『考えよ 気を配れ ハッキリ示せ』

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は数多くのコマツのプレス機を導入し、長年、品質の高い自動車部品の
製造を手掛けられ、また今後も新たなる可能性へ挑戦されている、神奈川県
秦野市の多田プレス工業株式会社様にお話をお伺いしました。
Vol. 48
自動車部品製造メーカー
多田プレス工業株式会社
本社・本社工場 〒257-0031 神奈川県秦野市曽屋997 TEL.0463-81-1456(代) FAX.0463-82-1900
秦野第二工場 〒247-0031 神奈川県秦野市曽屋585 TEL.0463-84-1816(代) FAX.0463-84-1817
栃 木 工 場 〒322-0026 栃木県鹿沼市茂呂字前田812-1 TEL.0289-76-3444(代) FAX.0289-76-3415
設 立 1941(昭和16)年10月 代表取締役社長 多田 嘉之 資本金 5000万円 従業員数 135名
常に前進を続ける企業の姿勢が伺える。
創立から今日に至るまでの経緯について
お聞かせください。
私の父が、昭和16年に東京都目黒区にお
いて、多田プレス工業株式会社を設立しま
した。設立当初は蓄音機のアームといった
ような電気関連部品の加工を行っていまし
た。
昭和26年に自動車メーカーの協力工場と
なってからは、トラックや乗用車の自動車
関連部品の加工を手掛けてまいりました。
その後、次第に仕事量を増やす事が出来
たのですが、目黒の工場が手狭になった為、
騒音等の問題もあり、昭和36年に、こちら
秦野市に工場を新設し移転しました。
当時は、東名高速も無く、道路整備もさ
れていなかったため都内から材料を運ぶの
に、3, 4時間も掛かっていた程でした。
その後も自動車生産の発展に伴い、仕事
の量も飛躍的に伸ばすことができ、昭和51
代表取締役社長
多田 嘉之 氏
年に鹿沼市に栃木工場を新設しました。
現在、この栃木工場ではプレスや溶接に
加え金型の製造も行っています。
平成4年には、タイ国に合弁企業 T.J.Pを
設立し、自動車部品の加工を始めました。
御社の製品の特徴をお聞かせ下さい。
弊社では自動車部品の中でも、エンジン
周りや足周りといった、機能部品と機能部
品を結び付ける部品の加工を主に手掛けて
います。
メッキ鋼板や絞り加工なども行っていま
すが、単なるプレス加工だけに留まらず、
金型の設計・製造、プレス加工、溶接、表
面処理、そしてアッセンブリーと一貫した
生産を小物部品から行っています。
また、今回導入したサーボプレスを使っ
て、それらの工程を如何に少なくするかに
チャレンジしています。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
『考えよ 気を配れ ハッキリ示せ』
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進化はここから生まれる。
納期の厳守と最良の品質を追求したモノづくり。
工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち、社員が一丸と
なって仕事に取り組んでいる。さらにメーカーの信頼に応えるた
めの積極的な設備投資も推進している。
取締役工場長
生産管理部長
一之瀬 幸市 氏
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
御社が手掛けられている製品ならではと
言える特徴をお聞かせ下さい。
自動車部品でもトラックの部品となりま
すと、やはりその殆どが、厚板の加工とな
ります。
以前は、亀裂やコーナーにクラックが入
ったり、クリアランス不良などの問題があ
りましたが、金型製造を内製化することに
よってこれらの問題はかなり少なくなって
きました。
やはり、机上の設計に対して、実車を組
み込む際起きる色々な問題を取り入れて行
く事が重要であると実感しています。
お客様からご注文を頂き、単にその設計
通りに加工するのではなく、その製品を量
産するために、最も適した設計をこちらか
らご提案させて頂くことも我々の役目であ
ると思っています。
様々な技術を蓄積させている金型工場(栃木工場)
トラックの部品の場合、ロット数が少な
いのが特徴です。このような多品種小ロッ
トの部品に対しては、双腕ロボットや多関
大川 量一 氏
節ロボットといったロボットを使用するこ
とによって省力化を図っています。
双腕ロボット(左)と 6軸多関節ロボット
これらロボットと人との住み分けは効率
の良い生産を行う上で大変重要なことです
ので、工場長と生産管理部長とでしっかり
と工程を設定して行っています。
弊社にとって生産管理は非常に重要な意
味を持っています。
というのも、納品の形態が、弊社の工場
に廻ってくる自動車メーカーからの運送会
社のトラックに乗せるというものなのです。
納期遅れは当然してはいけませんが、早
すぎても保管場所の問題等が起こってしま
います。このタイミングに完全に合わせる
には、生産管理がしっかりしていないと不
可能なのです。
個数的には1日1000点、多い日には2000点
位の納品となるのですが、その中には1日
1個だけといった種類のモノもあります。
そのため現在は毎日情報を取得し、それ
を基に計画を立てて生産管理をしています。
Vol. 48
自動車部品製造メーカー
多田プレス工業株式会社
溶接ロボット(左)と 塗装ライン
一貫した生産が行われている。
今回サーボプレスH1Fを導入されました
