ご参考資料 Vol. 112 (対象期間:2015年8月17日~2015年8月28日) 中国景気の減速懸念などを背景に投資家心理が悪化する中、インドでは8月24日に大幅な株、債券、通貨のトリプル安となり、 代表的株価指数であるSENSEX指数は1日の下落率としては2009年1月以来最大の5.9%安となりました。SENSEX指数は26日 に終値ベースの年初来安値を付けた後に反発しましたが、対象期間を通して見ても-6.0%の大幅安でした。インド10年国債利 回りは小幅上昇(価格は下落)し、為替市場では一時およそ10ヵ月ぶりの円高インドルピー安となりました。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] (2002年12月31日~2015年8月28日) 週間騰落率 日付 終値 (前週末比) (ポイント) 8月14日 28,067.31 40,000 8月21日 27,366.07 -2.5% 8月28日 26,392.38 26 392 38 -3.6% 3 6% セクター別では、すべてのセクターが下落する中、不動産セクター が対象期間中に-10.6%と最も大きく下落しました。個別銘柄では SENSEX指数を構成する30銘柄のうち28銘柄が下落し、上昇した のは医薬品メーカーのルピンとたばこ会社のITCのみでした。 [債券市場] 30,000 インド10年国債利回りは、新興国売りで株と通貨ルピーが下落す る中、8月25日には一時7.9%を超える水準にまで上昇(価格は下 落)しました。しかし、追加利下げ観測が高まったことに価格下落 は買いの好機という見方も加わって、10年国債利回りは低下に転 じ7.78%で対象期間の取引を終えました。 20,000 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2015年8月28日) 10% 日付 利回り 8月14日 8月21日 8月28日 7.74% 7.79% 7.78% 変化幅 (前週末比) 0.05% -0.01% [為替市場] 場 、 、 為替市場では、8月24日のインド株大幅安を受けて、一時およそ 10ヵ月ぶりの水準である1ルピー=1.747円まで円高インドルピー 安が進みましたが、その後はルピー高に転じ、1ルピー=1.828円 で対象期間中の取引を終えました。対象期間中の騰落率は、対円 で4.2%のルピー安、対米ドルで1.7%のルピー安となりました。 [ニュース] 独立記念日首相演説: 汚職と貧困の撲滅に決意 9% 8% 7% 6% 政治 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2015年8月28日) ( 年 月 日 年 月 日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 8月14日 8月21日 8月28日 1.909 1.861 1.828 週間騰落率 (前週末比) -2.5% -1.8% インドのモディ首相は8月15日の独立記念日に演説 し 汚職と貧困の撲滅に向けて政策を進める決意を示 し、汚職と貧困の撲滅に向けて政策を進める決意を示 しました。学校施設の充実や貧困層の銀行口座開設 など、昨年の独立記念日演説で行った公約の達成を 挙げるとともに、電気のない18,500の村に1,000日以内 に電気を供給するなど新たな公約を掲げました。演説 では、「12億5,000万人のインド国民」という言葉を何度 も繰返し、国民の連帯がインドの強みであると述べ、 「チーム・インディア」として目標に向かっていくべきこと を強調しました。因みに、8月15日は1947年にインドが イギリスから独立した記念日であり 国民の祝日です イギリスから独立した記念日であり、国民の祝日です。 ムーディーズ: 改革進めばインド格上げも 2.5 2.0 経済 15 1.5 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 米格付け会社ムーディーズは、8月25日に発表したレ ポートで、財政赤字や政府債務の対国内総生産 (GDP)比の低下、インフレや経常赤字の対GDP比の 低下など、インドのマクロ経済指標がここ数年間に改 善したことを評価しました。その上で、政府による改革 が進み、物価や財政収支、経常収支の改善が継続す れば、インドの格付けを引上げる可能性があることを 示しました 足元の経済に いては 商品の輸入国で 示しました。足元の経済については、商品の輸入国で あるインドにとって最近の商品価格安は追い風であ り、内需依存度の高いインド経済は先行きに懸念の高 まる世界経済の影響を比較的受けにくいとの見方を示 しています。現在のムーディーズのインド国債格付け はBaa3、見通しは「ポジティブ」となっています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.112(対象期間:2015年8月17日~2015年8月28日) [インド基礎講座] ラジャンRBI総裁講演:インド経済の力強い持続的成長のために、インフレ期待の抑制が重要 インド準備銀行(RBI、中央銀行)のラジャン総裁は「インド経済の力強い持続的成長」と題する8月24日の講演で、インドの経済ファンダメンタ ルズが大幅に改善したことを評価する一方、依然として高いインフレ期待を抑制することが重要であるとの認識を示しました。インドでは、実 質GDP成長率が加速し 経常赤字と中央政府赤字の対GDP比が低下するなど 経済ファンダメンタルズが大幅に改善しています(図表1) 質GDP成長率が加速し、経常赤字と中央政府赤字の対GDP比が低下するなど、経済ファンダメンタルズが大幅に改善しています(図表1)。 物価についても、消費者物価指数(CPI)上昇率は、直近7月に前年同月比+3.78%まで低下しました。しかし、ラジャン総裁は、インドでは高イ ンフレが長期間続いたことから(図表2)、インフレ期待が高いままであると指摘し、「インフレに打勝つためには、(現在、歴史的な低水準にあ る原油などの)商品価格が将来上昇に転じても、低インフレが続くと人々が信じるようにならなければならない。」として、持続的経済成長の ために、低インフレの状況を作ることがRBIの優先事項であると述べています。 (図表2)消費者物価指数(CPI)上昇率*の推移 (2006/07年度~2014/15年度) (図表1)主要マクロ経済指標の推移 (2012/13年度~2014/15年度) 8% 6.9% 14% 7.3% 12.4% 12% 6% 5.1% 10.4% 9.1% 10% 8% 4% 10.4% 8.4% 9.7% 6.7% 6.2% 6.3% 6% 4% 2% 2% 0% 0% 2012/13年度 実質GDP成長率 2013/14年度 経常赤字 2006/ 07年度 2014/15年度 中央政府赤字 年度は、4月から3月まで。例えば、2012/13年度は、2012年4月から2013年3月まで。 経常赤字と中央政府赤字は、対GDP比。棒グラフに添えた数字は、実質GDP成長率。 2008/ 09年度 2010/ 11年度 2012/ 13年度 2014/ 15年度 *工業労働者(Industrial Workers)CPI(2001年=100)の前年度比。 出所:上記の図表はいずれも、RBIのデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2014年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2014年 12月末現在、約4,960億ポンド(約92兆円、1ポンド=187.03円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億 す 弁 展 す 銀 、 、 月 、 資産 約 , ルピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2015年6月末現在、運用資産総額は約1兆5,552億 ルピー(インドにおけるシェア約12.7%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 150902(02)
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