Vol. 75

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年に亘り電気機器部品及び電子機器部品の分野において、お客様の
ニーズにお応えしたモノづくりで、常にユーザの信頼に応えてきた、福島県
西白河郡の株式会社三和製作所様にお話を伺いました。
Vol. 75
プレス板金加工/製造/販売
株式会社 三和製作所
福 島 工 場 〒961-8061 福岡県西白河郡西郷村小田倉字大平509番1号 TEL.0248-25-3141(代) FAX.0248-25-3142
川崎事業所 〒210-0836 神奈川県神奈川市川崎区大島上町20番18号 TEL.044-322-3711(代) FAX.044-322-3713
創 業 1982(昭和57)年 11月 1日 代表取締役社長 片寄 利雄 資本金 2,000万円 従業員数 21名
『お客様に安心して使って頂ける
モノを作って行きたい。』 御社の創業からの歩みをお聞かせ下さい。
創業は1982(昭和57)年 11月1日。私の叔
父が電気製品部品及び電子機器部品のプレ
ス加工を始めました。
創業から今日に至るまで、オーディオや
シンセサイザーといった音響機器部品の製
造を主として行ってまいりました。
創業当初は、神奈川県の平塚工場および
川崎工場で生産を行っていましたが、福島
県のお客様とのお取り引きが主になって来
たため、お客様のお近くで効率的な生産を
行うべく、平成元年に、ここ福島県の西白
河郡に工場を新設し、主たる生産拠点を移
行させました。
弊社では、お客様から頂いた図面通りの
製品を単に生産するだけではなく、長年培
ってまいりました経験と技術を活かして、
より効率的で優れた製品が出来るようなご
提案をさせて頂くなど、お客様と様々なご
相談をさせて頂きながらモノ作りを行って
います。
片寄 利雄氏
御社の企業方針をお聞かせ下さい。
企業方針などといった大それたことでは
ありませんが、「お客様に安心して使って
頂けるモノを作って行きたい」という思い
を常に持ち、日々の業務に努めています。
弊社のような規模の小さい会社では、組
織というものだけで社員を拘束してしまっ
ては駄目だと思うのです。
組織の一員としてある一定の範囲の仕事
をこなすだけではなく、1人で何でもやら
なければないません。
その中でモノ作りに対する責任を強く感
じ、また新たな自由な発想が生まれてきま
す。
ここ福島県に工場を移行させてから早く
も18年が経ち、弊社の従業員もすっかり入
れ替わりました。
これからはこの若い社員達を中心に、新
たな発想で様々なことを変えて行き、お客
様に安心して使って頂けるモノ作りを続け
て行きたいと思っています。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
代表取締役
KTS-Net
進化はここから生まれる。
日々変化する顧客のニーズに応え、最良の品質とサービスを追求した
モノづくり。工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち、社員
が一丸となって仕事に取り組んでいる。さらに、顧客の信頼に応える
ための積極的な設備投資も推進している。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
御社が手掛けられている製品ならではの
特徴をお聞かせ下さい。
例えばオーディオ製品などは、トップカ
バーを除いて、匡体から全ての部品の加工
を手掛けていますが、1製品につき約30種
類もの部品から構成されています。
また、電気製品というものは自動車と比
べても、そのサイクルがとても早いため、
その部品は、まさに多品種少ロットと言え
ます。
その殆どの部品が0.3mm∼1.6mmの板厚
といった薄板加工が主流となっています。
形状も複雑なものが多く、絞り加工や曲げ
加工等、様々な加工を施しています。
特に、曲げ加工は必ず行いますが、殆ど
の製品が組込み部品のため、ほんの少しの
誤差が生じても組込みの際に不具合が発生
してしまいますので、高い寸法精度が求め
られます。
今までの設計のままですと、曲げ加工時
に0.05mm程の誤差が生じてしまうため、
材料によってその対応を変えて行かなけれ
ばならないのです。
御社の特徴をお聞かせ下さい。
弊社では、図面化される前段階のデザイ
ンのあがった簡単なレイアウト図の段階か
ら、どんな構成にすべきかお客様にご提案
させて頂きながら作業を進めさせて頂いて
おります。
常に高い加工精度を実現できるよう最新
の設備を備えるとともに、品質管理や出荷
管理といった人的なことにも重点をおいた
生産を行っています。
また、私がこの業界に入る以前にコンピ
ュータ関連の仕事をしていたため、その経
験を活かし社内の様々なシステムをコンピ
ュータ化させています。
曲げ・絞り等、様々な加工が施されている製品。
組込み部品が故に非常に高い曲げ角度の精度が求められる。
また、ここ数年の間で材料の表面処理が
変わって来ているということも特徴の1つ
として挙げられます。
高い精度を実現している加工技術に加え、品質管理・出荷
管理もしっかりと行われている。
Vol. 75
受注管理及び生産管理は全てコンピュー
タ化し、お客様とのお取り引きは主に EDI
で受注し、その受注データをもとに生産管
理を行っています。
作業指示や外注先への依頼もこのEDIデ
ータをもとに行うことにより、トラブルや
無駄の発生を未然に防いでいます。