がご使用されてみて如何ですか。
厳しさを増してきました排気ガス規制に
伴い、昨年から、新しいトラック部品の生
産が急激に増大しました。
トラック部品ですから厚板モノですが、
複雑な形をしているため、複合的な型を造
り、途中までプログレで行い、その後の工
程をタンデムで行う等、少しでも工程を減
らすべく努力してきました。
そこで今回、コマツのACサーボプレス
H1Fを導入し、後工程の短縮に取り組んで
います。
また、最近の自動車はあらゆる部分にコ
ンピューターが使われています。
私どもでは、このICを入れるケースや
カバーといった部品を手掛けています。
これらは薄板のメッキ鋼板で、全て絞り
加工が必要なのですが、中に入れるものが
コンピューターですから、当然絞り油など
が付着していてはいけません。品質に関し
てとても厳しいのです。
しかし、この油を洗い流すだけでも人一
人は必要になってしまいますので、工程が
どうしても掛かってしまいます。
そこで、ACサーボプレスH1Fで加工し
たところ、何と水溶性の油でも大丈夫だっ
たのです。やはり自由にスピードを変えら
れるからなのでしょう。サーボプレスだか
らフリーモーションで動かせるので、絞り
加工にも非常に適しているのでしょうね。
このH1Fによって省力化にもなりました。
また、ビートを出すといった加工では、
今まではベコベコになってしまっていまし
たが、サーボなら抑えながらビートを出す
ことができるので、そのような心配はあり
ません。
今後は、厚板でせん断面の厳しいモノの
加工等、このサーボプレスを使って様々な
事に挑戦して行きたい思っています。
今後の活躍が大いに期待されるACサーボプレスH1F150。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
多種多様の自動車部品を手掛けている
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Vol. 48
進化はここから生まれる。
自動車部品製造メーカー
多田プレス工業株式会社
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
今後の展望などをお聞かせください。
プレス業界において、若者が減ってきて
いるという実感があります。
そこで、今後すべきこととして、私はま
ず、若者を育てて行きたいと思っています。
素晴らしい若者が育つことが、企業として
の競争力を付けることでもあると思います。
そのためにもまず、教育が出来る現場を
作らなければなりません。弊社では「改善
グループ」というものを社内に作り、設備
の見直しや、講師を招いて現場の若い社員
に対する教育等を積極的に行っています。
また、ISO9002、9001、2000、14001と認
定取得して、ISOの内部監査員も充実させて
います。
さらに、作業員全員に資格を取らせるよ
うにしています。資格取得後も半年後、一
年後に再教育を行うといったように、徹底
した社員教育を行っています。こうした人
材の集まった各部署毎に品質に責任を持っ
た製品作りをして行きたいと考えています。
自動車部品を手掛けて行くからには、常
に品質と環境問題を第一に考えたいと思っ
ています。
社是と品質方針。
企業としての積極的な姿勢と高い品質を裏付ける姿勢が伺える。
KTS-Net
KTS-Netとは、サーボプレスを活用し
て革新的なプレス加工を追求されてい
るユーザーの方々の集まりです。
皆様の情報受発信の場として、是非ご
利用ください。
また、今後もこの誌面でKTS-Netのお
客様をご紹介させて頂きます。
ご入会をご希望の方は、是非弊社のサ
イトをお訪問下さい。
製品紹介
能 力
能力限界
ストローク長さ
最大ストローク数
ダイハイト
スライド調節量
スライド寸法
シャンク穴径
ボルスタ寸法
許容上型質量
左右 LR
前後 FB
左右 LR
前後 FB
厚さ
単位
kN
mm
mm
1/min
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
mm
kg
H1F35
350
4.5
~80
~80
210
55
350
300
38.5
700
400
86
50
H1F45
450
5.5
~100
~70
250
60
400
350
50.5
800
450
110
80
H1F60
600
6.0
~120
~60
300
65
500
400
50.5
900
550
130
130
H1F80
800
5
~130
~75
320
80
550
450
50.5
1000
600
140
190
H1F110
1100
5
~150
~65
350
100
620
530
50.5
1100
680
150
350
H1F150
1500
6
~200
~55
420
100
700
550
50.5
1250
760
165
500
H1F200
2000
6
~250
~50
450
120
850
650
50.5
1450
840
190
650
お問い合わせは
コマツ ハイブリッドACサーボプレス
KOMATSU HYBRID AC SERVO PRESSES
コマツ産機株式会社 鍛圧KBU 企画グループ
〒 140-0013 東京都品川区南大井 6-3-7 アーバンネット南大井ビル
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インターネットアドレス http://www.komatsusanki.co.jp/