Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年11月16日 トランプ大統領を選択した後の日本国債市場 トランプ次期大統領の政策に対する思惑から、世界的に国債利回りが上昇(価格は下落)しています。ただしイール ドカーブをコントロールする金融政策を採用しているため日本の国債利回りの上昇幅は相対的に小さくなっています。 米国大統領選挙:欧米の国債利回り上昇幅 に比べ、日本国債利回りに落ち着き 米国で次期大統領にトランプ氏が選出されてほぼ1週間、世 界の主な国債市場では財政拡大によるインフレ期待の高ま りを背景に利回りが上昇しています。例えば、米国10年国債 利回りは約0.36%(11月8日から11月15日)、ドイツ10年国債 は約0.12%上昇しています。一方、9月20、21日の政策委員 会・金融政策決定会合において長短金利操作付き量的・質 的金融緩和を導入した日本の10年国債利回りは、この間の 利回り上昇は約0.07%にとどまっています(図表1参照)。 どこに注目すべきか: イールドカーブ・コントロール、為替、財政政策 0.8 % % 日本(左軸) ドイツ(左軸) 米国(右軸) 0.6 0.4 2.4 2.2 2.0 0.2 1.8 0.0 1.6 -0.2 1.4 -0.4 15年11月 16年3月 16年7月 1.2 16年11月 図表2:円(対ドル)の推移 (日次、期間:2015年11月16日~ 2016年11月15日) 130 円/ドル 125 120 115 110 105 100 95 15年11月 円(対ドル) 円安 円高 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:日独米10年国債利回りの推移 (日次、期間:2015年11月16日~2016年11月15日) 低 国債価格 高 トランプ次期大統領の政策に対する思惑から、世界的に国 債利回りが上昇(価格は下落)しています。ただしイールド カーブをコントロールする金融政策を採用しているため日本 の国債利回りの上昇幅は相対的に小さくなっています。 まず、メリットは何かといえば、変動性が抑えられていること で、利回り上昇による価格下落が相対的に小さくなっている ことがあります。日銀は10年物国債金利が概ね現状程度 (ゼロ%程度)で推移と方針を示しているため、10年国債利 回りの動きは小幅でした。なお、自由度が多少は高いと思わ れる30年国債利回りも、いまのところ、小幅な動きとなってい ます。 次に、最も大きなメリットとしては日米の金利差を反映したこ となどから円安が進行、結果として日本の株価にもプラスの 影響があったと見られることです(図表2参照)。トランプ氏の 勝利を受け、日本国債利回りも上昇はしていますが、9月の 水準に戻った程度です。一方、ドイツ国債は概ね半年、米国 にいたっては1年程前の水準にまで利回りが上昇、相対的な 日米金利差拡大が円安・ドル高の一つの要因と見られます。 円安への感応度が高い日本株式も上昇基調で、結果オーラ イの面も感じられますが、金融政策の有効性が高められた ものと見られます。 反対に、デメリットとして思いつく点をあげると、自由な取引で 金利水準が決められるという、国債市場の価格シグナル機能 の低下が懸念されます。もっとも、短期的には価格シグナル 機能の低下よりもメリットのほうが大きいとは思われます。 最後に、トランプ氏勝利後の財政拡大や景気対策により自国 (ここでは米国)の通貨高が見られました。これは財政拡大 (期待)で金利が上昇、金利差による資本流入圧力が自国通 貨高を演出する流れです。しかし、日本の状況はインフレ率上 昇を懸念する段階とは思われず、財政政策など成長戦略を導 入による円高懸念は現在は低いと思われます。そして、その ような懸念を防ぐためにも、財政か、それとも金融かという二 者択一でなく、両者を組み合わせることが必要と思われます。 16年3月 16年7月 16年11月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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