中国等の海外企業との競合については、
どう対策されているのですか。
弊社が手掛けている音響製品は、その殆
どがプレミアムオーディオと呼ばれている
高級な製品です。
そのような製品には難しい加工の部品が
多数あるため、日本ならではの技術力を活
かしています。
低価格の製品は、海外で生産されていて
日本国内ではなかなか仕事がありませんが、
物によっては海外との合見積というケース
もあります。
そのような時には、受注に結び付けるた
めに、自動化を図ることによって生産コス
トを下げて対抗しています。
株式会社 三和製作所
ず非常に厄介です。
サーボプレスならば、加工スピードを様
々に変えることができるため、曲げ物に対
してゆっくりと加工でき、時には止めるこ
ともできるため、スプリングバックを抑え
ることができ、高い精度が出せます。
そこで昨年、コマツのACサーボプレス
H1F80を導入しました。
従来のプレスとは全く異なるプレス機の
ため、導入当初は社員も少し戸惑っていま
したが、慣れてしまえばとても使いやすく
サーボならではの高い加工精度を改めて実
感しました。
その後、1m以上の金型を必要とする製品
を手掛けることになったのですが、この製
品もサーボプレスで加工したいと思い、今
年の9月に150トンのサーボプレスを導入し
たのです。
サーボプレスをご導入された経緯とご感
想をお聞かせ下さい。
栃木県でコマツさんが行っていた見学会
でサーボプレスを見たのですが、これは
ベンダー的に使えると思い興味を持ったの
です。
弊社の手掛けている製品の殆どが正確な
曲げ寸法精度を求められます。曲げ角度が
決まらないと、後で修正をしなければなら
H1F80(左)とH1F150(右)の2台のコマツACサーボプレス。
今後の更なる活躍が期待される。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
プレス板金加工/製造/販売
KTS-Net
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進化はここから生まれる。
プレス板金加工/製造/販売
株式会社 三和製作所
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
今後の御社の展望をお聞かせください。
5年も10年も先のビジョンを持っていても
先が見えない世の中ですから、今ある環境
のもと最大限に努力をし、今後変化して行
く状況に常に対応できる体制を取っていか
なければならないと思います。
創業以来一貫して、音響製品をはじめと
した電気機器部品及び電子機器部品の製造
を手掛けてきた弊社ですが、他の分野の製
品へも進出して行かなければならないのか
も知れません。
ただ、例えば自動車部品といったものに
進出するとしても、技術的にも設備的にも
かなり異なる部分が生じるため、一緒に手
掛けて行くのは無理と思うのです。それよ
りも長年培ってきましたこの分野で、経験
や技術を最大限に活かして行きたいと思っ
ています。
時代がどう変わってもモノは人が作る事
に変わりはありません。人をどう育てて行
くかがとても大切でなのです。若い社員と
ともに、今後もお客様が安心して使って頂
けるモノを作り続けて行きたいと思ってい
ます。
KTS-Net
KTS-Net とは、サーボプレスを活用し
て革新的なプレス加工を追求されてい
るユーザーの方々の集まりです。
皆様の情報受発信の場として、是非ご
利用ください。
また、今後もこの誌面でKTS-Net のお
客様をご紹介させて頂きます。
ご入会をご希望の方は、是非弊社のサ
イトをお訪問下さい。
製品紹介
能 力
能力限界
ストローク長さ
最大ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法
シャンク穴径
ボルスタ寸法
許容上型質量
左右 L-R
前後 F-B
左右 L-R
前後 F-B
厚さ
単位
kN
mm
mm
1/min
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
kg
H1F35
350
4.5
~80
~80
210
55
350
300
38.5
700
400
86
50
H1F45
450
5.5
~100
~70
250
60
400
350
50.5
800
450
110
80
H1F60
600
6.0
~120
~60
300
65
500
400
50.5
900
550
130
130
H1F80
800
5
~130
~75
320
80
550
450
50.5
1000
600
140
190
H1F110
1100
5
~150
~65
350
100
620
530
50.5
1100
680
150
350
H1F150
1500
6
~200
~55
420
100
700
550
50.5
1250
760
165
500
H1F200
2000
6
~250
~50
450
120
850
650
50.5
1450
840
190
650
お問い合わせは
コマツ ハイブリッドACサーボプレス
KOMATSU HYBRID AC SERVO PRESSES
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0016 東京都大田区大森北1-6-8 KDX大森ビル3階
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