Vol. 133

ご参考資料
Vol. 133
(対象期間:2016年7月4日~2016年7月15日)
インドの金融市場では海外からの資金流入が続いて、代表的株価指数のSENSEX指数は2月に付けた年初来安値からの上昇
率が「強気相場」とされる20%を超え、10年国債利回りはおよそ3年ぶりの水準に低下(価格は上昇)しました。為替市場ではイ
ンドルピー高が進みました。世界的な株高で投資家のリスク回避姿勢が後退する中、インド特有の好材料として物品・サービス
税(GST)関連法案の成立期待、平年を上回るモンスーン期(雨季)の降雨量などが相場の追い風となっています。海外からイン
ド金融市場への資金流入については2ページ目の基礎講座、GSTについてはニュース欄をご参照ください。
[株式市場]
[株式市場]SENSEX指数の推移
個別銘柄では、SENSEX指数を構成する30銘柄のうち対象期間中
に24銘柄が上昇しました。インドの鉄鋼需要が今後10年間で2倍
以上に増加するという政府見通しなどを受けて、鉄鋼メーカーのタ
タ・スチールが同期間中に+13.9%と値上がり率トップとなりました。
一方、IT大手のインフォシスは、今年度売上高見通しの下方修正
方 IT大手のインフォシスは 今年度売上高見通しの下方修正
が嫌気され、-8.5%と値下り率トップとなりました。
(2002年12月31日~2016年7月15日)
週間騰落率
(ポイント)
日付
終値
(前週末比)
40,000
7月1日 27,144.91
7月8日 27,126.90
-0.1%
30,000
7月15日 27,836.50
2.6%
[債券市場]
20,000
インド10年国債利回りは、平年を上回るモンスーン期の降雨量が
インフレ抑制につながるとの見方などから2013年6月の水準まで低
下(価格は上昇)しました。気象局の発表によれば、6月1日から7
月13日までの降雨量は平年を4%上回りました。インド準備銀行
(中央銀行、RBI)の次期総裁に、金融緩和に積極的な人物が選ば
れるとの観測も、相場の追い風となりました。
10,000
0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]
[債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移
(2002年12月31日~2016年7月15日)
日付
利回り
7月1日
7月8日
7月15日
7.42%
7.39%
7.27%
為替市場では、海外からインド金融市場への資金流入を背景に、
インドルピーは対米ドルで対象期間中に0.5%上昇しました。対円
では、世界的な株高を背景に投資家のリスク回避姿勢が後退して
円安が進む中、3.5%の大幅なルピー高となりました。
変化幅
(前週末比)
-0.03%
-0.12%
[ニュース]
GST関連法案、夏季国会で成立の機運高まる
10%
9%
8%
7%
6%
政治
5%
4%
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
[為替市場]インドルピーの対円レートの推移
(2002年12月31日~2016年7月15日)
(円)
3.5
円安インドルピー高
3.0
日付
為替レート
7月1日
7月8日
7月15日
1.524
1.492
1.577
週間騰落率
(前週末比)
-2.1%
5.7%
インフォシス、今年度売上高見通しを下方修正
2.5
2.0
1.5
インドのモディ首相は、夏季国会(モンスーン国会)開会
前日の7月17日の全政党会議にて、「GST関連法案の可
前日の7月17日の全政党会議にて、
GST関連法案の可
決は国民的利益となる。全政党に建設的な討議と結果
を強く要請する」と訴えました。インドでは、国と各州の税
制が異なるため州境に検問所があることなどが円滑な
流通を妨げ、インド企業の競争力を削いでいると指摘さ
れてきました。GSTは、複雑な間接税を一本化しようとい
うものです。その導入に必要な憲法改正案は昨年5月に
下院で可決されましたが、モディ政権が少数与党の上院
ではまだ可決に至っていません。野党国民会議派の幹
部は法案への支持を表わしており、インドの経済改革に
部は法案
の支持を表わしており、インドの経済改革に
とって長年懸案であったGST関連法案が成立する機運
は高まっています。
企業
業績
円高インドルピー安
1.0
2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月
出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ
ストメンツ作成。
SENSEX指数を構成する30銘柄のうち、7月15日までに3
社が4-6月期の業績を発表しました。IT大手のインフォシ
スは売上高が前年同期比+16.9%、純利益が同+13.4%
の増収増益でしたが、売上高が市場予想を下回り、今
年度(2016年4月~2017年3月)の売上高見通しを従来
の 前 年 度 比 +11.8
11 8 ~ +13.8
13 8 % ( 米 ド ル ベ ー ス ) か ら 同
+10.8%~+12.3%に引き下げたことから、株価は業績発
表日の15日に前日比-8.8%と大幅に下落しました。その
ほか、IT大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズは前
年同期比+9.9%の増益、石油化学大手のリライアンス・
インダストリーズは同+18.1%の増益でした。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.133(対象期間:2016年7月4日~2016年7月15日)
[インド基礎講座] 外国ポートフォリオ投資家(FPI)売買動向: 株式は3月以降買越し続く、債券は7月に買越し基調へ
FPIによるインド株式の売買動向を見ると、1月と2月は売越しでしたが、2月末に発表された政府予算案で財政赤字の削減目標が堅持された
ことを好感して、3月は40.9億米ドル(約4,300億円)の大幅な買越しに転じ、4月以降も買越しが続いています(図表1)。FPIが株式買越しを続
ける中 SENSEX指数の上昇基調も続いて 7月15日の終値は2月11日に付けた年初来安値から21 3%高い水準となりました 一方
ける中、SENSEX指数の上昇基調も続いて、7月15日の終値は2月11日に付けた年初来安値から21.3%高い水準となりました。
方、FPIによ
FPIによ
るインド債券の売買動向を見ると、1~6月は累計19.2億米ドル(約2,000億円)の売越しでしたが、モンスーン期の降雨量が平年を上回ってイ
ンフレが抑えられるという見通しの中、7月は14日までで8.7億米ドル(約900億円)の買越しに転じました(図表2)。そのような環境下、10年国
債利回りは7月15日に2013年6月と同水準である7.27%まで低下(価格は上昇)しました。
(図表1)FPIによる株式買越し額*とSENSEX指数**の推移
(2016年1月~7月)
(図表2)FPIによる債券買越し額*と10年国債利回り**の推移
(2016年1月~7月)
(億米ドル)
(ポイント)
(億米ドル)
50
30 000
30,000
20
8 00%
8.00%
25
28,000
10
7.75%
0
26,000
0
7.50%
-25
24,000
-10
7.25%
22,000
-20
-50
1月
2月
3月
4月
株式買越し額(左軸)
5月
6月
7.00%
1月
7月
2月
3月
4月
5月
債券買越し額(左軸)
SENSEX指数(右軸)
6月
7月
10年国債利回り(右軸)
* 買入額から売却額を差引いたネットの投資額。1~6月は月間、7月は14日までの累計。
** SENSEX指数と10年国債利回りは1~6月は月末、7月は15日の値。
出所:上記の図表はいずれも、Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。
イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した
運用を行います。
イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について
■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属
するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル
す
弁
展
す
銀
、
設
、
月
、 資産 約
,
ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。
■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,588億ルピー(インドにおけ
るシェア約13.0%、2016年1-3月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式
会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品
取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら
を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン
を変更したり修
したりする
あります。また、将来 市場環境 変動等を保証するも
はありま
。当資料 使用し
るグラ 、
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ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではあり
ません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ず
しもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいた
ものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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