経済学入門 第4回 消費者余剰と供給行動 中村さやか 今日やること 1.消費者余剰 2.供給曲線の弾力性・シフト 3.生産のための費用 消費者余剰 定義: 払っても良い最高額と実際に払った額の差 例) トヨタのヴィッツに160万円払っても良いと思っていて 150万円で購入 → この人の消費者余剰は「 」万円 この場合は一つ買うか全く買わないかのどちらかなので 簡単 リンゴのように二つ以上買うかもしれないケースは? いくらならいくつ買う? リンゴがいくらまでなら一つ買ってもいい? いくらまでなら二つ買ってもいい? 120円 いくらまでなら三つ買ってもいい? 80円 この消費者個人の需要曲線を描いてみよう 言い換えると 最初の一つには150円までなら払ってもいい 二つ目には120円までなら払ってもいい 三つ目には80円までなら払ってもいい 150円 一つ以上買える財の、個人の消費者余剰 実際の価格が100円なら二つ購入 消費者余剰 = 払っても良い額 ー 実際に払った額 ⇒ 一つ目のリンゴからの消費者余剰=150-100=50 ⇒ 二つ目のリンゴからの消費者余剰=120-100=20 この消費者の消費者余剰 =一つ目の余剰+二つ目の余剰 =50+20=70 需要曲線のグラフに消費者余剰を書き込んでみよう 市場全体の需要曲線と消費者余剰 市場価格がP0のとき、 需要量はQ0 市場全体の消費者余剰 =個々人の消費者余剰の 総和 = P P0 D Q0 Q 例) 一つしか買わない財の、市場全体の消費者余剰 消費者は太郎と次郎と三郎の3人だけ 太郎はトヨタヴィッツに200万払ってもよいと思っている 次郎はトヨタヴィッツに170万払ってもよいと思っている 三郎はトヨタヴィッツに130万払ってもよいと思っている → 市場全体の需要曲線を書いてみよう 実際のヴィッツの価格は150万 (買うのは誰?) → 市場全体の消費者余剰はいくら? 消費者余剰をグラフに書き込んでみよう 今日やること 1.消費者余剰 2.供給曲線の弾力性・シフト 3.生産のための費用 供給曲線: 価格と供給量の関係 価格 焼き芋の供給曲線 価格が決まると供給量 が決まる 供給曲線は右上がり 200 100 S 50 100 数量 供給曲線の傾きと弾力性 1 P 弾力的な供給曲線 ⇔傾きが緩やか P P1 P1 P2 P2 価格変化による供給 量の変化が大きい Q1 Q2 Q 非弾力的な供給曲線 ⇔傾きが急 価格変化による供給 量の変化が小さい Q1 Q2 Q 供給曲線の傾きと弾力性 2 弾力性ゼロ 弾力性無限大 P P 価格が変化しても 供給量は不変 Q P0 価格がP0のとき供 給量は無限大 Q 供給曲線のシフト リンゴの供給量 =f(リンゴの価格、賃金、天候、などなど) リンゴの価格以外の要因が全て一定ならば、 リンゴの供給量=f(リンゴの価格) これが供給曲線 リンゴの価格以外の要因が変化すると供給曲線がシフト 例: 賃金の増加、台風 今日やること 1.消費者余剰 2.供給曲線の弾力性・シフト 3.生産のための費用 生産量と総費用 総費用曲線の例 総費用曲線: 生産量とそのためにか かる費用の総額(総費 用)の関係を表す 作る量が増えれば費用 も「 」→右「 」がり 総費用C 生産量Y 総費用=固定費用+可変費用 総費用曲線の例 総費用C 可変 費用 固定費用 生産量Y 固定費用: 生産量に関わらず一定 生産量を始めるために かかる費用 発電所の建設費用など 可変費用: 生産量を増やすことで 増える費用 人件費、原材料費など 限界費用と平均費用 平均費用: 生産量1単位当たりの費用 費用 C 平均費用 (Average Cost) 生産量 Y 限界費用: 生産量をもう一単位増やしたときの費用の増加分 費用の増加分 C 限界費用(Marginal Cost) 生産量の増加分 Y =総費用曲線の傾き 総費用と限界費用 総費用曲線と限界費用の例 総費用C 限界 費用 例えば C=α+βY とする。 ⇒Yが1増えるごとにCは β増える ⇒限界費用=β 限界費用 =総費用曲線の傾き Y0 Y0+1 生産量Y 限界費用一定の総費用曲線の例 総費用曲線 限界費用曲線 MC C 限界費用 =費用曲線の傾き 傾きが一定なので 限界費用も一定 Y Y 限界費用逓増の総費用曲線の例 総費用曲線 限界費用曲線 C MC 限界費用 =費用曲線の傾き Yが増えると傾き急 →限界費用が増加 Y Y なぜ限界費用曲線が右上がりになることがあるの? • 短期的には資本設備は 増やせない 限界費用 • 資本設備を増やさずに生 MC 産量を増やしていくと、限 界費用は増えていく 例: 工場設備を増やせな いなら、100から101へ生 産を増やすより1000から 1001へ増やすほうがコス トがかさむ 生産量Y
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