産業組織論 (8) 続クールノー競争 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月17日 支払い意欲 買い手 2015/12/17 支払意欲(円) イチロー 1400 ダルビッシュ 1300 石川遼 1200 北島康介 1100 錦織圭 1000 産業組織論 8 支払い意欲のグラフ 支払い意欲(円) 1400 1300 1200 1100 1000 1 2015/12/17 イチローの支払い意欲 ダルビッシュの支払い意欲 石川遼の支払い意欲 北島康介の支払い意欲 錦織圭の支払い意欲 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 独占企業真央の場合 個数 支払意欲(円) 収入(円) 0 限界収入(円) 0 1 1400 1400 1400 2 1300 2600 1200 3 1200 3600 1000 4 1100 4400 800 5 1000 5000 600 2015/12/17 産業組織論 8 限界収入曲線 限界収入 1400 金額(円) 限界収入 1200 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界収入 1000 限界収入 800 限界収入 600 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 限界収入曲線と需要曲線 金額(円) 支払意欲は 1300円 – 限界収入は 1200円 – 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 1 2 3 4 5 産業組織論 8 生産量1の限界収入 曲線の高さと需要曲 線の高さは同じ 生産量2以上,限界収 入曲線の高さは需要 曲線の高さより低い 数量 真央の限界費用曲線 – 縦軸に金額,横軸に 数量の平面に限界費 用を描く – これを限界費用曲線 限界費用は という 800円で一定 金額(円) 800 0 2015/12/17 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 限界収入曲線と限界収入曲線 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=4) 限界費用曲線 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 イチローの需要が明子に奪われたとき ダルビッシュ以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 0 限界収入(円) 0 1 1300 1300 1300 2 1200 2400 1100 3 1100 3300 900 4 1000 4000 700 2015/12/17 産業組織論 8 真央の限界収入曲線(明子の生産量1) 金額(円) 限界収入 1300 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界収入 1100 限界収入 900 限界収入 700 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 新しい限界収入曲線と限界収入曲線 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界費用≒限界収入 真央の生産量(QM=3) 限界費用曲線 正確には限界費用≦限界収入 となる生産量のなかで一番MC とMRが近くなる生産量 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 イチローとダルビッシュの需要が明子に奪われたとき 石川遼以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 0 限界収入(円) 0 1 1200 1200 1200 2 1100 2200 1000 3 1000 3000 800 2015/12/17 産業組織論 8 真央の限界収入曲線(明子の生産量2) 金額(円) 限界収入 1200 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界収入 1000 限界収入 800 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量2) 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=3) 限界費用曲線 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 イチロー,ダルビッシュ,石川遼の需要が 明子に奪われたとき 北島康介以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 0 限界収入(円) 0 1 1100 1100 1100 2 1000 2000 900 2015/12/17 産業組織論 8 真央の限界収入曲線(明子の生産量3) 金額(円) 限界収入 1100 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界収入 900 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量3) 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/17 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=2) 限界費用曲線 1 2 3 4 5 産業組織論 8 数量 真央と明子の生産量の対応関係 2015/12/17 明子の生産量 真央の生産量 0 4 1 3 2 3 3 2 産業組織論 8 真央は独 占企業 真央の 生産量 は減少 真央の反応 明子の生産量 4 3 2 1 0 2015/12/17 1 2 3 産業組織論 8 4 真央の生産量 真央と明子の生産量の対応関係 2015/12/17 真央の生産量 明子の生産量 0 4 1 3 2 3 3 2 産業組織論 8 明子は独 占企業 明子の 生産量 は減少 明子の反応 明子の生産量 4 3 2 1 0 2015/12/17 1 2 3 産業組織論 8 4 真央の生産量 真央の反応と明子の反応の交点 明子の生産量 4 3 2 1 0 2015/12/17 1 2 3 産業組織論 8 4 真央の生産量 彼女たちの生産量と利潤 生産量 収入 合計生産量 利潤 真央 3 3000 2400 600 5 明子 2 2000 1600 400 市場価格 限界費用 1000 2015/12/17 費用 800 産業組織論 8 彼女たちの生産量と利潤 生産量 収入 利潤 真央 2 2000 1600 400 5 明子 3 3000 2400 600 合計生産量 市場価格 限界費用 1000 2015/12/17 費用 800 産業組織論 8 真央の明子の生産に対応する生産 明子の生産量 •真央にとって明子の生産 量によって自分の望ましい 生産が決まる •明子の生産q2に対して真 央はどのくらいの生産量q1 を生産したら良いのかを表 した曲線を反応曲線という •理想的には右下がりの曲 線が描ける q2 4 3 2 1 0 2015/12/17 1 2 3 産業組織論 8 4 q1 真央の生産量 反応曲線とは何か 企業1にとって企業2 がq2を生産している ときに自分はq1を生 産する q2 反応曲線 q2 独占(相手の生産量は0) 0 2015/12/17 q1 q1 産業組織論 8 明子の反応 明子の生産量 4 3 2 1 0 2015/12/17 1 2 3 産業組織論 8 4 真央の生産量 明子の反応曲線 q2 独占(真央の生 産量は0) •明子にとって真央のq1の生産に対 してq2は最適な反応 •明子の反応曲線も右下がり •真央の生産が増えれば,明子の 生産は減る •矢印の向きは逆 •両者の反応曲線の交点 q2 明子の反応曲線 0 2015/12/17 q1 q1 産業組織論 8 真央と明子の反応曲線の交点 q2 q2* •真央にとって明子のq2*に対して 真央の反応曲線 q1*は最適な反応 •一方,明子にとって真央のq1*に 対してq2*は最適な反応 •真央と明子の生産量の組 *,q *)をクルーノー均衡という (q 1 2 C 明子の反応曲線 0 2015/12/17 q1* q1 産業組織論 8 クールノー均衡 真央と明子がアイスショーの提供 お互いの生産量を読み合う必要 真央と明子のお互いの予想は合っている その予想の元で生産を行っている このような予想(反応)が実現する点で生産を行 う生産量の組み合わせがクールノー均衡 フランス人経済学者クールノーが最初に考えた 2015/12/17 産業組織論 8 独占価格と限界原理 価 格 独占企業は価格 をつり上げる M PM N • 独占企業の限界費用 は一定(点線) とする • MR=MCを満たすQ M を選択 • 需要曲線からQ Mに 対応する独占価格PM 求まる 限界費用曲線 MC 需要曲線 限界収入曲線 MR QM 2015/12/17 産業組織論 8 数量 クールノー競争と限界原理(明子の 生産量は0) 価 格 N 限界費用曲線 MC 需要曲線D0 限界収入曲線 MR0 Q0 2015/12/17 産業組織論 8 数量 クールノー競争と限界原理(明子の 生産量は1) • 明子の生産増により真央の需要は減る 価 格 PM PN MC Q • • • • • これを真央の残余需要という それにともない限界収入曲線も 下にシフトする 限界収入曲線との交点は右側へ 生産が減る P 限界費用曲線 D0 需要曲線D1 Q1 2015/12/17 Q 0 限界収入曲線 MR1 産業組織論 8 数量
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