ご参考資料 Vol. 111 (対象期間:2015年8月3日~2015年8月14日) 中国人民銀行(中央銀行)による人民元の実質切下げを受けて、世界的な株安、新興国通貨安となる中、インドでも株安、通貨 安となりました。しかし、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は8月14日、卸売物価指数が低下したことを受けて追加利 下げ観測が高まる中で急騰し、対象期間中の下落率は0.2%に留まりました。インド10年国債利回りは、追加利下げ観測の高 まりを受けて低下(価格は上昇)しました。物価動向と追加利下げ観測については、ニュース欄をご参照ください。 [株式市場] [株式市場]SENSEX指数の推移 個別銘柄では、鉱山会社のヴェダンタが対象期間中に17.6%下落 し、SENSEX指数構成銘柄の中で値下り率が最大となりました。そ れに続き、石炭会社のコール・インディアが14.1%安、総合アルミニ ウム・メーカーのヒンダルコ・インダストリーズが11.3%安となるな ど、商品価格が大幅に下落し、人民元の切下げで中国からの輸出 品のさらなる値下がりが懸念される中 資源関連株の下落が目立 品のさらなる値下がりが懸念される中、資源関連株の下落が目立 ちました。 (2002年12月31日~2015年8月14日) (ポイント) 40,000 30,000 週間騰落率 (前週末比) 7月31日 28,114.56 8月7日 28,236.39 0.4% 8月14日 28,067.31 -0.6% 日付 終値 [債券市場] 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 10% 日付 利回り 7月31日 8月7日 8月14日 7.81% 7.81% 7.74% [為替市場] 為替市場では、RBIのラジャン総裁が8月4日に海外投資家による インド債券の保有上限見直し(引上げ)について言及したことを受 けて、インドルピー高が進みました。しかし、中国人民元の実質切 下げを受けてルピー安に転じ、対象期間を通して見ると、対円で 1.5%、対米ドルで1.4%のルピー安となりました。 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2015年8月14日) インド10年国債利回りは、インド準備銀行(RBI、中央銀行)が8月4 日の金融政策決定会合で追加利下げを見送ったことを受けて、一 時7.86%まで上昇(価格は下落)しました。しかし、12日に発表され た消費者物価指数(CPI)上昇率の大幅鈍化で追加利下げ観測が 高まると利回りは低下し、7.74%で対象期間の取引を終えました。 変化幅 (前週末比) 0.00% -0.07% [ニュース] 9% 消費者物価上昇率、予想以上の大幅鈍化 8% 8月12日に発表された7月のCPI上昇率は前年同月比 月 発表 月 昇率 前年 月 +3.78%で、6月の同+5.40%から市場予想以上に大きく鈍 化しました。インドのCPI上昇率は、2013年11月の同11% を超える水準から、RBIによる金融引締め策や原油安な どの影響で大きく鈍化し、昨年9月以降はRBIが2016年1 月までの目標値としている6%を下回って推移しています。 さらに本年7月は、2016/17年度(2016年4月~2017年3 月)以降の目標である4%±2%の中央値4%も下回りま した。さらに、14日に発表された7月の卸売物価指数 (WPI)上昇率は、前年同月比-4.05%となりました。これで 9ヵ月連続でマイナスとなり、またこのマイナス幅は2005 年4月に現行の統計方法に変更されてから最大のものと なりました。 7% 6% 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 経済 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2015年8月14日) ( 年 月 日 年 月 日) (円) 3.5 円安インドルピー高 日付 為替レート 7月31日 8月7日 8月14日 1.938 1.954 1.909 週間騰落率 (前週末比) 0.8% -2.3% 物価上昇率の大幅鈍化で、追加利下げ観測高まる 3.0 2.5 2.0 1.5 金融 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 RBIは今年1月から6月まで、政策金利であるレポ金利を 3回に渡って8.00%から7.25%に引下げましたが、8月4 日の金融政策決定会合では7.25%に据置きました。財 務省からは会合前に「商品価格が下落する中、インフレ は大きな懸念材料ではない 」と追加利下げを暗に求め は大きな懸念材料ではない。」と追加利下げを暗に求め る発言もありましたが、RBIは追加利下げを見送りまし た。しかし、7月のCPI上昇率が予想以上に鈍化したこと を受けて、政府からは再び利下げを求める声が上がっ ています。WPI上昇率が過去最大のマイナス幅となった ことも材料となり、追加利下げ観測は高まっています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.111(対象期間:2015年8月3日~2015年8月14日) [インド基礎講座] 主要通貨の騰落率(過去1年):インドルピー、対米ドルで比較的堅調、対円では上昇 先週(8月10日~14日)は中国人民元の実質切下げを受けて新興国通貨安が進み、対米ドルで人民元は-2.9%、インドルピーは-1.8%となり ました。過去1年間、インドルピーの対米ドル下落率は6.4%と、円やユーロと比べて小幅に留まっています(図表1)。この結果、ロシアルーブ ルやブラジルレアルが対円でも大幅に下落する中で インドルピーは対円で上昇し ルやブラジルレアルが対円でも大幅に下落する中で、インドルピ は対円で上昇し、過去1年間に13.3%の円安ルピ 過去1年間に13 3%の円安ルピー高となりました(図表 高となりました(図表 2)。インドの実質国内総生産(GDP)成長率は、2012/13年度(2012年4月~2013年3月)の前年度比+5.1%から2014/15年度は同+7.3%に加 速し、経常赤字の対GDP比は、2012/13年度の4.8%から2014/15年度の1.4%までに縮小しています。さらに、CPI上昇率は、2013年11月の 前年同月比+11%から直近7月には同+3.78%まで低下しています。このような経済ファンダメンタルズの改善が、インドルピーの安定を支え ていると考えられます。 (図表1)主要通貨の対米ドルレート騰落率(過去1年*) -25% -20% -15% -10% -5% (図表2)主要新興・資源国通貨の対円レート騰落率(過去1年*) 中国人民元 中国人民元 英ポンド インドルピー インドルピー インドネシアルピア スイスフラン 南アランド 韓国ウォン 豪ドル ユーロ NZドル 日本円 ブラジルレアル 豪ドル ロシアルーブル 0% -40% -30% -20% -10% 0% 10% 20% * 2014年8月14日~2015年8月14日。 出所:上記の図表はいずれも、Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2014年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2014年 12月末現在、約4,960億ポンド(約92兆円、1ポンド=187.03円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億 す 弁 展 す 銀 、 、 月 、 資産 約 , ルピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2014年12月末現在、運用資産総額は約1兆3,676億 ルピー(インドにおけるシェア約12.4%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 150819(05)
© Copyright 2024 ExpyDoc