地球流体力学2(新野)第 2 回レポート問題(2015 年 1 月 19 日出題) 以下の問題A、Bに答えよ。解答には A4 用紙を用い、右上に所属学科(専攻)、学籍番号、氏名を 明記のこと。文献やホームページを参考にしたときは、引用先を明記すること。 2 月 6 日(金)正午までに地球惑星科学専攻事務室(理学部 1 号館 8F)に提出のこと。 【問題A】 1) 静止状態の水深 H が水平座標(x,y)の関数として H(x,y)で与えられ、密度一様で水平2方向に無限 に拡がる海の運動を記述する浅水方程式系(shallow water equation system)は ∂h du = −g , ∂x dt ∂h dv = −g , ∂y dt ∂u ∂v d ( H + h) + ( H + h )( + ) = 0 ∂x ∂y dt ① で与えられることを、非粘性・非圧縮の 3 次元の運動方程式と連続の式から出発して示せ。ここで、 (u,v)はそれぞれ(x,y)方向の流速、h は静止状態からの水面の変位、g は重力加速度である。 2)同じ流体層が f 平面上にあるときの浅水方程式系(これを以下②式と呼ぶ)を求めよ。 3) ②式から dΠ d ∂v ∂u ( f + − ) / ( H + h) ≡ = 0 dt ∂x ∂y dt ③ を導け。③式の[ ]内の量Πは何と呼ばれるか? 4) 半径が微小な円柱状の密度一様な流体の柱を考え、この円柱状の流体の柱に対する質量の保存則 と角運動量の保存則から、③式のΠが流体の運動に伴う保存量となることを示せ。 5) 本題以降の小問 5)-7)ではこの海の底面は平らで、静止時の水深 H は一定とする。式②で水面の変 位 h が平均水深 H に比べて微小であり、流速も微小で、h と流速に関する 2 次の量はこれらに関する 1 次の量に比べて無視できるとして線形化したときには、慣性重力波という波動を記述する方程式系 が導かれる。この方程式系において、各変数が x 方向に波数 k、y 方向に波数 、時間に関して振動 数σの波形の解を持つとしたとき、波数 k、 と振動数σとの関係を与える分散関係を求めよ。 6) t=0 に x=0 を境にして、x>0 では h=h0、x<0 では h=0 で、y 方向には一様な階段状の水面の変位が 与えられたとき、十分時間が経った後には、水面の変位はどのような形に落ち着き、流体中にはどの ような流れが残るかを、③式と②式に基づいて求めよ。但し、初期の水面の変位 h0 は平均水深 H に 比べて十分小さく、流速も十分小さいため、②式、③式は線形化して用いることができるものとする。 (ヒント:最終状態では地衡流平衡になることを仮定して良い。また、水面の変位を h0 で、水平座 標を変形半径λ=(gH)1/2/f で無次元化すると計算が容易になる)。 7) t=0 に、 x < a では y 方向に一様な流速 v = v0 の流れがあり 、 x > a では静止状態にあるとき、 十分時間が経った後には、水面の変位はどのような形に落ち着き、流体中にはどのような流れが残る かを求め、a/λ が 1 に比べて十分大きい場合と十分小さい場合について議論せよ。 【問題B】講義に対する感想を 200 字程度で述べよ。
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