独占的競争と国際貿易

独占的競争と国際貿易
蓬田
守弘
上智大学
問題
次のような独占的競争モデルを考えよう。このモデルは以下の数式により
表されるとする。
·
¸
1
企業が直面する需要曲線:Q = S ×
− b × (p − p)
n
企業の総費用:C = c × Q + F
• S :自国の市場規模を示す総販売量
• p:企業の設定する価格
• p:平均価格
• Q:企業の生産量
• n:企業数
• c:企業の限界費用
• F :企業の固定費用
• b:正の定数
問
1. 企業の平均費用 AC を導け。
2. 企業の平均費用 AC と企業数 n の関係を導け。
3. 企業の利潤 π を示せ。
4. 企業は競合するライバル企業の価格を一定として、自らの利潤を最大
化するように価格と販売数量を決定するとしよう。この利潤最大化行動
の下で、企業の価格と販売数量は「限界収入=限界費用」を満たすこと
を導け。
1
5. 問4で導いた「限界収入=限界費用」の関係から価格 p と企業数 n の
関係を導け。
6. 問2と問5で導かれた関係を図示せよ。また、図を使って長期均衡にお
ける価格 pe と企業数 n
e を求めよ。
7. 自由貿易を行うことで、自国と外国の市場が統合されるとしよう。外国
企業は自国企業と同じ費用構造をもつが、需要構造は両国の間で市場
規模のみ異なるとしよう。外国の市場規模を示す総販売量が S ∗ で示さ
れるとき、自由貿易の長期均衡における価格と企業数を求めよ。
8. 自国と外国の消費者にとってどのような「貿易利益」が生じるか?説明
せよ。
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