イーストスプリング・インド・バイウィークリー Vol.130を発行しました。 (PDF)

ご参考資料
Vol. 130
(対象期間:2016年5月23日~2016年6月3日)
インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は、1-3月期の好調な企業業績と市場予想を超える経済成長率が発表される中、
対象期間中に6.1%の大幅高となり、年初来高値を更新しました。今年9月に任期切れとなるインド準備銀行(RBI、中央銀行)の
ラジャン総裁は再任を望んでいないという報道がありましたが、金融市場への影響は限定的で、インド10年国債利回りはほぼ
変わらずとなり、インドルピーは海外から株式市場への資金流入を背景に対米ドルで上昇しました。企業業績とラジャン総裁に
関する報道についてはニュース欄、経済成長率については2ページ目の基礎講座をご参照ください。
[株式市場]SENSEX指数の推移
[株式市場]
個別銘柄では、自動車メーカーのタタ・モーターズとエンジニアリン
グ・建設会社のラーセン&トゥブロが期間中にそれぞれ値上がり率
が+18.0%、+16.2%となるなど、好業績銘柄の急騰が目立ちまし
た。
(2002年12月31日~2016年6月3日)
(ポイント)
40,000
30,000
週間騰落率
日付
終値
(前週末比)
5月20日 25,301.90
5月27日 26,653.60
26 653 60
5 3%
5.3%
6月3日 26,843.03
0.7%
[債券市場]
インド10年国債利回りは、対象期間中に狭いレンジ内で推移しまし
た。ラジャンRBI総裁が再任を望まないという報道を受けて上昇(価
格は下落)したものの、上昇幅はわずかに留まりました。
20,000
[為替市場]
10,000
海外からインド株式市場への資金流入を背景に、インドルピーは
対象期間中に対米ドルで0.2%上昇しました。ラジャンRBI総裁が再
任を望まないという報道の影響は限定的でした。対円では、円高
が進行する中で、対象期間中に1.0%のルピー安となりました。
0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年6月3日)
日付
5月20日
5月27日
6月3日
利回り
7.48%
7.47%
7.49%
[ニュース]
変化幅
(前週末比)
-0.01%
0.02%
好業績発表で株価が急騰する銘柄も
10%
9%
8%
企業
業績
7%
6%
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日 2016年6月3日)
(2002年12月31日~2016年6月3日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
為替レート
5月20日
5月27日
6月3日
1.635
1.635
1.618
週間騰落率
(前週末比)
0.0%
-1.0%
RBI総裁再任望まない意向も影響は限定的
2.5
金融
2.0
1.5
SENSEX指数を構成する30社は、1-3月期の業績発表を
終えました。ブルームバーグによれば、純利益は30社中
16社が市場予想を上回るか予想と一致しました。ラーセ
ン&トゥブロは、純利益が前年同期比18.6%増と市場予
想を上回ったことに加えて、海外でのインフラ・プロジェ
クト増加により、今年度(2016年4月~2017年3月)の売
上高が2013年以来の伸びになるとの見通しが好感され
て、株価は業績発表翌日の5月26日に前日比14.0%と
急騰しました。タタ・モーターズは、傘下の高級車メー
カーであるジャガー・ランドローバーの欧州や中国での
売上が好調で、純利益は市場予想を大きく上回る前年
同期比3倍となり、株価は業績発表翌日の31日に前日
比9.0%の大幅高となりました。インド最大の銀行である
インドステイト銀行は、減益決算で純利益は市場予想を
下回りましたが、不良債権比率が同業他社よりも少な
かったことが好感されて、株価は業績発表当日の27日
に前日比6 4%上昇しました
に前日比6.4%上昇しました。
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
コルカタの地元紙は6月1日、RBIのラジャン総裁が再任
を望んでいない意向を政府に伝えたと報じました。報道
について、RBIと政府からのコメントはありませんでした。
ラジャン氏はインフレ抑制に手腕を発揮し、インドの消費
者物価指数(CPI)上昇率は同氏が総裁に就任した2013
年9月の前年同月比+10.50%から1年後の2014年9月に
は同+5.63%まで低下し、その後も6%を下回る水準で推
移しています 金融市場では ラジャン総裁が再任を望
移しています。金融市場では、ラジャン総裁が再任を望
まないとの報道を受けて一時的に債券安、通貨安となり
ましたが、仮にラジャン総裁が退任したとしてもインド経
済の将来性に大きな変化はないという見方が大勢で、
報道の影響は限定的でした。
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.130(対象期間:2016年5月23日~2016年6月3日)
[インド基礎講座] 実質国内総生産(GDP)成長率: 引き続き高成長に期待
5月31日に発表されたインドの2016年1-3月期の実質GDP成長率(速報値)は前年同期比+7.9%で、2015年10-12月期の同+7.2%から大幅
に加速し、市場予想の7.5%を上回りました。インドの実質GDP成長率は2012年度(2012年4月~2013年3月)の前年度比+5.6%を底に加速
を続けており、2015年度の実質GDP成長率は前年度比+7.6%で2月に発表された政府見通しと一致しました(図表1)。産業別の実質粗付
加価値(GVA)を見ると 金融 不動産 専門サ ビスが2014年度に続き10%台の成長となるなど サ ビス セクタ がインド経済をけん引
加価値(GVA)を見ると、金融・不動産・専門サービスが2014年度に続き10%台の成長となるなど、サービス・セクターがインド経済をけん引
しています。また、モディ政権が「メイク・イン・インディア」(インドでものづくりを)を掲げて強化を図る製造業も2014年度の前年度比+5.5%か
ら2015年度には同+9.3%へと大きく加速しています。経済協力開発機構(OECD)は6月1日に発表した経済見通しで、「先進国では低成長
が続き、多くの新興国でも成長が鈍化する」と世界経済の先行きに対して懸念を示す一方、インドについては7%台半ばの高い経済成長が
続くと予想しています(図表2)。
(図表1)インドの実質GDP成長率の推移
(2012年度~2015年度)*
8%
7 2%
7.2%
(図表2)OECD経済見通し:主要国/地域の実質GDP成長率
(2016年~2017年)*
7.6%
6%
16年 7.4%
7 4%
17年 7.5%
6.5%
6.2%
インド
6.6%
5.6%
中国
ブラジル -4.3% -1.7%
-1.7%
ロシア
4%
0.5%
1.8%
2.2%
1 6%
1.6%
1.7%
0.7%
0.4%
米国
2%
ユーロ圏
日本
0%
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
(速報値)
-5%
* 年度は、4月から翌年3月まで。例えば、2012年度は、2012年4月から2013年3月まで。
出所:インド統計・事業実施省のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
0%
5%
10%
* インドは年度(4月から翌年3月まで)。
出所:経済協力開発機構(OECD)「経済見通し」(2016年6月)のデータに基づきイースト
スプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,215億ルピー(インドにおけ
るシェア約12.8%、2015年10-12月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更
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あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも
ありま
。当資料 使用
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま
せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし
もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも
のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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