決や国政与党インド人民党の地方選挙での躍進などの好材料と、市場予想を上回る物価上昇や米国の
早期追加利上げ観測などの悪材料が入り混じる中、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は対象期間中に0.3%高とな
早期追
利 げ観測な
悪材料 入り混 る中、
代表 株価指数 ある
指数 対象期間中
高 な
り、インド10年国債利回りは小幅に上昇(価格は下落)しました。為替市場では、対米ドルでインドルピー安、対円ではルピー高
となりました。破産法については2ページ目の基礎講座、地方選挙と物価動向についてはニュース欄をご参照ください。
[株式市場]SENSEX指数の推移
[株式市場]
(2002年12月31日~2016年5月20日)
個別銘柄では、塗料メーカーのアジアン・ペインツが対象期間中に
7.6%上昇して、SENSEX指数構成銘柄の中で値上がり率トップと
なりました。5月11日に発表された同社の1-3月期業績は、売上高
が前年同期比12.3%増、純利益が同19.9%増でした。
(ポイント)
40,000
30 000
30,000
週間騰落率
日付
終値
(前週末比)
5月6日 25,228.50
5月13日 25,489.57
25 489 57
1 0%
1.0%
5月20日 25,301.90
-0.7%
[債券市場]
インド10年国債利回りは3月末以降、2013年7月以来の低水準圏
である7.5%割れで推移し、対象期間中も7.4%台の動きでしたが、
5月12日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)上昇率が市場
予想を上回ったことから、インド準備銀行(RBI、中央銀行)による
追加利下げ観測が後退して小幅に上昇(価格は下落)しました。
20,000
10,000
0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]
5月18日に発表された4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議
事録を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月にも追加利上
げに踏み切るとの見方が強まり米ドル高が進む中、インドルピー
は対象期間中に対米ドルで1.3%安となりましたが、円安が急速に
進んだため、対円では1.7%のルピー高となりました。
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年5月20日)
10%
日付
利回り
5月6日
5月13日
5月20日
7.43%
7.45%
7.48%
変化幅
(前週末比)
0.02%
0.03%
[ニュース]
物価上昇率、4月の加速は一時的か
9%
8%
7%
6%
経済
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2016年5月20日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
為替レート
5月6日
5月13日
5月20日
1.607
1.630
1.635
週間騰落率
(前週末比)
1.4%
0.3%
国政与党インド人民党、地方選挙で躍進
2.5
2.0
1.5
4 月 の CPI 上 昇 率 は 前 年 同 月 比 +5.39 % と 、 3 月 の 同
+4.83%から加速しました。インドのCPI上昇率は、2013
年11月には前年同月比+11%を超えていましたが、金融
政策の効果や原油安などで大幅に鈍化し、2014年9月
以降は20ヵ月連続で6%を下回る水準で推移していま
す。4月のCPI上昇率が市場予想以上であったことなど
から、RBIによる追加利下げ観測が後退し、CPI発表の
翌13日は株安、債券安となりました。しかし、RBIのラ
ジャン総裁は13日、平年を上回る見通しであるモンスー
ン期(6月から9月にかけての雨季)の降水量が食料品の
増産につながり、インフレ抑制に働くとの見通しを示しま
した。
政治
円高インドルピ 安
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
インドの国政与党インド人民党(BJP)は、4~5月に投
票、5月19日に一斉開票された地方議会選挙で躍進しま
した。北東部アッサム州ではBJP率いる政党連合が126
議席中87議席を獲得し、政権を奪回しました。前回2011
年の選挙で議席のなかった西ベンガル州では3議席、ケ
ララ州では初めて1議席を獲得しました。タミルナド州と
政府直轄地のポンディシェリでは議席の獲得はありませ
んでしたが、得票率を伸ばしました。BJPは2014年の総
選挙で勝利して政権の座に就いた後、同年10月に行わ
れたムンバイのあるマハラシュトラ州など2州の議会選
挙では勝利しましたが、昨年2月のデリー首都圏と10~
11月のビハール州の議会選挙で敗れていました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.129(対象期間:2016年5月9日~2016年5月20日)
[インド基礎講座] 「破産法」成立へ:破産処理の短期化による企業の新陳代謝で、経済の活性化を図る
インドの上院は5月11日、モディ政権が構造改革の一環として成立を目指してきた破産法を可決しました。下院では既に可決されており、大
統領の署名を経て施行されます。インドでは破産に関する複数の法律が存在するため、世界銀行によれば、破産処理に4.3年という主要新
興国の中でも長い年数を要しています(図表1)。破産法の成立により関連法を一本化し、破産処理の短期化を図ります。新法は債務不履
行の処理に180日間の期限を設け 延長は90日間としました また 破産法は銀行の不良債権問題の解決に向けた政策の 環でもありま
行の処理に180日間の期限を設け、延長は90日間としました。また、破産法は銀行の不良債権問題の解決に向けた政策の一環でもありま
す。銀行の不良債権比率は2009年の2.2%から上昇基調が続いています(図表2)。破産法は、破産処理の短期化により企業の新陳代謝を
促すと共に、不良債権の削減により経済の活性化を図ることが期待されます。
(図表2)インドにおける銀行の不良債権比率*
(2005年~2015年)
(図表1)破産処理に要する平均年数
6%
インド
5.2%
4.3年
5%
ブラジル
4.0年
ロシア
4.0%
4%
2.0年
インドネシア
1.7年
米国
1年
2.2%
2.4%
2.7%
1%
* 不稼働貸付金の総貸付金に対する割合。
0.6年
0年
2.4%
2%
1.5年
日本
3.4%
2.7%
3%
1.9年
中国
3.5%
4.3% 4.2%
2年
3年
4年
0%
2005年
5年
出所:世界銀行「ビジネス環境ランキング2016年版」(2015年10月)のデータに基づき
イーストスプリング・インベストメンツ作成。
2007年
2009年
2011年
2013年
2015年
出所:世界銀行「世界データバンク」のデータに基づきイーストスプリング・インベストメン
ツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,215億ルピー(インドにおけ
るシェア約12.8%、2015年10-12月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
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あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
ありま
。当資料 使用
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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