ガイダンス

法人に対する課税
財政学(財政学B)
第4回
畑農鋭矢
1
法人に対する課税の根拠
• 法人擬制説
法人の究極的な所有者=株主
法人は擬制であり、株主の所得に課税す
ればよい⇒法人税の存在意義なし
• 法人実在説
法人は資金を持ち担税力があること、個
人営業よりも有利であること、などから。
⇒法人税の存在意義
法人に対する課税
• 国・地方
国税:法人税
地方税:法人事業税
• 課税対象
法人の所得に対する課税
法人の配当に対する課税
法人の所有に対する課税
法人の所得に対する課税
• 法人所得
=収入-費用
(益金)(損金)
• 個人所得税との違い
①所得の種類による差異はない
②暦年ではなく、法人の事業年度で決まる
③均一税率
法人の配当に対する課税
• 法人の配当とは
他の法人の株主として受け取る配当
自社の株主に支払う配当
• 二重課税の問題
配当課税20%
右図参照
• 二重課税を避ける
ために配当の50%
だけを収入に
企業の意思決定
収
入
・
費
用
費用
収入
=価格×生産量
利潤=収入-費用
企業は利潤最大を望む
O
資本
利潤の最大化
利
潤
=
収
入
「利潤=収入-費用」
が最大
⇒生産量Xが最適
―
費
用
O
X
資本
利潤最大化の条件
収
入
・
費
用
費用
収入
=価格×生産量
限界収入
利潤最大化の条件
限界収入=限界費用
限界費用
O
X
資本
投資行動への影響
限界費用MC
限界収入MR
法人所得=R-C
税引き後所得=(1-t)(R-C)
法人課税がない場合
資本はK1
法人課税がある場合(資本はK1 )
MCとMRが(1-t)だけシフト
費用が控除されない場合
法人所得=R
資本はK2
MC
MC’
MR’
O
K2
K1
MR
資本K
法人事業税と外形標準課税
• 法人税は赤字の場合には課税されない
政府から見ると税収が不安定
• 外形標準課税
所得に対する課税とは別に
付加価値割と資本割を導入
⇒赤字であっても課税される
• 前項の費用が控除されないケース
⇒投資行動に中立ではない
国際課税
• 高い法人税
⇒日本の企業が海外へ⇒空洞化?
• 外国税額控除
所得
税額
税額合計
外国
100
国内
70
国内
100
30
30
20
50
50
50
外国で支払った税額は控除される。
• 法人税は企業の立地に対して中立
• 外国企業にとっては中立ではない。